株式会社ベンチャーネットは、デジタル技術を活用して自社の経営を変革するとともに、その実践知をお客様の変革支援へ還元することを経営の柱としています。ここでは、当社のデジタル・トランスフォーメーション(DX)に関する経営ビジョンと戦略、推進体制、成果指標、および情報セキュリティの考え方を対外的に公表します。
1. 経営ビジョン・ビジネスモデル
当社は2005年の設立以来、「見える化・わかる化・儲かる化」を軸に、企業がクラウド技術を活用して経営そのものを変革することを支援してきました。デジタル技術の進展とAIの実用化により、企業経営は「勘と経験」から「データに基づく意思決定」への転換が求められています。当社はこの環境変化を、製造・卸売・商社をはじめとする中堅・中小企業にとっての最大の経営課題であり機会であると捉えています。
当社は、まず自社の経営をNotionと生成AIによって「データに基づく意思決定」へ転換し、その実践から得た型と手法を、Oracle NetSuite(クラウドERP)の導入支援を通じて顧客の変革へ還元する「New Business Engineering」を経営ビジョンとして掲げています。
2. デジタル技術を活用する戦略(データ活用と自社の変革)
(1) 一元化の対象とするデータ
当社はNotionを全社の業務データ基盤と位置づけ、従来は担当者ごとに分散していた以下のデータを一元的に蓄積しています。
- リード(見込み顧客)の獲得件数と流入経路
- リードのステータス(初回接触/商談化/受注・失注)
- 商談議事録(顧客の課題、検討の経緯、合意事項)
- 見積内容および受注内容
- プロジェクトごとの原価・工数実績
- 案件の進捗状況
(2) データの活用方法と、それによる業務の変化
① 営業プロセスの定量把握
従来、引き合いの増減は「なんとなく問い合わせが少ない」といった担当者の感覚で捉えられていました。リード獲得数とステータスの遷移をNotion上で記録・集計することにより、リードから商談化、受注に至る各段階の件数と転換率を数値で把握できるようにしました。これにより、どの段階で案件が停滞しているかを特定し、施策を投下する対象を数値に基づいて判断します。
② 商談議事録の資産化による意思決定の再現
商談議事録をNotionに集約し、全メンバーが検索・参照できる状態としました。担当者は、案件がどのような経緯でどの判断に至ったのかを議事録から遡って確認し、次回商談までに準備すべき事項を組み立てます。担当者個人の記憶に依存していた顧客理解を、組織が共有する資産へ転換します。
③ 工数実績に基づく見積精度の向上
プロジェクトごとの作業内容と工数の実績を蓄積し、新規案件の見積時に過去の類似案件の実績と比較します。作業単位での所要時間を根拠として見積を作成することで、経験則に基づく見積からの脱却を図ります。
④ 生成AIによる知的作業の再設計
上記の蓄積データを入力として、見積書の下書き、問い合わせへの回答、提案書、自社サイトのコンテンツおよびランディングページの制作に生成AIを活用します。従来ゼロベースで作成していたこれらの成果物を、「生成AIが下書きし、人が判断・修正する」工程へ組み替えます。
(3) 当社自身にもたらされる変化
| 業務 | 従来 | 変革後 |
|---|---|---|
| 営業活動 | 感覚的な状況認識 | ファネル各段階の数値に基づく判断 |
| 見積作成 | 担当者の経験則 | 過去工数実績を根拠とする算定 |
| ナレッジ | 個人の記憶・手元資料 | 全社が参照可能な蓄積データ |
| 制作業務 | 人手によるゼロベース作成 | 生成AIとの分業 |
(4) ビジネスモデルの変革
自社で確立したデータ蓄積の型と生成AIの活用手順を、標準テンプレートおよび導入手法として整備します。これを、当社が主力とするOracle NetSuiteの導入支援サービスへ組み込み、顧客のデータ活用基盤の設計に反映します。
これにより当社は「システムを導入する会社」から「自ら実践したデータ活用の型を提供する会社」への転換を進めます。
3. 戦略を推進するための体制・組織・人材
代表取締役がDX戦略を統括し、少数精鋭の全メンバーがNotionと生成AIを日常業務で使いこなす体制を構築しています。商談議事録、工数実績、案件進捗の記録をNotionへ集約することを全社の運用ルールとし、データが蓄積され続ける状態を維持しています。
顧客支援における専門性の担保として、Oracle NetSuite認定資格者に加え、Oracle Cloud Excellence Implementer Program認定(2018年、国内初)を有します。継続的な勉強会・ナレッジ共有を通じ、生成AI等の新技術を実務へ取り込む人材育成を進めています。
4. ITシステム・デジタル技術の活用環境の整備方針
(1) 自社の業務データ基盤
自社の業務データはNotionに一元的に集約し、営業・プロジェクト管理・ナレッジの各領域でデータが分断されない環境を整備します。定型的な文書作成業務は生成AIによって支援し、蓄積されたデータをAIが参照できる形で保持することを設計方針とします。
(2) 顧客提供領域におけるNetSuite運用体制
当社は、Oracle NetSuiteの検証環境を自社内に常時保持し、顧客への提案(プリセールス)および導入前検証において日常的に運用しています。標準機能の挙動、カスタマイズの実現可否、他システムとの連携可否を実機で検証したうえで提案を行う体制を維持しており、この運用を通じて蓄積した設定パターンと検証結果を、導入プロジェクトの標準テンプレートとして整備しています。
「Fit to Standard(業務を標準に合わせる)」の思想に基づき、過剰なカスタマイズを避けた短期・低コストの導入を実現することを、顧客支援における一貫した方針としています。
5. 成果指標(KPI)
DX戦略の達成度を測る指標として、以下を設定・モニタリングし、定期的な測定結果を戦略の見直しに反映します。
社内業務の工数削減率:見積・受発注・社内問い合わせ等の対象業務について、生成AIの活用により、作業時間を2028年までに30%削減する(現状の作業時間を100とした場合)。測定は、Notionに蓄積した過去プロジェクトの作業内容と工数の実績を、同種作業の現行工数と比較する方法により行う。
顧客導入プロジェクトのリードタイム短縮率:AIを活用した標準テンプレートの整備により、NetSuite導入の標準期間を従来の6か月から4か月へ(約33%)短縮する。
6. 経営者のリーダーシップと情報発信(ガバナンス)
代表取締役自らがDX戦略の策定・実践・定期的な見直しを主導しています。取組は、著書『レバレッジ起業』(KADOKAWA、2020年)、自社が運営するメディア(「NetSuiteの教科書」等)、およびセミナー等を通じて対外的に継続発信し、社内外のステークホルダーと方針・成果を共有しています。
当社のデジタル技術活用は、外部からも評価を受けています。
- 2025年11月:東京都「デジタル技術を活用した先進的サービス創出支援事業」に採択。公的機関により技術・サービスの有用性の認定を受けました。
- 2025年7月:Oracle NetSuite AI Hackathon 2025(SuiteConnect Tokyo 2025)にて優秀賞を受賞。NetSuiteのAI活用に関する技術力・提案力が評価されました。
- 2026年8月:東京都「東京の未来の働き方推進事業」の東京サステナブルワーク企業登録を目指し、「未来の働き方」取組宣言を実施しました。

7. サイバーセキュリティに関する対策
当社は、情報セキュリティに関する全社方針を「情報セキュリティ基本方針」として策定し、自社サイトで公表しています(https://www.venture-net.co.jp/security-policy/ )。クラウドサービスの利用を前提としたアクセス権限管理等の安全管理措置を講じ、継続的改善(PDCA)を図ります。
制定日:2026年7月21日
株式会社ベンチャーネット
代表取締役 持田 卓臣
