9月の終わり、経理の担当者が仕入先の一覧を開き、免税事業者に印をつけていく。
10月から、その仕入で控除できる消費税が80%から70%に下がるからです。
インボイス制度とは、消費税の仕入税額控除を受けるために、適格請求書の保存を求める制度です。
電子帳簿保存法とは、税務の帳簿や書類を電子データで保存するときのルールを定めた法律です。
NetSuiteは、Japan Localization SuiteApp(日本の制度に対応するための拡張機能)で、適格請求書の発行に対応します。
登録番号の表示、税率ごとの税額の計算、仕入先の区分、70%控除の税コードもそろっています(出典:Oracle NetSuiteヘルプ、2026年9月確認)。
ただし、切替の日に税コードを変えるのは自社です。
電子取引データをどの方式で保存するかも、自社で決めます。
制度対応の相談で、経理部長からよく聞く言葉があります。
「法改正のたびに、また対応か」
この負担は、どうすれば軽くできるのか。
NetSuite認定パートナー(Solution Provider)であるベンチャーネットが、国税庁・財務省・Oracleの公式情報をもとに答えます。
この記事で分かること
- 電子帳簿保存法とインボイス制度の最新の改正(2026年9月時点)
- NetSuiteで対応できる範囲と、自社で決めること
- 会計ソフトで足りる会社と、ERPを考える会社の見分け方
- 制度対応でよくある3つの失敗と、その避け方
- 要件を「標準→SuiteApp→カスタマイズ」の3段で仕分ける考え方
両制度の最新の動き(2026年9月時点)
インボイス制度:経過措置が細かく分かれた
免税事業者など、インボイスを発行できない事業者からの仕入には、一定の割合を控除できる経過措置があります。
令和8年度税制改正で、この経過措置が延長され、段階が細かくなりました(出典:国税庁、2026年9月確認)。
| 期間 | 控除できる割合 |
|---|---|
| 2023年10月〜2026年9月 | 80% |
| 2026年10月〜2028年9月 | 70%(新設) |
| 2028年10月〜2030年9月 | 50% |
| 2030年10月〜2031年9月 | 30%(新設) |
| 2031年10月〜 | 控除できない |
あわせて、次の点も変わりました(出典:国税庁、2026年9月確認)。
- 1つのインボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れが、その年または事業年度で1億円(改正前10億円)を超えると、超えた部分には経過措置を使えない
- いわゆる「2割特例」は、2026年9月30日を含む課税期間まで
- 個人事業者は、令和9年分・令和10年分の申告で「3割特例」を使える(インボイス発行事業者で、基準期間の課税売上高が1,000万円以下など)
電子帳簿保存法:電子取引データの保存は義務
電子帳簿保存法には、3つの保存の区分があります。
電子帳簿等保存・スキャナ保存・電子取引データ保存です。
このうち電子取引データの保存は、2024年1月から義務になっています。
メールやクラウドで受け取った請求書のPDFなどを、紙に印刷して保存するだけでは認められません。
ただし、次の2つを満たす場合は、保存の要件に沿えなくてもデータを保存できる猶予措置があります(出典:国税庁、2026年9月確認)。
- 人手不足やシステムの整備が間に合わないなど、所轄税務署長が相当の理由があると認める
- 税務調査などで、データのダウンロードの求めと、印刷した書面の提示・提出の求めに応じられる
猶予措置に、事前の届出は要りません。
ただ「やらなくてよい期間」ではなく、間に合わない場合の救済です。
頼っている会社は、いつまでに、どの方式で要件を満たすかの計画を持っておくと、税務調査でも説明しやすくなります。
令和7年度改正:重加算税の加重の対象から外れる措置
電子取引データに関する不正があると、重加算税が10%加重されます。
令和7年度改正で、一定の要件を満たすデータを、この加重の対象から外す措置ができました(出典:財務省、2026年9月確認)。
要件の中心は、次の4つです。届出書の提出が前提です。
- 訂正・削除の事実と内容を確かめられるシステムで、授受と保存をする
- 金額に関わる帳簿の訂正・削除も、その事実と内容を確かめられるシステムで記録する
- 請求書などの事項と、関係する帳簿のデータのつながりを確かめられる
- システムを使って授受・保存したことを確かめられる
令和9年(2027年)1月1日以後に法定申告期限が来る国税から適用されます。
これからの切替のカレンダー
| 時期 | 起きること | 準備すること |
|---|---|---|
| 2026年9月30日を含む課税期間まで | 2割特例が使える最後の期間 | 翌期からの納税額の見込みを立てる |
| 2026年10月 | 経過措置が80%から70%へ | 税区分の切替と、請求書の処理の手順の見直し |
| 2027年1月1日以後の法定申告期限 | 令和7年度改正の措置の適用が始まる | 使っているシステムが要件に合うか、届出が要るかを見る |
| 2028年10月 | 経過措置が70%から50%へ | 税区分の切替 |
| 2030年10月 | 経過措置が50%から30%へ | 税区分の切替 |
| 2031年10月 | 経過措置が終わる | 免税事業者との取引の条件を見直す |
確定している日程だけでも、切替は2031年まで続きます。
設定を変える作業を、毎年の定例の業務にしておくと慌てません。
電子帳簿保存法の3つの区分と、NetSuiteでの考え方
| 保存の区分 | 義務/任意 | 主な要件 | NetSuiteでの考え方 |
|---|---|---|---|
| 電子帳簿等保存 | 任意 | 会計システムで作った帳簿をそのまま保存 | 会計データを電子で作るため、この区分の土台になる |
| スキャナ保存 | 任意 | 紙の書類を読み取って保存。タイムスタンプなど | 取引にファイルを添付できる。タイムスタンプは外部のサービスと組み合わせる |
| 電子取引データ保存 | 義務 | 真実性と可視性(検索など)の確保 | 自社の環境で要件を満たすかを、設計の段階で詰める |
電子取引データの2つの要件
真実性の確保は、データが改ざん・削除されていない状態を保つことです。
国税庁は、次の4つの措置のいずれかを示しています(出典:国税庁、2026年9月確認)。
- タイムスタンプを付ける
- 訂正・削除の履歴が残るシステムを使う
- 改ざんを防ぐ事務処理の規程を定めて運用する
- 改ざんを防ぐ措置を備える
可視性の確保は、必要なときにすぐ内容を見られることです。
「取引年月日・金額・取引先」で検索できることが求められます。
基準期間の売上高が5,000万円以下の会社は、ダウンロードの求めに応じられれば検索の要件が不要です(出典:国税庁、2026年9月確認)。
NetSuiteで決めておくこと
NetSuiteには、System Notesという変更の記録があります。
変更の日時・変更した人・項目・変更前後の値を記録し、誰も編集できません(出典:Oracle NetSuiteヘルプ、2026年9月確認)。
一方、Japan Localization SuiteAppの機能の一覧も見ました。
電子帳簿保存法やタイムスタンプの記載は、見当たりませんでした(出典:Oracle NetSuiteヘルプ、2026年9月確認)。
そのため、電子取引データの保存は、次の順で自社の方式を決めます。
- 受け取った請求書のデータを、どこに保存するか(NetSuiteの中か、外部のサービスか)
- 真実性の4つの措置のうち、どれで満たすか
- 検索の要件を、どの仕組みで満たすか
受け取り方ごとに保存の方式を一覧にすると、抜けが見つかります。
| 受け取り方 | よくある例 | 決めておくこと |
|---|---|---|
| メールの添付 | 請求書・領収書のPDF | 誰が、どこに、どの名前で保存するか |
| ウェブからのダウンロード | 通販やクラウドの利用明細 | ダウンロードの担当と時期 |
| 請求書受領のサービス | 取引先が送る電子の請求書 | NetSuiteの取引との結びつけ方 |
| EDI・電子インボイス | 取引先とのデータのやり取り | データの保存先と検索の方法 |
電子インボイス(Peppol)の受け取りは、電子インボイスの記事で扱っています。
外部のサービスとの組み合わせは、日系SaaS連携マップの記事をご覧ください。
優良な電子帳簿
電子帳簿のうち、次の3つを満たすものを「優良な電子帳簿」といいます(出典:国税庁、2026年9月確認)。
- 訂正・削除の履歴の保存
- 帳簿の間の相互関連性
- 検索の機能(取引年月日・金額・取引先、範囲の指定、組み合わせ)
あらかじめ届出書を出すと、後から過少申告が分かったときの過少申告加算税が5%軽くなります。
届出がなければ、この軽減は受けられません。
インボイス制度の要件と、NetSuiteでの対応
適格請求書の記載事項(6項目)
国税庁は、適格請求書の記載事項を次の6つとしています(出典:国税庁タックスアンサーNo.6625、2026年9月確認)。
- 書類を作る事業者の氏名または名称と、登録番号
- 取引年月日
- 取引の内容(軽減税率の対象の品目である旨)
- 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜きまたは税込み)と、適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
売り手側:適格請求書の発行
Japan Localization SuiteAppでできることは、次の3つです(出典:Oracle NetSuiteヘルプ、2026年9月確認)。
- 登録番号を締め請求書やPDFに表示する
- 標準税率10%と軽減税率8%を分けて、税率ごとに税額を計算する
- 締め請求書(複数の請求をまとめた請求書)の税額を調整する
帳票のレイアウトを自社に合わせる場合は、標準のテンプレートをもとに調整します。
締め請求書の作り方は、締め請求書の記事で扱っています。
買い手側:免税事業者からの仕入
買い手側でいちばん手間がかかるのは、免税事業者などからの仕入の処理です。
- 仕入先の記録に「Qualified Invoice Issuer(適格請求書発行事業者)」の欄があります。Tで始まる登録番号も持てます(出典:Oracle NetSuiteヘルプ、2026年9月確認)
- 仕入税額控除の税コードの「Tax Deductible」欄で、控除の割合を選べます。2026年10月からの改正に合わせ、選べる割合は80%・70%・50%・30%・0%です(出典:Oracle NetSuiteヘルプ、2026年9月確認)
選択肢があっても、切替の日に税コードを変える作業は自社で行います。
どの取引から新しい割合を使うかを、切替の前に導入パートナーと決めておきます。
1億円の上限の判定には、仕入先ごとに集計する仕組みを別に用意する必要があります。
NetSuiteにあるものと自社で行うことを分けると、次の図のとおりです。
控除の額の違いを、架空の数字で簡単に見てみます(実際の計算は税率の内訳などで細かくなります)。
| 時期 | 免税事業者からの仕入(消費税相当額10万円の場合) | 控除できる額の目安 |
|---|---|---|
| 2026年9月まで | 80% | 8万円 |
| 2026年10月から | 70% | 7万円 |
| 2028年10月から | 50% | 5万円 |
同じ仕入でも、切替のたびに納める消費税は増えます。
価格の交渉や、取引先にインボイス発行事業者への登録を相談するかどうかも、早めに考えておきます。
SuiteTaxとの関係
NetSuiteには、SuiteTaxという税の計算の仕組みもあります。
Japan Localization SuiteAppは、SuiteTaxに未対応です(出典:Oracle NetSuiteヘルプ、2026年9月確認)。
SuiteTaxを先に有効にすると、SuiteAppをインストールできません。
詳しくはSuiteTaxとJapan Localizationの記事をご覧ください。
標準でできることの一覧は、Japan Localization SuiteAppの記事にまとめています。
判断の物差し|会計ソフトで足りるか、ERPを考えるか
道具の比較
| 観点 | 会計ソフト単独 | 会計ソフト+周辺のSaaS | ERP(NetSuiteなど) |
|---|---|---|---|
| 初期の費用 | 低い | 中 | 高い |
| 法改正への追従 | 各製品の更新に合わせる | 製品ごとに見る | 標準の機能とSuiteAppの更新に合わせる。自社の設定の変更は要る |
| 販売・購買との突き合わせ | 別に作業が要る | 連携の設計しだい | 1つのデータで済む |
| 拠点・グループ会社・海外 | 限られる | 限られる | 広げやすい |
NetSuiteの費用は、ミニマム構成で月額20万円〜が出発点の目安です。
使うモジュール・ユーザー数・オプションで変わり、数百万円規模になることもあります。
自社判定のチェックリスト
- 拠点・グループ会社が3つ以上ある
- 会計と販売・購買の突き合わせに時間がかかっている
- 株式の上場を準備する予定がある
- 海外への展開を考えている
- 月次決算が翌月10営業日を超えている
3つ以上当てはまれば、ERPへの統合を考える時期です。
1〜2つなら、会計ソフトの拡張や運用の見直しで足りることが多いです。
NetSuite以外が合う場合
| 状況 | 合いやすい選択肢 |
|---|---|
| 制度対応だけが目的で、取引も少ない | 会計ソフトの機能と周辺のSaaS。ERPはいまは入れない判断が妥当なことが多い |
| 費用を抑えて段階的に広げたい | Odoo |
| 業種の商習慣に合う帳票を重視したい | 業種に強い国産ERP |
| 独自の取引の形が多く、標準の型に合わない | AIを使ったスクラッチ開発 |
| 制度対応に加え、連結・海外・上場準備も控えている | NetSuiteのような統合型のクラウドERP |
これから選ぶ会社と、いまNetSuiteや会計ソフトを使っている会社
これから仕組みを選ぶ会社|請求書を1枚持ち込む
最初に、データの流れ全体を書き出します。
発注→入庫→請求→支払→計上のどこで、どの書類を受け取り、どこに保存しているかです。
そのうえで、候補の製品ごとに次を尋ねます。
- 2026年10月の70%への切替を、どの設定で行うか
- 電子取引データの真実性を、4つの措置のどれで満たすか
- 次の改正のとき、誰が何を変えるか
- 受け取った電子の請求書を、どの画面から探せるか
デモには、自社で実際に受け取った請求書を1枚持ち込みます。
受け取りから計上、保存、検索までを通しで見せてもらいましょう。
画面の説明だけでは、運用の手間は見えません。
いまNetSuiteや会計ソフトを使っている会社|切替を先に乗り切る
2026年10月の切替に向けて、次の3点を点検します。
- 仕入先の記録で、適格請求書発行事業者かどうかが正しく入っているか
- 経過措置の税コードを、いつ・誰が切り替えるか
- 1億円の上限に近い仕入先がないか
保守期限や更新が近く、制度対応を機に乗り換えを考える会社もあります。
ただ、切替の時期に乗り換えを重ねると負荷が大きくなります。
まず切替を乗り切り、そのあとで比べるのが手戻りの少ない順番です。
制度対応でよくある3つの失敗
失敗1:会計だけで対応し、二重の投資になる
起きること:電帳法のために会計ソフトを先に入れたが、販売・購買との突き合わせに時間がかかる。数年後にERPを入れることになり、投資が重なる。
原因:制度対応を「会計の問題」だけで切り取った。
本来は、発注から計上までのデータの流れの問題です。
避け方:着手の前に、3年以内にERPへの統合が視野に入るかを経営として判断します。
入らないなら会計ソフトで、入るなら統合を前提に進めます。
失敗2:一度きりの対応で済ませ、改正のたびに作り直す
起きること:80%から70%への切替で、再び改修と点検に追われる。担当者が辞めると運用が分からなくなる。
原因:制度対応を一回限りのプロジェクトとして扱った。
避け方:標準の機能で対応できる範囲を広くとり、運用のルールを文書にします。
法改正への対応は、毎年の定例の業務に組み込みます。
失敗3:過剰なカスタマイズで、更新に追いつけない
起きること:標準で済む範囲まで独自に開発し、標準の更新に合わせるたびに追加の費用が出る。
原因:「自社の業務に合わせる」ことを先に考えた。
避け方:カスタマイズの前に、要件を標準の機能・SuiteApp・カスタマイズの3段に分けます(第8章)。
3つの失敗と避け方を図にすると、次のとおりです。
NetSuiteで制度対応を進める4つのステップ
ステップ1:要件を3段に分ける
自社の要件を、標準の機能・Japan Localization SuiteApp・カスタマイズや外部のサービスの3段に分けて一覧にします。
分け方は、第8章の図のとおりです。
ステップ2:SuiteAppを組み込み、税の設定をする
適格請求書の発行、登録番号、税率ごとの計算、締め請求書の税額の調整を設定します。
仕入先ごとに、適格請求書発行事業者かどうかを入力します。
ステップ3:電子取引データの保存の方式を決める
保存の場所と、真実性の4つの措置のどれで満たすかを決めます。
外部のサービスを使う場合は、NetSuiteの取引とのつながりをたどれる形にします。
ステップ4:改正に合わせる運用を決める
- 法改正があったときの対応の流れを、定例の業務にする
- 担当者の知っていることを文書にし、属人化を防ぐ
- 切替の時期(2026年10月など)を、カレンダーで管理する
冒頭の「法改正のたびに、また対応か」を軽くするのは、このステップ4です。
改正が来るたびに作り直すのではなく、決めた手順で設定を切り替える。
それだけで、毎回の負担は小さくなります。
ベンチャーネットならこう見る|制度対応は3段で仕分け、検証してから入れる
制度対応のご相談では、最初から特定の製品を勧めません。
最初に伺うのは、次の3つです。
- データの流れ:発注から計上まで、どこで書類を受け取り、どこに保存しているか
- 切替の担い手:2026年10月の税コードの切替を、いまの仕組みで誰が行うか
- 制度対応の先の課題:連結・海外・上場準備なども控えているか
3つ目が「ない」なら、会計ソフトで足りることが多いとお伝えしています。
型1:標準→SuiteApp→カスタマイズの3段で仕分ける
制度の要件は、上の段から順に当てはめます。
3段目のカスタマイズは、保守の費用と改正への追従のしやすさに直結します。
「本当に要るか」を一つずつ判断し、上の段で満たせる要件を増やします。
型2:自社の環境で検証してから入れる
Oracleのヘルプに書かれた機能や進め方も、そのまま本番に入れません。
ベンチャーネットは、自社の環境で動きを検証してから入れます。
たとえば70%の税コードなら、切替の前後の取引で税額が想定どおりに出るかを、テストの取引で見ます。
要件を伺うのは、営業ではなく導入コンサルタントです。
制度の要件と業務の流れを同じ人が聞くので、伝言ゲームになりません。
変わることは、先にお伝えする
NetSuiteに移ると、請求書の形や、締め請求書の税額の扱いが、いまの仕組みと変わることがあります。
帳票を自社に合わせるには、標準のテンプレートの調整が要ります。
こうした点は、見積もりの前にお伝えしています。
パートナーに尋ねる3つの問い
制度対応を任せるパートナーを選ぶときは、次の3つを尋ねてみてください。
- インボイス制度の経過措置の5段階の日程を、すぐに言えるか
- 令和7年度改正の重加算税の加重から外れる措置の要件を説明できるか
- Japan Localization SuiteAppでできること・できないことを、ヘルプを示して話せるか
すぐに答えられない場合、最新の制度を追えていない可能性があります。
初期の費用の安さだけで選ぶと、契約の後に「その割合には対応していない」と分かることもあります。
選定の場には、経理だけでなく、購買や営業の担当者も入れてください。
今日できること(1時間)
- 仕入先の一覧から、インボイス発行事業者でない取引先を抜き出す(20分)
- その取引先ごとに年間の仕入額を概算し、1億円に近いものがないかを見る(15分)
- メールで受け取った請求書を、いまどこに、どの名前で保存しているかを書き出す(15分)
- 2026年10月の税区分の切替を、誰がいつ行うかをカレンダーに入れる(10分)
よくある質問
Q1. 免税事業者からの仕入は、NetSuiteで処理できますか
処理できます。
仕入先の記録で適格請求書発行事業者かを区分し、税コードで控除の割合を選びます。
選べる割合は80%・70%・50%・30%・0%です(出典:Oracle NetSuiteヘルプ、2026年9月確認)。
切替の日に税コードを変える運用は、自社で決めておきます。
Q2. タイムスタンプは必須ですか
必須ではありません。
電子取引データの真実性は、タイムスタンプのほか、訂正・削除の履歴が残るシステムや事務処理の規程でも満たせます(出典:国税庁、2026年9月確認)。
どれを選ぶかで、必要な仕組みが変わります。
Q3. 会計ソフトで対応できるなら、ERPに変える意味はありますか
制度対応だけが目的なら会計ソフトで足りることが多いです。
拠点やグループ会社が多い、月次決算が遅い、上場や海外展開を考えている。
こうした場合は、ERPへの統合の効果が大きくなります(第4章のチェックリスト)。
Q4. 過去の紙の書類は、さかのぼって電子化する必要がありますか
その義務はありません。
紙で受け取った過去の書類は、紙のまま保存期間まで保管できます。
法人の帳簿書類の保存期間は原則7年、欠損金が生じた事業年度などは10年です(出典:国税庁タックスアンサーNo.5930、2026年9月確認)。
Q5. 法改正があったとき、NetSuiteはどう追いつきますか
標準の機能とSuiteAppの更新に自社の設定の変更を合わせて追いつきます。
更新が提供されても、税コードの切替や運用ルールの見直しは自社で行います。
自社で行うか、パートナーと進めるかを前もって決めておくと慌てません。
Q6. 制度対応だけなら、NetSuiteは大きすぎますか
制度対応だけが目的なら大きすぎることが多いです。
NetSuiteが生きるのは、データの統合・連結・海外展開・上場準備などの課題が重なるときです。
制度対応を機に、自社の課題全体を並べてみるのが現実的です。
Q7. 相談するなら、いつがよいですか
制度対応の進め方に迷っている段階がよい時期です。
2026年10月の切替のように期日が決まっているものは、2〜3か月前に準備を始めると余裕があります。
会計ソフトで足りるかどうかの見極めからご相談いただけます。
Q8. 小さな会社でも、電子取引データの検索の要件は必要ですか
売上高が5,000万円以下なら条件つきで不要です。
基準期間の売上高が5,000万円以下で、税務調査でのダウンロードの求めに応じられる場合です(出典:国税庁、2026年9月確認)。
保存そのものの義務はなくならない点に注意してください。
まとめ
- 2026年10月から、免税事業者などからの仕入の控除は80%から70%に下がる
- 1億円の上限(改正前10億円)、2割特例の終了、個人事業者の3割特例もあわせて押さえる
- 電子取引データは紙だけの保存は不可。真実性は4つの措置のどれかで満たす
- 適格請求書の記載事項は6項目。登録番号と適用税率を忘れない
- NetSuiteは適格請求書の発行や仕入先の区分に対応し、70%・30%の税コードも選べる。切替の運用と電帳法の方式は自社で決める
- 要件は標準→SuiteApp→カスタマイズの3段で仕分け、自社の環境で検証してから入れる
「法改正のたびに、また対応か」
その負担は、切替を定例の業務にし、上の段で満たせる要件を増やすほど小さくなります。
まずは今日、仕入先の一覧に印をつけるところから始めてください。
もう少し詳しく知りたい方へ
制度対応の進め方や、会計ソフトで足りるかの見極めから、ご相談をお受けしています。
