「思うように純利益が増えない」、「売上高が増えない」など、数値を部分的にしか追っていない経営者は少なくありません。企業の収益性、安定性の両方を高めるには、ROA(純資産利益率)を上げる必要があります。SFA/CRMを使いこなし、「ROAを上げるために追うべき指標」に注目することで、収益性と安定性を効率よく向上できます。ここでは、ROA(純資産利益率)を上げるために追うべき4つの指標と、目安の数値について詳しく解説します。

ROA(純資産利益率)とは

ROA(純資産利益率)とは、会社の総資産を用いて生み出した利益率のことです。また、資本の効率性と収益性を測る指標でもあります。ROAが高いということは、資本に対して効率的に大きな利益を生み出しているということです。

つまり、ROAが高い企業は、「少ない資本で多くの利益を生み出している」ということのため、収益性と安定性の両方が高いと言えます。ただし、多額の負債を抱えていても、利益が大きければROAが高くなるため、ROAだけで経営状況を正しく分析できるわけではありません。

ROA(純資産利益率)の計算方法

ROAは、次の計算式で算出できます。

当期純利益÷総資産×100

総資産とは、会社が運用している全ての資産の合計のことです。当期純利益が総資産に対して多いほどに、ROAが高くなります。

ROA(純資産利益率)を高める方法

ROAの数値からは、企業の収益性や安定性が見えてきます。一般的に、ROAが5%以上で優良企業といわれていますが、業種によっても異なるため、同業他社のROAから目標を設定するとよいでしょう。

ROAの数値を高める方法は2つです。1つめは、利益率を上げて収益性が高い会社を目指すことで、2つめは総資産を減らして効率性を高めることです。資本回転率を上げていくことでROAが高まります。具体的には、次の縦軸と横軸に注目しましょう。

【縦軸】
1.限界利益率を上げる
2.固定費を下げる

【横軸】
1.売上を上げる
2.総資本を削減する

収益性と安定性、効率性が高い会社を目指すのであれば、ROA20%を目標値に設定しましょう。ただし、高い目標をKGIとする場合、KPIも高くなります。会社の状況次第ではKPIを達成できないため、最初は5%程度を目標に設定するとよいでしょう。

ROAのグラフを上げるためにSFA/CRMで追うべき4つの指標


ROAを高めるには、縦軸と横軸の4つの指標を追う必要があります。全ての指標を同時に追うことで、効率よくROAを上げられます。それでは、ROAを上げるためにSFA/CRMで追うべき指標をご紹介します。

1人当たりの付加価値

1人あたりの付加価値とは、従業員1人あたりがいくら稼いだかを示す指標です。1人あたりの付加価値の算出方法は、次のとおりです。

売上総利益÷平均従業員数×100

例えば、売上総利益が3,000万円で平均従業員数が3人の場合は、次のように計算します。

3,000万円÷3人×100
=300万円

この場合、従業員1人あたり300万円を稼いでいることになります。この数値からわかることは、売上総利益が3,000万円の会社が3人の従業員を正社員として雇うのは困難だということです。

中小企業における限界利益の合格点は800万円です。ROAを上げたいのであれば、1,500万円を目標に設定しましょう。

1人あたりの付加価値とは?計算方法・メリット・追うときのポイント

1人あたりの経常利益

1人あたりの経常利益とは、営業活動や財務活動によって、従業員1人あたりが残した利益のことです。計算式は次のとおりです。

経常利益÷従業員数

ここでいう従業員には、正社員だけではなく契約社員やパート・アルバイトも含みます。ただし、非正規社員は正社員よりも人件費がかからないため、正社員を「1」とすれば非正規社員を「0.5」として扱うなど調整が必要です。給与や就業時間などから、適切と思われる数値を算出しましょう。

1人あたりの経常利益は、現在の景気を考えると100万円が合格点と言えますが、ROAを大きく上げたいのであれば200万円を目標にしてください。

1人あたりの経常利益とは?計算方法・メリット・増やす方法を解説!

労働分配率

労働分配率とは、付加価値に対する人件費が占める割合のことです。付加価値に対して人件費が高すぎる場合には、付加価値を高めるか人件費を抑える必要があります。人件費が安いのに越したことはありませんが、後々に従業員から不満の声が出る恐れがある場合は、給与や賞与で還元した方がよいでしょう。

そもそも付加価値とは、会社が付け加えた価値のことです。例えば、100万円で仕入いれた商品を150万円で販売した場合、500万円の付加価値を付けたことになります。つまり、付加価値と売上総利益はほぼ同じものと言えるのです。労働分配率は次のように計算しましょう。

人件費÷付加価値額

労働分配率は60%を限界値として、50%程度に抑えましょう。また、人件費と役員報酬は分けて考えることが大切です。例えば、労働分配率が50%であれば、内訳は人件費30%、役員報酬20%を目指すとよいでしょう。

労働分配率とは?計算方法・追い求めるべき理由とメリットを解説

F/M 比率

F/M比率は、固定費(F)、粗利益(M)の比率のことで、損益分岐点比率とほぼ同義とされている指標です。大きな違いは、F/M比率の方がシンプルな計算で算出できることです。

F/M比率と損益分岐点比率は、次のように計算します。

F/M比率=固定費÷粗利益×100
損益分岐点比率=損益分岐点売上高÷実際の売上高×100

損益分岐点売上高は、固定費÷(1-変動費率)で算出してください。損益分岐点比率の上限は80%です。売上が20%ダウンしても経営が回るように考えましょう。

F/M比率(損益分岐点比率)とは?計算方法・可視化するメリットについて解説!

SFA/CRMを活用すればROAのグラフを上げるための施策が見えてくる!

SFA/CRMでは、各指標だけではなく、現在の在庫や営業の状況など細かな情報を速やかに確認できます。何をどのように見直せばROAが上がるのかがわかるため、企業の成長を目指すのであれば必須なツールと言えるでしょう。また、SFA/CRMは自社の状況や業種などに応じてカスタマイズも可能です。例えば、世界シェアNo.1のSalesforceは、パートナー会社にサポートを依頼することで、よりベストな状態にカスタマイズして導入できます。

会社運営の基本的なツールとして、Salesforceを導入してみてはいかがでしょうか。