これまでのSEOは、PCユーザーが主な対象でしたが、近年ではスマホユーザーへと主軸が移りました。そのためすべてのウェブサイト管理者は、レイアウトをスマホ向けに最適化するだけでなく、速度を向上させるために施策を講じてきたことでしょう。(モバイルフレンドリー)しかし近年では、ユーザーの検索行動が大きく変わる機能が台頭しつつあります。

それは「音声検索」です。

ユーザーが音声検索をするようになった今、スマホへの最適化だけではなく、今後は音声検索のためのSEOを講じる必要性が出てきました。この記事では、そんな「音声検索のSEO」について、現時点でできる対策についてお伝えします。

音声検索とは

音声検索とは、その名前の通り「音声を使って検索すること」です。
Androidでは「OK,Google.」と呼びかけることで、検索したいことを「音声で」すぐに検索可能。
iPhoneでも「Hey!Siri.」とiに呼びかけることで検索でき、iOS向けのGoogleアプリでも同様に検索可能。
もちろんPCのブラウザでGoogleのトップページを開き、マイクのアイコンをクリックすることで、音声検索できます。

つまりスマホやタブレット、PCなどのデバイスに「言葉を声に出して検索する」という方法のこと。スマートスピーカーと呼ばれるデバイスの普及により、音声検索をするユーザーは右肩上がりに増えています。

音声検索にSEOが必要な理由

音声検索と聞いても、周りでそこまで利用している人は見かけないでしょう。そのため音声検索を使っているユーザーが増えていると聞いても、なかなか実感が湧かないかもしれません。こうした背景には、日本人特有の羞恥心を持ちやすいという性質によるものだとされています。

海外ではごく一般的に行われており、日本国内でも若い世代を中心に、当たり前のように音声検索が使われていることはご存知でしょうか。今後はほぼ確実に音声検索の回数が増加していくと考えられており、それが「音声検索SEO」を必要とされている理由です。

音声検索を利用する人が徐々に増加中

音声検索を利用している人は、徐々にではありますが確実に増加しています。

先ほども言及した通り、海外ではごく当たり前のように利用されているだけでなく、声で検索することに抵抗のない若い世代も当然のように利用。大人世代ではあまり利用しているのを見かけませんが、デバイスによる入力や、検索語を考えるのが苦手な高齢者世代では増加中です。

スマホでの入力操作が苦手な高齢者層では、すでにメッセンジャーなどの入力を音声で代替している方も少なくないため、違和感なく音声検索へ移行も可能だと考えられます。音声検索の一般化が進むと、どの世代でも関係なく利用される光景を目にするようになるでしょう。

ハミングバードアップデートの登場

Googleは音声検索の需要を見越して、2013年9月にハミングバードアップデートを行いました。ハミングバードの登場により、自然な言葉で検索が実現されたのです。

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以前は辞書を引くような独特のクセがあり、機械的な検索語でなければ適切な結果が表示されませんでした。つまり検索そのものにコツのようなものがあったのです。しかしハミングバードアップデート後は、あきらかに自然な言葉で、的確な検索検索が表示されるように変わりました。

これまでの検索では、たとえば近くの美容室を探すときに「美容室 新宿 人気」といったキーワードを入力していたはずです。ハミングバードアップデート後は「新宿で人気の美容室はどこ?」のように、まるで誰かに訪ねるかのような自然な言葉で検索が可能に。より検索の精度を上げるためのアップデートだったはずですが、音声検索の登場を見越したものであったとも推測できます。

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BERTの登場により自然言語の認識精度がさらに向上

Googleは2019年10月に、過去最大のアップデートとも言われる「BERT」を、検索エンジンのコアアルゴリズムとしてロールアウトしました。BERTは細心の自然言語処理技術とされており、ハミングバードアップデートよりも、さらに精度を高めたものと考えるとわかりやすいでしょう。

人の言葉をより自然に理解し、言葉の流れの中で生じる「文脈」までをも読み取れるようになったのです。

以前もハミングバードアップデートがロールアウトされた後には、自然言語での検索精度が劇的に向上しました。しかしそれでも微妙なニュアンスまでもは伝わらず、やや、場合によってはかなり検索意図とは逸れた表示がされていたのです。BERTのロールアウト後は、さらに言葉の意味を読み取る精度が向上し、微妙なニュアンスの検索でもかなり正確に表示されます。スマホ検索が増えたことで、検索行動や需要が大幅に変わったことや、スマートスピーカーの登場が、この流れに拍車をかけたと言ってもよいでしょう。

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スマートスピーカーの台頭(Google Home・Amazon Echo等)

近年、急速に音声検索が増えている理由としては、先ほどもご紹介したスマートスピーカーの登場が大きいと言えます。

Google Home・Amazon Echo・Apple HomePodなど、GAFAのうち3社がごぞって力を入れている分野です。スマートスピーカーへ問いかけるだけで、検索結果から最適な回答を音声で回答してくれる便利なもの。「明日の天気は?」と聞けば、検索結果と位置情報から住んでいる場所の天気を正確に教えてくれるでしょう。

ほかにも「SEOって何?」と聞けば、同じく検索結果から最適なコンテンツを拾い上げ、音声で概要をまとめて回答してくれます。こうしたスマートスピーカーの登場により、音声検索の需要は日増しに増加傾向にあると言っても過言ではないでしょう。ただスマートスピーカーによる検索で、ウェブサイトに需要が増えるかは別ではあるものの、需要のあるキーワードで上位表示できることそのものは重要です。もしかすると、今後は車のスマートデバイスなどでも、音声検索でのSEOが求められる可能性があります。

音声検索のSEOに関わる重要な指標

音声検索SEOで、上位表示を実現する、またはAIにピックアップされるために重要なポイントがあります。

基本は通常のSEOがベースとなりますが、音声検索でヒットさせるためには、それだけでは不十分。ここでご紹介する指標を参考に、音声検索での需要を満たせるコンテンツ作りを目指してみてはいかがでしょうか。どれも日常のウェブサイト運営の範囲で、十分に実現可能なものばかりです。

ウェブページの表示速度が速いこと

何よりも大切なのは、ウェブサイトの表示速度が速いことです。

検索ユーザーがスマホでサイトを閲覧する場合には、回線速度の問題があるため、0.1秒でも速い方がよいことを、あなたもきっとご存知なのではないでしょうか。音声検索とスマートスピーカーでのヒットさせるためには、さらにシビアな速度が求められます。スマートスピーカーが読み込み、そして読み上げるためには、かなりのレスポンスが必要だと考えて間違いありません。実際に音声検索結果で読み上げられるサイトの速度は、平均値よりも50%以上も高速だったという結果が示されたそうです。

サーバーの契約、画像の圧縮、仕様しているCMSのテーマなど、あらゆる方法を駆使してサイトの軽量化をしましょう。

HTTPS化(SSL化)であること

現在のGoogleでは、セキュリティを非常に大切にしています。たとえばGoogleが提供するブラウザの「Google Chrome」では、非HTTPS化のサイトを閲覧しようとすると、警告が表示される仕様です。

一般のWEB利用者なら、警告が表示された時点で、離脱してしまうことでしょう。実際にHTTPS化していないサイトは、少しずつ上位表示されにくくなりつつあります。とくにスマートスピーカーによる音声検索では、70%超がHTTPS化されたサイトなのだそうです。HTTPS化に発生する、一時的なトラフィックの低下がネックとなり、移行をためらっている方も多いと思います。しかし長期的に考えると、HTTPS化はマストな対策なため、できるだけ早めに移行することがおすすめです。

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権威性の高いサイトであること

音声検索での順位に影響を与える要素に、権威性があります。

権威性・オーソリティが高いと推測されるサイトほど、音声検索での順位が高い傾向にあるそうです。権威性の向上は一朝一夕で実現できるものではありませんが、地道な努力があれば十分に対策が可能な要素でもあります。なお権威性の高さには諸説ありますが、結局のところ、より権威性の高いサイトからのリンクを獲得することが最短の道です。公共団体や企業、専門的で権威性のある個人のサイトからのリンクを獲得することで、高められる可能性が高いでしょう。

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SNSで評価されているページであること

SNSでの評価も音声検索での順位に影響していると考えられます。

通常のSEOでは、「SNSによる言及は、直接的に検索結果には反映しない」とGoogleが公言していますが、何かしらの影響がある点は否めません。なぜなら実際に音声検索で採用されるサイト、そして通常の検索で上位表示されているサイトは、SNSシグナルが高いサイトばかりだからです。

これには諸説ありますが、SNSで拡散されることで自然リンクが増加しやすいこと、また間接的にトラフィックが流れることで評価を高める効果があるとも言われています。Googleが「評価に反映しない」と公言しているため、誰にも正解は分かりませんが、統計的に考えると「SNSで評価される=検索結果でも評価される傾向がある」ことに違いはなさそうです。

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PC・モバイル検索でも上位表示されていること

当たり前のことではありますが、通常のPC・モバイル検索で評価されていなければ、音声検索でも評価されることはないでしょう。音声検索で読み上げられる結果では、70%以上がPC・モバイル検索で上位にあるサイトです。

音声検索SEOの今後の見通し

Androidスマホの出荷台数の伸び、安価で購入しやすいGoogle Homeなどが当たり前となり「OK Google!」がかなり浸透しました。もちろん市中で音声検索を頻繁に使う人は、まだまだ少数派なことに間違いはありません。しかし世界的に見れば、音声検索によるトラフィックは、ほぼ確実に右肩上がりで増加しています。日本人は比較的に保守的な人が多いため、浸透するまでには、まだ時間がかかることでしょう。

実際に周りの目をあまり気にしない子供や、フリック入力などが苦手な高齢者の中には、国内でもどんどん音声検索に移行しています。

音声入力の精度もかなり上がっていることから、検索するうえで苛立つことはほとんどありません。それなら音声で入力・検索する方が、ずっと合理的なわけですから、子供や高齢者が音声検索を積極的に使う理由も納得できるはず。音声検索は、今後世界でどうなっていくのでしょうか。

2020年に世界の検索ユーザーの50%が音声検索へ移行する

世界的に考えると、今でも音声検索ユーザーはかなり多いです。

しかし今後はその流れは爆発的に増えることが予想され、音声検索そのものはおよそ50%、音声のみでコンテンツを利用する人は30%以上になると言われています。しかもこれは2020年、つまり今年中にこれだけの人が、音声検索へ移行するという調査結果なのですから驚きです。

これからのSEOでは、PCとスマホだけではなく、音声検索スマートスピーカーをも含めた対策が求められるということ。スマートスピーカーなどでは、画面で視覚的に表現はされず、音声による読み上げが基本です。つまり正しい文法や文章であることや、短く簡潔な答えを最初に提示すること、などのコンテンツとしての基本をより高めていく必要があります。音声を使った検索は、スマートスピーカー以外にも広がる可能性があることから、少しずつ対策が求められるでしょう。

音声検索SEOのまとめ

ご紹介の通り、音声検索をするユーザーは、世界中でどんどん増えています。音声認識や入力の精度の向上、そしてスマートスピーカーなどの登場により、ますます検索のあり方が多様化している点は見過ごせません。現時点では、トラフィックの多くがブラウザでのテキスト入力による検索ですから、緊急に求められる課題とは言い難いです。

しかしゆくゆく音声検索が増えてきた際に、現在のコンテンツを最適化していくのは大変なことは容易に想像できます。今からでも少しずつ対策していくことが、最も理想的な音声検索SEOを実現する近道なのではないでしょうか。