事業売却が頓挫する3つの原因と、NetSuiteで短縮するカーブアウト戦略

「この事業だけ、うちのシステムから切り出せるのか」

事業の組み替えを考え始めた経営者が、最初に抱く問いです。

過去に売却を検討し、システムの問題で諦めた会社もあります。

カーブアウトとは、会社の一部の事業や子会社を切り出して、独立させたり売却したりすることです。

「事業売却」「子会社売却」「会社分割」などを含む言葉です。

切り出しが長引く原因は、ほぼ3つに絞れます。

  • 数字:事業別の損益が出せない
  • 仕組み:基幹システムが全社で一体になっている
  • 業務:経理や給与を親会社に頼っている

どれも、平時には合理的だった設計です。

全社で1つにまとめたから、経営が見えた。

その同じ設計が、切り出しの場面では壁になります。

では、売るかどうかを決める前に、何を整えておけばよいのか。

答えは第3章と第4章、そして第10章の2つの実例にあります。

NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットが、売り手(切り出す側)の視点で書きます。

買い手側の経営統合は、M&A後のPMI完全ガイドをご覧ください。

目次

2つの実例を先に|キュリエ様とアペックス様

本題の前に、ベンチャーネットがNetSuiteの導入を支援した2社を短く紹介します(詳しくは第10章)。

  • キュリエ様:IPOを見据え、法人事業部を売却し、人材・資金・経営の関心を新規事業「スマラピ」に集中した。事業部ごとに独立した会計単位(Subsidiary)で運営していたため、事業部別の財務データが整理された状態でデューデリジェンスに臨めた
  • アペックス様:27年間運用したSAP R/3の保守サポート終了を機に、ゼロベースで延べ12製品を比較し、NetSuiteを採用した。途中で導入パートナーをベンチャーネットに交代し、予定どおりカットオーバーした

1社目は、切り出しそのものの例です。

2社目は、長年の仕組みをそのまま引き継がない判断の例です。

どちらも、システムを「経営の選択肢」として扱っています。

この記事で分かること

  • カーブアウトの基本の流れと、システムが効いてくる局面
  • 事業売却が長引く・頓挫する3つの典型と、その避け方
  • NetSuite OneWorldの法人単位の管理でできること・注意点(公式情報にもとづく)
  • NetSuite以外が合う場合と、「いまは入れない」という判断
  • 経営者が最初に決める3つの問いと、今日できる準備

カーブアウトの基本の構造

登場人物と流れ

登場人物役割
売り手自社。事業を切り出す側
買い手事業を取得する側
第三者FA(フィナンシャル・アドバイザー)など。仲介・支援

流れは、おおむね次のとおりです。

意思決定 → 準備 → 買い手探し → デューデリジェンス → 契約 → クロージング

システムの準備不足が表に出るのは、デューデリジェンスからクロージングまでです。

買い手の精査を受け、引き渡すまでのこの局面で、長期化や頓挫が起きます。

よく出る言葉

言葉意味
デューデリジェンス(DD)買い手による事業の精査。財務・法務・税務・システムなどを調べる
TSA(Transition Service Agreement)売却の後の一定期間、売り手が買い手に業務のサービスを提供する暫定の契約
クロージング最終の契約の実行と、引き渡しの完了
P/L・B/S損益計算書・貸借対照表

カーブアウトが検討される背景

  • 事業ポートフォリオ(事業の組み合わせ)の見直し
  • ノンコア事業の整理と、経営資源の集中
  • IPOに向けた選択と集中
  • 後継者の問題・事業承継

事業売却は、会社の縮小ではありません。

経営戦略を実行する手段の一つです。

売り手と買い手で、見るものが違う

準備で意識したいのは、買い手が何を知りたいかです。

観点売り手の関心買い手の関心
数字事業の価値を正しく示したい数字の作り方に誤りや偏りがないか
システム切り離しの手間と費用を抑えたい引き継いだ後に動くか、費用はいくらか
業務売却の後の負担を早く終えたい独立して回せる体制がいつ整うか
人残る社員と移る社員の線引き業務を分かる人が一緒に来るか

買い手の関心に先回りして準備する。

それが、交渉を短くする近道です。

事業売却が頓挫する3つの典型|よくある失敗

売る・売らないを決めるのは、経営者です。

ところが、いざ「売る」と決めても、システムの問題でその選択肢を失うことがあります。

事業売却が頓挫する3つの典型と、経営者の問い 数字の問題は事業別のP/Lが出せないこと、仕組みの問題は基幹が全社で一体であること、業務の問題は親会社に頼っていること。それぞれに経営者がすぐ投げられる問いがある。 切り出しを止める3つの典型 典型1|数字 事業別のP/Lが出せない 問い:この事業の先月の営業利益は 翌日に答えが返るか 典型2|仕組み 基幹システムが全社で一体 問い:この事業の在庫だけの一覧を システムから出せるか 典型3|業務 業務が親会社に頼っている 問い:この事業が明日独立したら 止まる業務はどれか どれも平時には合理的だった設計
事業売却が頓挫する3つの典型と、経営者の問い

典型1:事業別のP/Lが出せない(数字の問題)

起きること

  • 月次決算では全社の損益しか出ない。事業別は経理が表計算で手作業し、月末から2週間以上かかる
  • 「この事業の営業利益はいくらか」と聞いても、即答できる人がいない
  • 人件費・賃料・本社費などの共通費の配り方が、事業ごとにあいまい

買い手は事業を買うとき、事業単独の P/L・B/S を求めます。

過去の数年分を、勘定科目の水準で示す必要があります。

出せなければ、DDで論点が増え、価格の交渉で不利になります。

最悪の場合、取引そのものが止まります。

原因:経理の頑張り不足ではありません。会計の設計が、事業の切り出しを想定していなかったのです。

「Excelで集計すれば済む」と見えても、DDで求められるのは数年分をそろった形で示すことです。

共通費の配り方が年ごとに違えば、それ自体が説明を求められる論点になります。

避け方

  • 部門などの区分を勘定科目と合わせて設計し、すべての取引に付ける
  • 共通費の配り方を、事業ごとに文書で決める
  • 法人として分かれている事業は、ERPの上でも法人ごとに分けて持つ

管理会計の設計は、NetSuiteで実現する管理会計の高度化で扱っています。

典型2:基幹システムが全社で一体(仕組みの問題)

起きること

  • 在庫・受発注・購買のデータが全社で1つにまとまり、事業ごとに切り分けられない
  • 「この事業の在庫だけ別に管理したい」に、情シスが「システム上できません」と答える
  • 導入した当時の「全社統合」の設計が、いまは足かせになっている

原因:システムが古いからではありません。

導入した当時は、業務の統合とデータの一元管理がERPの目標で、それが正解でした。

その設計のまま切り出そうとすると、次の3つが絡み合います。

  • マスターデータ(取引先・商品・部門など業務の基本のデータ)が全社で共有されている
  • アドオン(ERPに付け足した独自のプログラム)が、事業の境目を越えて絡んでいる
  • 業務の流れが全社で1つで、事業ごとに分けるとゼロから組み直しになる

事業を売るつもりが、IT資産を作り直す作業になる。

これが、切り出しを長期戦にする大きな原因です。

避け方:「全社で統合して見る」と「事業ごとに分けて見る」を、両立できる設計にします。

統合と切り出しは、対立しません。

法人・事業の単位を最初から分けて持ち(Subsidiaryや区分)、全社の数字はそれを集めて見ればよいのです。

基幹システムの刷新の判断は、基幹システムとERPの違い(移行判断)で扱っています。

典型3:業務が親会社に頼っている(業務の問題)

起きること

  • 子会社や事業部の請求書の発行・売掛金の管理・支払を、本社の経理がまとめて代行している
  • 給与・人事・購買の承認などを、親会社の仕組みと運用に頼っている
  • 子会社に法務や情シスの機能がなく、すべて親会社が担っている

この形のまま切り出すと、売却の後の事業を回す機能がありません。

そのため、TSAで売り手が業務の代行を続けることになります。

TSAが長引くと、次の問題が起きます。

  • 売り手の人手が買い手の業務に縛られ、本来の経営に力を向けられない
  • 代行の対価をめぐる交渉が複雑になり、関係が悪くなる
  • 買い手も自前の体制を整えられず、PMIが遅れる

原因:業務の集約は、平時には効率化として働きます。

ただ切り出しの場面では、「切り離す業務がどこからどこまでか」を見えにくくします。

避け方:業務を集約したままでも、分けられる単位で設計しておきます。

  • 各事業の経理の処理を、勘定科目と区分で完結できる単位にする
  • 承認などの業務の流れを、法人・事業ごとに分けられるようにしておく
  • 取引先・契約・人事などの大事なマスターを、事業ごとに管理できる形にする

3つに共通すること|平時の効率化が有事の柔軟性を奪う

過去の判断平時の目的切り出しのときの壁
会計を全社で統合経営の見える化事業単独の数字が出ない
基幹システムを1つにデータの整合性事業ごとに分けられない
業務を親会社に集約コストと統制切り離す範囲が見えない

どれも、過去の経営判断としては正解でした。

その合理的な選択を、いまの環境にどう合わせるか。

カーブアウトの難しさは、経営の問題です。

構造の比較|全社一体型と、法人・事業の単位で分けて持つERP

比べる点全社一体型の基幹法人・事業の単位で分けて持つERP(NetSuite OneWorldなど)
会計の単位全社で1つ法人ごとに持ち、親の通貨で連結
事業の区分後から表計算で配る部門・クラスなどの区分を取引に付ける
マスター全社で1つを共有法人ごとの管理と共通の管理を組み合わせる
業務の流れ全社で1つ法人・事業ごとに分けて設定できる
アドオン要件ごとに積み上がる標準の機能を中心にし、追加を抑える

全社一体型の仕組みでは、切り出しがIT資産の作り直しになりがちです。

法人・事業の単位で分けて持つ仕組みでは、切り出しの中心がデータの切り分けと引き渡しになります。

この違いが、準備の手間と期間の差になって表れます。

切り出しに要る期間は、事業の規模と複雑さ、いまのシステムの状況で大きく変わります。

一般的な目安より、自社が3つの典型にどれだけ当てはまるかのほうが、見通しを正確にします。

事業別に整ったデータは、AIの使い道も広げます。

事業ごとの利益の推移をAIに比べさせる。

共通費の配り方を変えたときの影響を試算させる。

切り出しの準備は、そのまま事業の見える化とAI活用の準備にもなります。

NetSuiteで切り出せる形を整える

OneWorldとSubsidiary|法人ごとに持つ

NetSuiteでは、OneWorldという仕組みで複数の法人を管理します。

法人のことをSubsidiary(サブシディアリー)と呼びます。

Oracleのヘルプでは、OneWorldを次のように説明しています。

(出典:Oracle NetSuite公式ヘルプ「OneWorld Overview」、2026年9月確認)

  • 1つのNetSuiteアカウントで、複数の法人の記録と取引を管理できる
  • 国内外の法人を、1つの階層にまとめる
  • 各法人は、税務・規制の上で独立した法人として扱われる
  • 各法人は、課税の単位と、財務を管理する基本の通貨を持つ
  • 複数の法人のデータを、親の法人の通貨で連結して報告できる
  • 法人間の仕訳と、法人間の取引の利益の消去を扱える

たとえば、本社・国内の子会社A・海外の子会社Bを、それぞれSubsidiaryとして持つ形です。

全社の連結の数字も、法人ごとの数字も、同じ仕組みの中で見られます。

事業を子会社として切り出す場合、その法人の数字がふだんから分かれていることが強みになります。

DDで求められる事業単独の数字を、作り直さずに示しやすくなるからです。

切り出す事業部は、最初からSubsidiaryで持つ

切り出す可能性がある事業部は、最初から独立した会計単位(Subsidiary)として持っておく設計があります。

事業部ごとに取引と残高が分かれて記録されるため、事業単独の数字を作り直さずに示しやすくなります。

第10章のキュリエ様の事例も、事業部ごとに独立した会計単位(Subsidiary)として運営する構造でした。

公式ヘルプの説明のとおり、Subsidiaryは法人の単位で使うのが基本です(4-1)。

そのうえで、切り出しに備えて事業部をSubsidiaryで持つ設計もあります。

どちらにするかは、切り出す可能性の高さと、ライセンスの費用(4-3)を比べて決めます。

税務の申告は法人の単位で行うため、法人としての数字をどう集めるかも合わせて設計します。

切り出す予定のない事業部や製品ラインは、区分で分けます。

Oracleのヘルプでは、OneWorldの部門・クラス・場所・カスタムセグメントは、Subsidiaryと組み合わせて使うと説明しています。

(出典:Oracle NetSuite公式ヘルプ、2026年9月確認)

部門・クラスは、取引に付けて事業や製品ごとの数字を出すための区分です。カスタムセグメントは、自社で作れる追加の区分です。

切り出す単位NetSuiteでの持ち方準備で大事なこと
子会社Subsidiary法人ごとの取引と残高を、ふだんから分けて記録する
切り出す可能性がある事業部Subsidiary(独立した会計単位)事業部ごとの取引と残高を分け、事業部間の取引のルールを決める
それ以外の事業部部門・クラス・カスタムセグメントすべての取引に区分を付け、共通費の配り方を決める
製品ラインクラスやカスタムセグメント売上と原価を同じ区分で追えるようにする

区分で持つ事業部では、区分の付け漏れがそのままDDの論点になります。

どの事業部をSubsidiaryで持つかは、導入の最初に決めるのが近道です。

知っておきたい注意点

公式ヘルプから、準備の段階で知っておきたい点を挙げます(2026年9月確認)。

公式の記載準備での意味
OneWorldへの切り替えは、新規でも既存のアカウントでもできるが、一度きりで元に戻せない単一の法人で使っている会社は、切り替えの時期と設計を計画してから進める
Subsidiaryの数の上限は250(消去用と非アクティブの法人は数えない)中堅・中小企業では、数の上限が問題になることは少ない
Subsidiaryのライセンスは、国と基本の通貨の組み合わせで決まる法人を増やす前に、費用への影響を見積もりで押さえる
Subsidiaryのレコードは、取引やレコードがない場合に削除できる切り出した後も、取引の履歴は残る前提で考える

最後の点は見落とされがちです。

売却した法人の記録をどう保ち、買い手にどう渡すか。

契約とあわせて決めておきます。

海外の法人を含むとき

NetSuiteは、世界220地域・44,000社以上で使われているクラウドERPです(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月時点)。

190通貨・27言語に対応しています。

切り出す事業に海外の拠点が含まれる場合、通貨・言語・税の扱いが論点になります。

各法人が基本の通貨を持つ設計は、この論点を整理しやすくします。

海外の法人の管理は、NetSuiteのグローバル展開機能で詳しく扱っています。

売り手の実務|DD・データの引き渡し・TSA

売却が具体的になると、仕組みとは別に、DD・データの引き渡し・TSAの準備が要ります。

論点を先に知っておけば、ふだんの設計にも生かせます。

よくある誤解

NetSuiteの法人単位の管理は、切り出しを軽くする土台です。

ただし、入れれば自動で切り出せるわけではありません。

よくある誤解実際
OneWorldにすれば、事業部も切り出せる事業部をSubsidiaryで持つか、区分で持つかの設計しだい。区分の付け漏れがあれば数字は出ない
法人を分ければ、TSAは要らない業務を親会社に頼っていれば、TSAの論点は残る
データは自動で買い手に移る対象・形式・時期を決め、取り出して渡す作業が要る
入れ替えれば、過去の数字も整う入れ替えの前の数字は、元のやり方のまま残る

とくに最後の点です。

DDでは過去の数年分を問われるため、入れ替えの前の数字の説明も準備しておきます。

DDで、システムについて聞かれること

聞かれること買い手が知りたい理由準備しておくもの
事業単独の過去数年の P/L・B/S事業の稼ぐ力と、価格の根拠区分ごとの試算表、共通費の配り方の説明
数字の作り方手作業の集計に誤りがないか集計の手順書、使っている表計算の一覧
使っているシステムと契約引き継げるか、解約や移管の費用システムの一覧、ライセンスと保守の契約
アドオンと外部連携切り離すと何が止まるかアドオンの一覧、連携先の一覧
マスターの持ち方取引先・商品を分けられるか共有しているマスターの一覧
親会社が担う業務TSAの範囲と期間代行している業務の一覧と工数

どれも、DDが始まってから集めると時間がかかります。

ふだんから一覧にしておけば、交渉の場で慌てずに済みます。

データをどう引き渡すか

渡し方向く場面決めておくこと
必要なデータを取り出して渡す買い手が自社のシステムに取り込む対象の期間、項目、形式、照合の方法
法人ごと引き継ぐ子会社を株式ごと譲る契約の名義、利用者、ライセンスの扱い
一定期間、売り手のシステムで預かる買い手の準備が間に合わないTSAの範囲、見られる人、期限

法人ごとに取引と残高を分けて持っていれば、対象のデータを特定しやすくなります。

マスターを全社で共有している場合は、どこまで渡すかの線引きが要ります。

取引先の情報には、個人に関わる情報が含まれることもあります。

渡す範囲と方法は、法務の専門家に相談してから決めます。

移し替えの進め方は、基幹システムのデータ移行ガイドも参考になります。

TSAの設計で決めること

TSAは、売却の後の混乱を防ぐための契約です。

範囲と出口を決めずに結ぶと、売り手の負担が長く続きます。

決めること中身決めないと起きること
範囲経理・給与・システムの利用など、どの業務を続けるか頼まれるたびに範囲が広がる
期間と対価何か月で終えるか、延長の条件、業務ごとの料金終わりが見えず、交渉もこじれる
終わる条件買い手がどの状態になれば終えるか「まだ準備中」で延び続ける
データの扱い買い手がいつ、どのデータを見られるか権限の管理があいまいになる

買い手の利用者に売り手のシステムを使わせるなら、見られる範囲をロールで分けておきます。

ロールの設計は、NetSuiteの権限・ロール設計で扱っています。

切り出しで費用がかかる場所

切り出しの費用は、システムの入れ替えの費用だけではありません。

費用の項目中身大きくなる条件
数字の作り直し事業単独の過去の数字を、手作業で組み直す区分が付いていない年が長い
アドオンの切り離し事業をまたぐ独自の機能を分けるアドオンが多く、設計の記録がない
データの取り出し対象のデータを選び、形を整えて渡すマスターを全社で共有している
TSAの運用売却の後も業務とシステムを提供する範囲と終わる条件が決まっていない
買い手側の新しい仕組み切り出した事業が使う仕組みを用意する買い手の準備が遅れる

売却の時期が決まったら、準備は5つの段階で進みます。

検討の前に自己診断と区分の見直し。準備の段階で事業単独の数字と、システム・契約の一覧。

DDでは質問に答え、契約ではTSAの範囲とデータの渡し方を確定します。

クロージングの後は、TSAを実行し、データを引き渡します。

経営者が決めることも、段階ごとに1つずつあります。

切り出す事業、単位と時期、開示の範囲、売り手が担う範囲、そしてTSAを終える判断です。

段階と、経営者が決めることを図にすると、次のとおりです。

売り手の準備の5段階と、経営者が決めること 検討の前、準備、DD、契約、クロージングの後の5段階で準備を進める。経営者は、切り出す事業、単位と時期、開示の範囲、売り手が担う範囲、TSAを終える判断を、段階ごとに1つずつ決める。 売り手の準備の5段階 青字は、経営者が決めること 1. 検討の前 自己診断と、区分の見直し 経営者が決める:切り出す事業 2. 準備 事業単独の数字、システム・契約の一覧 経営者が決める:単位と時期 3. DD 買い手の質問に答える 経営者が決める:開示の範囲 4. 契約 TSAの範囲とデータの渡し方を確定 経営者が決める:売り手が担う範囲 5. クロージングの後 TSAを実行し、データを引き渡す 経営者が決める:TSAを終える判断 システムの準備が遅れると、 交渉の日程全体が延びる
売り手の準備の5段階と、経営者が決めること

費用の多くは、ふだんの設計で小さくできます。

区分の付け方とアドオンの記録は、売却の予定がなくても整えておく価値があります。

システムの準備が遅れれば、DDの回答が遅れ、交渉の日程全体が延びます。

判断の物差し|いま、何を整えるか

NetSuiteで整えるのが向いている会社

  • 子会社や事業部が複数あり、今後5〜10年で組み替える可能性がある
  • 事業別の数字を、毎月すぐに出したい
  • 海外の法人を含め、法人ごとの数字と連結の数字を両方見たい
  • 業務を標準に寄せて、アドオンを減らす意思がある

NetSuite以外が合う場合

状況合いやすい選択理由
1年以内に売却が決まっているERPの入れ替えより、DD用のデータの整理とTSAの設計を先に入れ替えの期間が売却の日程に間に合わないことがある
事業が1つで、法人も1ついまの会計の仕組みで区分を整える法人単位の管理の利点が出にくい
独自の業務が多く、標準に寄せにくいOdooや国産ERPも比べる作り込みが増えるほど、切り分けも重くなる
切り出す事業だけ、別の仕組みが要るAIを使ったスクラッチ開発で小さく作り、会計とつなぐ事業の業務を分けて持てる

売却の時期で、優先することが変わる

売却の時期の見通し優先すること後回しにしてよいこと
1年以内DD用の数字と一覧の作成、TSAの設計ERPの入れ替え
1〜3年先区分の付け方の見直し、アドオンの棚卸し大がかりな業務の作り直し
未定次の入れ替えで法人と区分の設計を組み込む売却のための個別の作業

時期が近いほど、いまある数字を説明できる形に整えるほうが効きます。

時期が遠いほど、仕組みの設計で準備を軽くできます。

売却の予定がなく、事業も1つで、数字も出せている会社は、急ぐ必要はありません。

入れ替えの費用と手間のほうが大きくなりがちです。

区分の付け方と共通費の配り方だけを、いまの仕組みの中で整えておけば十分です。

これから選ぶ会社と、いま使っている会社

これからERPを選ぶ会社は、選定の段階で、将来切り出す可能性がある単位を決めておきます。

  1. 子会社として切り出す可能性がある事業は、法人(Subsidiary)として持つ
  2. 事業部のまま切り出す可能性がある事業は、独立した会計単位(Subsidiary)として持つ設計を検討する
  3. それ以外の事業部には、区分(部門・クラスなど)を必ず付ける
  4. 共通費の配り方と、法人間の取引のルールを、稼働の前に決める

後から法人や区分を足すと、過去のデータとの比べ方が難しくなります。

製品を比べるときは、どの提供元にも「法人を1つ増やすと、費用と作業はどう変わるか」「特定の法人・事業のデータだけを取り出す方法は何か」と聞くと、違いが見えます。

いま使っていて見直しを考えている会社は、状況で最初の一手が変わります。

いまの状況最初に見ること見直しの方向
全社一体型の古いERP事業別のP/Lを出すのに何日かかるか次の入れ替えで、法人・区分の設計を組み込む
別のERPやSAPを使っているアドオンが事業の境目をまたいでいないか残す業務の仕組みと、標準に寄せる仕組みを分ける
すでにNetSuiteを使っている区分の付け漏れ、法人の分け方区分の必須化、OneWorldの検討

すでにNetSuiteを使っている会社は、保存検索で「部門が空の取引」を洗い出すと、付け漏れの量がすぐに分かります。

多ければ、入力の画面で区分を必須にするなど、入口で防ぐ設定を検討します。

単一の法人で使っている場合、OneWorldへの切り替えは一度きりで戻せないため、慎重に計画します。

カーブアウトは経営のプロジェクト

「システム部門に丸投げ」で起きること

「カーブアウトに向けて、システムを整えておいて」

経営者がこう言って情シスや経理に任せると、うまくいかないことが多くなります。

どの事業を、どの単位で、いつ切り出すか。

どこまでを売り手が担い、どこからを買い手が担うか。

TSAを何か月で終えるか。

これらは経営の判断で、情シスが推測で決めるものではありません。

推測で進めると、経営の意思とずれた仕様ができます。

いざ切り出す段になって、「想定した切り出し方ができない」と分かる。

情シスの責任ではなく、システムの設計を経営判断として扱わなかったことが原因です。

だれが何を担うか

担い手主な役割
経営者切り出す事業・単位・時期の判断、開示の範囲の決定
CFO・経理事業単独の数字の作成、共通費の配り方の説明
情シスシステム・契約・アドオンの一覧、データの取り出し
事業の責任者親会社に頼っている業務の洗い出し、独立の後の体制
外部の専門家FA・会計士・弁護士による交渉・会計・契約の支援
ERPのパートナー区分の設計、データの切り分け、TSAの間の運用の支援

情シスと経理には、「何のために、いつまでに」を経営者が伝えることが出発点です。

売却の検討は社内でも限られた人しか知らないことが多いため、伝える範囲と順番も決めておきます。

経営者が決める3つの問い

問い1:今後5〜10年の事業ポートフォリオはどうなるか

切り出す可能性のある事業、コアとして残す事業、育てる事業はどれか。

この答えがないと、システムの設計の方向が決まりません。

問い2:切り出すならどの単位か

子会社か、事業部か、特定の製品ラインか。

単位によって、Subsidiaryで持つか区分で持つかが変わります。

問い3:切り出した後の業務をだれがどこまで担うか

TSAで売り手がどこまで続け、いつ買い手に移すか。

契約の論点ですが、システムの設計の前提でもあります。

3つの問いを図にすると、次のとおりです。

経営者が決める3つの問い 今後5〜10年の事業ポートフォリオ、切り出すならどの単位か、切り出した後の業務をだれがどこまで担うか。3つの答えが、システムの設計の前提になる。 経営者が決める3つの問い 問い1 今後5〜10年の事業ポートフォリオ 切り出す・残す・育てる事業はどれか 問い2 切り出すなら、どの単位か 子会社か、事業部か、製品ラインか 問い3 切り出した後の業務の担い手 TSAで売り手がどこまで、いつまで 答えが、システムの設計の前提になる 情シスに推測で決めさせない
経営者が決める3つの問い

3つに答えるには、事業ごとの利益の推移や成長の見通しといった材料が要ります。

材料が表計算に散らばっていると、問いに答える前に集計で時間を使ってしまいます。

「いつでも売れる状態」が経営の自由度を上げる

売却するかどうかにかかわらず、いつでも切り出せる状態を持つこと自体に価値があります。

自由度中身
事業の組み替えノンコアを切り出し、コアに集中する時期を、経営者が選べる
経営資源の再配分人材・資金・経営の関心を、成長の領域に振り向けられる
出口の選択事業承継・IPO・MBO・M&Aを、そのときの環境で選べる

「いまは売却を考えていない。でも、5年後、10年後は分からない」

経営者からよく聞く言葉で、健全な感覚です。

市場の縮小、新しい技術、後継者の問題。

そのとき「売る」という選択肢が手元にあるかどうかで、経営の自由度は大きく変わります。

準備することと、実行することは別です。

怖いのは、準備しないまま選択肢を失うことです。

事業の切り分けに対応できるERPへの投資は、売却の準備への投資ではありません。

経営の選択肢を持つことへの投資です。

売却の前に事業の価値を高める考え方は、M&Aで高く売れる事業とは?で扱っています。

架空の例で考える

架空の会社で、準備の進み方を見てみます(会社・数字はすべて架空です)。

架空のX社:従業員300名の卸売業。卸売・EC・法人向けの保守の3事業を、1つの法人で運営している。

基幹システムは15年前に入れた全社一体型で、事業別の損益は経理が月末から2週間かけて表計算で作っている。

社長は、法人向けの保守の事業を、3年以内に切り出す可能性があると考えています。

自己診断の結果は、次のとおりでした。

典型X社の状態打ち手
典型1事業別の損益は表計算。共通費は売上の比で配っているが、年ごとに方法が違う配り方を文書で決め、過去3年分をその方法でそろえ直す
典型2保守の契約と部品の在庫を、卸売と同じマスターで管理次の入れ替えで、事業の区分をすべての取引に持たせる
典型3保守の事業の請求と給与を、本社の経理が代行代行している業務と工数を一覧にし、TSAの範囲の見当をつける

時期はまだ決まっていません。

そこでX社は、いまのシステムで配り方をそろえることから始めました。

2年後の基幹の入れ替えでは、法人と区分の設計を最初に決めます。

売却をしない場合でも、事業別の数字が早く出れば、毎月の経営判断に役立ちます。

実例から見る——「選択と集中」としてのカーブアウト

ここまで読んで、「守りの話のはずが、攻めの経営の話になっている」と感じた方もいるかもしれません。

そのとおりです。

ベンチャーネットがNetSuiteの導入を支援した会社には、事業の切り出しを攻めの経営戦略として実行した会社があります。

キュリエ様:IPOに向けた事業ポートフォリオの組み替え

株式会社キュリエ様は、プリンター用の互換インクやトナーなど、オフィスサプライの輸入・卸売を主軸に成長してきた企業です。

近年はECへの販売シフトを進め、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーを複数回受賞するなど、オンライン販売でも実績を築かれています。

2024年、新規事業「スマラピ」を立ち上げられました。

従来とは異なる顧客層・商流に踏み出す、事業ポートフォリオ拡張への布石です。

そこで生まれたのが、「コア事業に集中するために、ノンコアの事業部を切り出す」という経営判断でした。

法人事業部を売却し、生まれた人材・資金・経営の関心を「スマラピ」に集中する。

IPOを見据えた選択と集中の一環です。

システムの面で切り出しを支えたのが、NetSuiteのマルチエンティティ機能です。

事業部ごとに独立した会計単位(Subsidiary)として運営する構造を採っていました。

そのため、事業部別の財務データが整理された状態で、デューデリジェンスに臨めました。

全社統合をやり直さずに、必要なときに事業を切り分けられた例です。

アペックス様:長年の仕組みをそのまま引き継がない

アペックス様は、1963年創業の、コーヒーをはじめとするカップ式自動販売機オペレーターの先駆者です。

1998年から27年間、SAP R/3を運用してきました。

2025年の保守サポート終了(2025年問題)が、見直しの契機です。

業務は紙の帳票が中心で複雑になり、既存システムの全体像を理解している人がいない状態でした。

後継のS/4 HANAについては、中堅企業には過剰機能で、コストの負担が大きいという判断です。

アドオンやカスタマイズが持ち込まれ、非効率な業務まで引き継がれる懸念もありました。

そこでゼロベースで選定し、延べ12製品を比較して、クラウドネイティブのOracle NetSuiteを採用しました。

2024年1月に始動し、途中で導入パートナーをベンチャーネットに交代しています。

それでも予定どおり、2025年10月1日にカットオーバーしました。

この判断は、典型2の「アドオンが事業の境目を越えて絡む」状態を、次の仕組みに持ち越さないことに通じます。

売却のための入れ替えではありません。

ただ、長年の設計をそのまま引き継がないことは、将来の組み替えに備える第一歩になります。

2つの事例に共通すること

2社とも、システム投資を「IT予算」ではなく「経営の判断を実行する手段」として扱っています。

「事業ポートフォリオをどう描くか」「長年の仕組みを、そのまま引き継ぐか」。

経営者の問いへの答えが先にあり、仕組みはそれを実行する道具として選ばれました。

実在の会社の導入の経緯は、NetSuite導入事例でも紹介しています。

ベンチャーネットならこう見る|切り分けも「見える化→整理整頓→Fit&Gap」から

ベンチャーネットは、NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しています。

カーブアウトの相談でも、製品の話より先に、進め方の型を当てはめます。

型:見える化→整理整頓→Fit&Gap

  1. 見える化:切り出す事業の業務の流れを描き、親会社が代行している業務(経理・給与・購買・情シス・法務)を一覧にする
  2. 整理整頓:その事業に残す業務、親会社に残す業務、TSAで一時的に続ける業務に仕分ける
  3. Fit&Gap:事業の業務を標準の機能と照らし合わせ、標準に合わせる/開発する/残すを決める
ベンチャーネットの進め方:見える化→整理整頓→Fit&Gap→3つの選択 業務の見える化、整理整頓、NetSuite標準機能とのFit&Gap、そして標準に合わせる・開発する・残すの3択で決める。 ベンチャーネットの進め方業務の見える化いまの業務フローを現場に聞いて描く整理整頓やめる・まとめる・そろえる業務を決めるFit&GapNetSuiteの標準機能と照らし合わせる3つの選択標準に合わせる/開発する/残す製品が決まっていても、見える化から始める
ベンチャーネットの進め方:見える化→整理整頓→Fit&Gap→3つの選択

3段目で「開発する」を選ぶほど、将来の切り分けは重くなります。

典型2のアドオンの絡まりは、この選択の積み重ねから生まれるからです。

アペックス様が懸念したのも、アドオンやカスタマイズとともに非効率な業務まで引き継ぐことでした。

最初に伺う3つ

  1. 切り出す可能性のある事業と、その単位(子会社・事業部・製品ライン)
  2. その事業のP/L・B/Sが、今日いくつの手作業で出るか
  3. 売却の時期の見通し(1年以内か、数年先か、未定か)

3が1年以内なら、入れ替えよりDDの資料とTSAの設計を優先します。

数年先や未定なら、次の入れ替えの機会に、法人と区分の設計を組み込みます。

売り手の準備だけでなく、買い手側のPMIの相談も、両方の立場でお受けしています。

ベンチャーネットの仕事は、ゼロからの導入より、他社のあとの引き継ぎや他システムとの連携が多くを占めます。

切り出しでも、残る側と出ていく側の仕組みをつなぐ作業が生まれます。

アペックス様のように、途中から導入を引き継ぎ、予定どおり稼働させた例もあります。

売却を勧めることはしません。

切り出しの予定が遠い会社には、準備の範囲を小さく絞る提案をすることもあります。

今日できること|「切り出しの自己診断」を1時間で

切り出す可能性のある事業を1つ選び、次の表を埋めてみてください。

見ることいまの状態当てはまる典型
その事業のP/Lは何日で出るか(例)月末から10営業日、表計算で典型1
その事業だけの在庫・受注を出せるか(例)商品コードで手作業で分ける典型2
アドオンは事業をまたいでいるか(例)受注の独自機能を全事業で共有典型2
親会社が代行している業務(例)請求・支払・給与・購買の承認典型3

「表計算で」「手作業で」「親会社が代行」が多いほど、準備に時間がかかります。

典型1だけなら、区分と共通費の配り方の見直しで改善できることが多くあります。

典型2が当てはまるなら、次の入れ替えの計画に、切り分けの設計を入れておきます。

典型3が当てはまるなら、代行している業務の一覧を作り、TSAの範囲の見当をつけます。

埋まらない欄があれば、そこがDDで最初に問われる場所です。

よくある質問

Q1. 売却を具体的に考えていなくても準備する意味はありますか

あります

いつでも切り出せる形を持っていれば、売るかどうかをそのときの判断で決められます。

いざ売ろうとしてシステムの問題で売れないのは、選択肢を失うことと同じです。

事業別の数字が出る形は、売らない場合でも経営判断の精度を上げます。

Q2. 準備はいつから始めるべきですか

システムを入れる時か入れ替える時が好機です

法人と区分の設計は、導入の最初に決めるのが近道です。

すでにERPを使っている会社は、次の入れ替えや機能を足す時に見直します。

Q3. NetSuiteの費用はどれくらいですか

ミニマム構成で月額20万円〜が出発点です

モジュール・ユーザー数・オプションで変わり、規模しだいで数百万円規模になることもあります。

OneWorldでは、Subsidiaryのライセンスが国と基本の通貨の組み合わせで決まります。

Q4. 事業部もSubsidiaryで分ければよいですか

切り出す可能性がある事業部はSubsidiaryで持つ設計もあります

Subsidiaryは、法人の単位で使うのが基本です。

そのうえで、切り出しに備えて事業部を最初から独立した会計単位(Subsidiary)として持つ設計もあります。

切り出す予定のない事業部は、部門やクラスなどの区分で分けます。

Q5. 別のERPやSAPからの移行はできますか

できます

見極めどころは、長年のアドオンを、どこまで標準の機能で置き換えられるかです。

すべてをそのまま持ち込もうとすると、移行の費用が大きくなり、クラウドERPの利点も薄れます。

残す仕組みと標準に寄せる仕組みを、経営の判断として仕分けます。

Q6. TSAの期間はどのくらいで考えればよいですか

期間より先に終わる条件を決めます

必要な期間は、事業の規模や、買い手の準備の進み具合で変わります。

「買い手の経理が自前で月次を締められたら終える」のように、終わる条件を契約で決めておきます(第5章5-4)。

Q7. PMI(買い手側の経営統合)とはどう違いますか

本記事は売り手の準備でPMIは買い手の統合です

売り手は、切り出し・DDへの対応・TSAの設計を扱います。

買い手は、統合・業務の一本化・相乗効果づくりを扱います。

買い手の立場の方は、M&A後のPMI完全ガイドをご覧ください。

まとめ

  • カーブアウトが長引く原因は3つ。事業別の損益が出ない、基幹が全社で一体、業務が親会社頼み
  • どれも平時には合理的だった設計で、切り出しの場面で壁になる
  • NetSuiteでは、法人と切り出す可能性がある事業部はSubsidiary、それ以外の事業部は区分で持つ
  • OneWorldへの切り替えは一度きりで戻せない。設計は最初に決める
  • 売却が1年以内なら、入れ替えよりDDの資料とTSAの設計を優先する

「この事業だけ、切り出せるのか」。

その答えは、第12章の表の埋まり具合に出ます。

売るかどうかは、後で決められます。

決められる状態をいまのうちに整えておくことが、経営の選択肢になります。

もう少し詳しく知りたい方へ

事業の切り出しに向けた準備の順番や、いまのシステムで足りるかの見極めから、ご相談をお受けしています。

具体的な売却の予定がない段階のご相談も歓迎しています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

目次