NetSuite導入事例|成長・SAP刷新・業務改革を実現した3社の「課題→成果」と、自社への当てはめ方

「同じ業種の事例があれば、うちでも同じ成果が出るはずだ」

導入事例を探す方の多くが、そう考えて読み始めます。

けれども、成果を分けるのは業種ではありません。

3社の事例を並べると、効いていたのは進め方のほうでした。

NetSuiteとは、販売・在庫・会計などの基幹業務を1つにまとめて見える化するクラウドERPです。

ERPは、会社の基幹業務のデータを1つにまとめる仕組みのことです。

世界220地域・44,000社以上で使われています(出典:Oracle NetSuite公式サイト、2026年9月時点)。

紹介するのは、実在する3社の「課題→導入→成果」です。

卸売×ECで成長を続けるキュリエ様。

27年使ったSAPから全面刷新したアペックス様。

物流の業務改革を進めた南海エクスプレス様。

3社とも、NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットが導入を支援しました。

業種も課題も違う3社に、何が共通していたのか。

答えは第5章にあります。

NetSuiteの基礎は、NetSuiteとは?中堅・中小企業の経営者が知っておきたいクラウドERP入門で解説しています。

目次

この記事で分かること

  • タイプの違う3社(成長・SAP刷新・業務改革)の課題と成果
  • 3社に共通する、成果が出た導入の進め方
  • 事例を自社に当てはめるときの物差しと、NetSuite以外が合う場合
  • 導入の期間と費用の目安
  • 導入でよくある3つの失敗と、その避け方

3社の全体像

基幹システムの見直しは、多くの会社で先送りしにくい課題になっています。

SAP ERPのECC6.0世代では、2027年末に保守の期限を迎えます(いわゆる「2027年問題」)。

現状維持にも、保守費の上昇や人手の不足という負担があります。

中堅・中小企業のERPの満足度は42.9%にとどまるという調査もあります(出典:キーマンズネット「ERPの利用状況に関するアンケート」2024年)。

入れれば成果が出る、というものではありません。

企業(業種)主な課題NetSuiteでの解決主な成果
キュリエ(オフィスサプライ卸+EC)情報が分散し、その場での経営判断が難しい販売・在庫・経理を一元管理し、SFA/MAも連動イベント営業の作業が50時間→0、SKU単位の分析・売上予測、IPOへ前進
アペックス(カップ式自動販売機)27年使ったSAP R/3、保守終了(2025年問題)延べ12製品を比べNetSuiteで全面刷新帳票の内部作業コスト約80%削減、保守費用約70%削減、月次決算の分析時間約50〜70%削減
南海エクスプレス(国際物流)受発注・在庫が手作業、店舗在庫が見えないオンプレからクラウドERPへ、API連携で自動化在庫の可視化・欠品減、引当の自動化、海外発注の有効在庫を自動で把握

SFAは営業の活動を管理する仕組み、MAはマーケティングを自動にする仕組みです。

APIは、システム同士がデータをやりとりする窓口のことです。

事例|株式会社キュリエ:「攻めの経営」とIPOを見据えた成長企業

会社と背景

キュリエ様は2005年の創業以来、オフィスサプライの輸入・卸売りを手がけてきました。

プリンター用の互換インクやトナーなどです。

自社ECに加え、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングにも出店しています。

楽天市場では「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」を計4度受賞しました。

2024年には大賞(パソコン・周辺機器ジャンル)も獲得しています。

2024年からは、新たな成長の柱として新事業「スマラピ」を始動しました。

課題:分散した情報が、経営判断の足かせに

導入前の最大の課題は、情報の一元管理ができていないことでした。

複数のシステムやExcelで手作業の管理をしており、データが分散していたのです。

販売・在庫・経理の情報は、一体になっていませんでした。

全社の戦略づくりが遅れがちで、その場での経営判断が難しい状態でした。

選定:「既製服を着る」という発想

NetSuiteを選んだ決め手は、世界標準のERPであることと、頻繁なアップデートでした。

同社が大切にしたのは「Fit to Standard」、つまり標準に業務を合わせる考え方です。

代表取締役の吉塚氏は、これを「既製服を着る」と表現しています。

標準に沿えば、先進的な業務プロセスを自然に取り入れられると考えたためです。

導入は順風満帆ではなく、現場の抵抗を払う必要もありました。

長年のITパートナーでもあるベンチャーネットと、共同で取り組みを重ねています。

Excelからの移行は段階的に進め、研修やサポートも徹底しました。

成果:「守り」と「攻め」の両面で

「守り」の面では、在庫管理の自動化と業務プロセスの見直しが進みました。

無駄な人件費や時間を削減しています。

目を引くのは「攻め」の活用です。

NetSuiteをSFAやMAとしても使い、基幹業務と連動させました。

展示会では、名刺データの取り込みからリード登録、Slackでの共有、フォローメール、商談管理までを一連で自動化しています。

イベントごとに営業チーム全体で毎回約50時間かけていた作業は、ゼロになりました。

在庫もその場で見えるようになり、SKU単位での詳しい分析ができるようになりました。

売れ筋の把握や売上予測の精度も上がっています。

その先に見据えるのがIPOです。

財務管理と内部統制の強化に向け、ベンチャーネットがシステムの整備を、PwCが業務面のコンサルティングを支援しています。

事例|株式会社アペックス:SAP 2025年問題を機にした基幹刷新

会社と背景

アペックス様は1963年創業。

コーヒーをはじめとする、カップ式自動販売機オペレーターの先駆者です。

1998年から27年間、SAP R/3を運用してきました。

業務は紙の帳票ベースで複雑になり、既存システムの全体像を理解している人がいない状態でした。

そこに、2025年の保守サポートの終了(2025年問題)が迫ります。

選定:ゼロベースで延べ12製品を比較

移行先として、まずSAP S/4 HANAが候補に挙がりました。

しかし、中堅企業には過剰な機能で、コストの負担が大きいと判断します。

アドオンやカスタマイズが持ち込まれ、非効率な業務まで引き継がれる懸念もありました。

そこでゼロベースで選び直し、延べ12製品を比較検討しました。

選んだのは、クラウドネイティブのOracle NetSuiteです。

成果:定量的な効果

プロジェクトは2024年1月に始動しました。

途中で導入パートナーをベンチャーネットに交代し、予定どおり2025年10月1日にカットオーバー(本番稼働)しています。

始動から1年9か月です。

項目Before(SAP R/3)After(NetSuite)
帳票送付の外部支払いコスト年約6,000万円約73%削減
帳票送付の内部作業コスト年約4,000万円年約700万円(約80%削減)
帳票の電子化紙の帳票ベース33種類のうち26種類を完全電子化・作成送付を自動化(約80%自動化)
月次決算の分析時間月5〜10時間月2〜3時間(約50〜70%削減)
保守費用SAP保守費用 年約1,600万円NetSuite保守費用(ベンチャーネットのみ)で約70%削減

(出典:ベンチャーネット お客様の声・株式会社アペックス様)

請求書・支払明細書は、電子で作成・送付する形に変わりました。

会計の見方も、「管理会計」から「実態会計」へ移っています。

統合マスターにより、仕入先・在庫・価格を1画面で確認できるようになりました。

土台:マスター整備に6か月以上

この成果を支えたのが、マスターの整備です。

業務部門と情報システム部門の15名が、1〜2時間の打ち合わせを延べ100回以上重ねました。

6か月以上かけて、22種類・約400のデータ項目を整えています。

成果と、それを支えた土台を図にすると、次のとおりです。

SAP刷新の成果と土台(アペックス様) 帳票送付の内部作業コストは約80%削減、月次決算の分析時間は約50〜70%削減、保守費用は約70%削減。これを支えたのは、15名で延べ100回以上の打ち合わせを重ねた6か月以上のマスター整備。 SAP刷新の成果と土台(アペックス様)帳票送付の内部作業コスト年約4,000万円→年約700万円約80%削減月次決算の分析時間月5〜10時間→月2〜3時間約50〜70%削減保守費用SAP保守費用 年約1,600万円から約70%削減この成果を支えた土台マスターの整備に6か月以上業務と情報システムの15名で、延べ100回以上の打ち合わせを重ね、22種類・約400のデータ項目を整える
SAP刷新の成果と土台(アペックス様)

事例|南海エクスプレス:受発注・在庫の業務改革(物流)

会社と背景

南海エクスプレス様は、1950年に前身の会社が創業し、南海電鉄グループで国際物流事業を担う会社です。

顧客企業から、物流に関わる情報システムの提案や運営も任されています。

今回の目的は、輸入食品を販売する顧客企業の受発注業務の刷新と、在庫管理の効率化でした。

課題:手作業と「見えない在庫」

導入前には、3つの課題がありました。

  • 顧客企業の本部で、出荷依頼や欠品連絡の取りまとめが手作業中心だった
  • 各店舗の在庫が見えず、店舗間で電話やメールで在庫を融通していた
  • 物流システムの在庫引当を、担当者が手動で処理していた

取扱商品が増えて担当者の負担が増し、自動化が必要になっていました。

選定:海外取引とクラウドの強み

NetSuiteを選んだのは、輸入食品ならではの要件に合っていたためです。

海外取引のための外貨管理と、賞味期限を管理できるアドバンスド在庫管理が必須でした。

本社・店舗のどちらからも、一元化された情報に触れられる点も評価されました。

支援先としてベンチャーネットを選んだのは、伴走型の支援を受けられるためです。

導入を一任せず、自社が主体となり、必要な場面で支援を受けたいという考えでした。

導入の進み具合に応じて契約の形を選べる点も、ニーズに合いました。

成果:自動化と可視化

プロジェクトは約1年で、計画どおりに完了しました。

NetSuite内でスクリプトを開発し、API連携で既存の物流システムとデータをつないでいます。

本社の取りまとめ業務を省き、各店舗から直接納入する流れに変えました。

在庫の可視化が進み、欠品と手作業の調整業務が減っています。

物流側でも、データ連携・配送登録・ステータス更新が自動になり、ミスも減りました。

海外への発注も、有効在庫が自動で見えるようになり、タイミングよく行えるようになっています。

NetSuiteの標準機能の充実や、テスト環境を安く早く立ち上げられる点も、現場で評価されました。

南海エクスプレス様は、ベンチャーネットにとって初めてのNetSuite導入支援のお客様でした。

3社に共通する、成果が出た導入の進め方

業種も規模も違う3社ですが、進め方には共通点があります。

共通点中身3社での表れ
経営の目的から始める「効率化」で止めず、経営の言葉で目的を決めるIPO/コスト削減/業務改革
データの一元化を足場にする販売・在庫・経理を1つにしてから分析へ進むSKU単位の分析、統合マスター
標準に寄せ、段階的に進めるFit to Standardで作り込みを抑える既製服を着る/過剰な機能を避ける
伴走できる相手と進める丸投げでも孤立でもなく、対等に進めるパートナー交代/自社主体の伴走型

Fit to Standardは、業務をERPの標準の機能に合わせる考え方です。

冒頭の問いへの答えは、この表にあります。

成果を分けたのは業種ではなく、目的・データ・標準・伴走の4つの進め方でした。

事例を自社に当てはめる物差し

事例は、そのまま自社の答えにはなりません。

次の表で、どの事例が自社に近いかを見てください。

型近い会社の条件効いたこと事例から借りるもの
成長型(キュリエ様)複数チャネルで売り、データが分散している販売・在庫・経理を1つに基幹とSFA/MAをつなぐ発想
刷新型(アペックス様)古い基幹の保守期限が迫っている製品をゼロベースで比べ直す帳票の電子化とマスターの整備
業務改革型(南海エクスプレス様)手作業の取りまとめと見えない在庫があるAPI連携で自動化伴走型で自社が主体になる進め方
事例を読む3つの型 成長型はキュリエ様でデータの分散が起点、刷新型はアペックス様で保守期限が起点、業務改革型は南海エクスプレス様で手作業と見えない在庫が起点。3つとも成果を分けたのは進め方。 事例を読む3つの型 成長型|キュリエ様 起点:複数チャネルでデータが分散 借りるもの:基幹とSFA・MAをつなぐ 刷新型|アペックス様 起点:古い基幹の保守期限 借りるもの:ゼロベースの比較とマスター整備 業務改革型|南海エクスプレス様 起点:手作業と見えない在庫 借りるもの:自社が主体の伴走型 成果を分けたのは、業種より進め方
事例を読む3つの型

どの型に近いかは、業種ではなく「見直しの起点」で決まります。

卸売でも保守期限が起点なら、刷新型のアペックス様の事例が近くなります。

NetSuiteが向いている会社

  • 複数の拠点・チャネルのデータを、1つにまとめたい
  • 業務を標準に寄せる意思が、経営者にある
  • 成長やIPO、海外取引などで、仕組みを広げる予定がある

NetSuite以外も比べたほうがよい会社

3社とは逆の条件にある会社です。

  • 独自の業務が多く標準に寄せにくい:Odooや国産ERPも並べる。作り込みが増えるほど、NetSuiteの強みは薄れる
  • 基幹と離れた自社だけの仕組みがほしい:AIを使ったスクラッチ開発も候補
  • 会計と販売が小さくいまの仕組みで困っていない:いまは入れない

業種・規模別の使われ方は、NetSuiteはどんな企業が使っている?で扱っています。

製造業の場合は、製造業の経営者がNetSuiteで解決できる課題もご覧ください。

事例から読む、期間と費用の目安

事例の期間は、南海エクスプレス様が約1年、アペックス様が1年9か月でした。

費用は、ライセンスと導入費に分けて考えます。

NetSuiteのライセンスは、ミニマム構成で月額20万円〜が出発点です。

モジュール・ユーザー数・オプションで変わり、数百万円規模になることもあります。

導入費には、さらに大きな幅があります。

ベンチャーネットが支援したNetSuite導入の費用で見てみます。

3名程度・購買と販売だけ・開発なしの事例は、1.5か月・150万円程度でした。

100名程度で、外部システムとの連携開発を加えた事例は、1.5年・2億円程度です。

差を生むのは、業務の範囲、開発(特に外部連携)、社内の体制、ユーザー数の4つ。

4つの事例の全体は、NetSuiteの料金・費用で紹介しています。

いま使っていて、見直しを考えている会社

保守の期限が迫っている会社には、アペックス様の事例が近いはずです。

見直しでは、次の3つを先に押さえます。

押さえること見るもの事例との対応
保守の期限と、延ばしたときの費用保守契約・提供元の案内SAP R/3の保守終了
帳票・マスターの数と、使われている割合帳票の一覧・マスターの一覧33種類のうち26種類の電子化、マスターの整備
いまのパートナーの進め方進み具合と約束のずれ途中でのパートナー交代

期限が近いと、選定を急ぎたくなります。

それでもアペックス様は、ゼロベースで比べ直す道を選びました。

期限から逆算して、比べる期間・移行の期間・並行して動かす期間を先に置くと、急ぎすぎを防げます。

入れ替えの進め方は、基幹システムのリプレイスとは?で扱っています。

パートナーの変更は、ERP導入失敗の原因はパートナーにあり?をご覧ください。

よくある3つの失敗

失敗の多くは、技術よりも「進め方」で起きます。

根本の原因は、ERP導入はなぜ失敗するのかで扱っています。

3つの失敗と避け方を図にすると、次のとおりです。

NetSuite導入でよくある3つの失敗と避け方 今のやり方のままシステムだけ入れ替える、すべてを一度に目指して作り込みすぎる、パートナーに丸投げする。失敗の多くは技術より進め方で起きる。 導入でよくある3つの失敗1今のやり方のまま入れ替える避け方:段階的な移行と研修で、現場が使える状態までを設計する2一度に目指し、作り込みすぎる避け方:標準で足りる範囲を先に確定し、カスタマイズは最小限に絞る3丸投げする、合わない相手と進める避け方:自社が主体になり、対等に話せる相手を選ぶ
NetSuite導入でよくある3つの失敗と避け方

失敗1:「今のやり方」のまま、システムだけ入れ替える

起きること:稼働したのに、現場が「前のやり方のほうが早い」と感じる。Excelとの併用に戻る。

原因:現行の手順を守りすぎ、非効率な処理や属人的な運用まで移した。定着の準備も後回しにした。

避け方:段階的な移行と研修で、「現場が使える状態」までを設計します。

キュリエ様では、Excelからの段階的な移行と研修を徹底しました(出典:ベンチャーネット お客様の声・株式会社キュリエ様)。

失敗2:すべてを一度に目指し、作り込みすぎる

起きること:独自の機能を積み重ね、年月とともに使いにくく、費用のかかる仕組みになる。

原因:既存の独自機能をすべて移そうとした。規模に合わない機能を抱え込んだ。

避け方:標準で足りる範囲を先に確定し、カスタマイズは最小限に絞ります。

アペックス様も、S/4 HANAではアドオンやカスタマイズが持ち込まれ、非効率な業務まで引き継がれることを懸念しました(出典:同社お客様の声)。

失敗3:パートナーに丸投げする、合わない相手と進める

起きること:予定が遅れる。自社が主体になれないまま進む。

原因:部門と要件が絡むプロジェクトなのに、進め方と役割を相手任せにした。

避け方:自社が主体になり、対等に話せる相手を選びます。

「それはやめたほうがいい」と言えるパートナーのほうが信頼できます。

アペックス様は途中でパートナーを交代し、南海エクスプレス様は伴走型を選んで自社主体で進めました(出典:ベンチャーネット お客様の声)。

ベンチャーネットならこう見る|定着の4手順と、その先の3段

ベンチャーネットは、NetSuite・Odoo・AIスクラッチ開発を扱い、SAPからのリプレイスにも対応しています。

事例の相談で、最初に伺うのは次の3つです。

  1. 何のための入れ替えか:IPO・コスト・業務改革など、経営の言葉で1文にする
  2. 現状の棚卸し:業務・帳票・マスターの数と、中身を分かる人がいるか
  3. 標準に寄せられる範囲:寄せられない業務が多ければ、NetSuite以外も並べる

型1:定着の4手順

キュリエ様の導入から、ベンチャーネットは定着の手順を4つにまとめています。

  1. データ整理を最初に:移す前に、マスターと数字をそろえる
  2. 段階的に導入:Excelから一度に切り替えない
  3. 研修・サポートを徹底:現場が使える状態まで付き合う
  4. 操作はシンプルに:使わない機能を盛らない

1つ目の重さは、アペックス様のマスター整備を見ると分かります。

15名で延べ100回以上の打ち合わせ、6か月以上、22種類・約400のデータ項目でした。

型2:守り→攻め→次へ

定着の先には、3つの段があります。

  • 守り:業務が回る。在庫・販売・会計を1つにし、日々の業務を安定させる
  • 攻め:データで打つ。売れ筋の分析や営業の作業の自動化
  • 次へ:経営が変わる。KPI、管理会計、上場に向けた内部統制

キュリエ様は、この3段をそのまま進んでいます。

在庫管理の自動化で守りを固め、展示会の作業を自動化して攻めに出て、いまはIPOに向けた内部統制に取り組んでいます。

定着の先の3段階:守り→攻め→次へ 守りは業務が回ること、攻めはデータで打つこと、次へは経営が変わること。 定着の先の3段階守り|業務が回る在庫・販売・会計を1つにし、日々の業務を安定させる攻め|データで打つ売れ筋・在庫の分析、営業作業の自動化、生成AIでの集計次へ|経営が変わるKPI、管理会計、上場に向けた内部統制
定着の先の3段階:守り→攻め→次へ

事例の成果の数字は、どれもこの段の途中で出たものです。

自社がいまどの段にいて、次の段で何を狙うか。

そこが決まると、事例から借りるものも決まります。

今日できること|自社の「事例シート」を1枚作る

3社の事例と同じ形で、自社の1枚を作ってみてください。

1時間あれば書けます。

項目書くこと
会社と背景事業・拠点・チャネル・いまのシステム
課題手作業・見えない数字・保守期限を3つまで
目的経営の言葉で1文(例:IPOに耐える管理体制)
必須の要件外せない機能を3つまで
成果の物差し何が何時間・何円減れば成功か

「目的」と「成果の物差し」が書けない場合は、製品を選ぶ前に社内で決める段階です。

よくある質問

Q1. 中堅・中小企業でもNetSuiteの導入事例はありますか

あります

本記事の3社は、卸売×EC、カップ式自動販売機、国際物流と、業種も課題も異なります。

それぞれの課題と成果は、第2章〜第4章をご覧ください。

Q2. 導入にはどれくらいの期間がかかりますか

事例では約1年から1年9か月です

南海エクスプレス様は約1年、アペックス様は1年9か月で稼働しました。

ベンチャーネットが支援したNetSuite導入では、範囲を絞った小さな事例で1.5か月、連携開発を含む事例で1.5年でした(第7章)。

Q3. 自社の業種でも同じように使えますか

業種より業務の型で考えると判断しやすくなります

3社は卸売・自動販売機・国際物流と、業種が異なります。

第6章の表で、成長型・刷新型・業務改革型のどれに近いかを見てください。

Q4. 事例の数字は自社でも出ますか

同じ数字が出るとは限りません

事例の数字は、それぞれの会社が自社の業務と進め方で出したものです。

自社の「成果の物差し」を先に決め、何をどれだけ変えるかで見込みを立てます。

Q5. NetSuiteの費用はどれくらいですか

ライセンスはミニマム構成で月額20万円〜が出発点です

モジュール・ユーザー数・オプションで変わり、数百万円規模になることもあります。

導入費は別にかかり、ベンチャーネットの支援例では150万円程度から2億円程度まで開きがあります(第7章)。

Q6. 導入して終わりにならないか不安です

稼働の後の定着と改善まで計画に入れます

本当のゴールは本番稼働の日ではなく、仕組みが現場に定着し、業務が回り始めた日です。

南海エクスプレス様のように、進み具合に応じて支援の形を選ぶ方法もあります。

まとめ

  • 3社の成果は、経営の目的・データの一元化・標準に寄せる進め方・伴走の4つがそろって出た
  • 事例は、業種ではなく見直しの起点で、成長型・刷新型・業務改革型のどれに近いかを読む
  • 導入費は、業務の範囲・開発・社内の体制・ユーザー数の4つで大きく開く
  • 標準に寄せにくい会社は、Odooや国産ERP、AIスクラッチ開発、「いまは入れない」も並べる

同じ業種の事例を探すより、自社の事例シートを1枚書くほうが、判断は早く進みます。

事例から借りるべきは、成果の数字ではなく、成果に至った進め方です。

もう少し詳しく知りたい方へ

事例に近い進め方が自社に合うか、ほかの選択肢と並べて考えるご相談をお受けしています。

3社の事例は、各事例ページとダウンロード資料(PDF)で、より詳しくご覧いただけます。

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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