NetSuiteで残業削減を実現する方法|なぜ残業が減らないのか、その真因と仕組みづくり

「残業を減らしたいのに、なかなか減らない」。多くの経営者が抱える悩みです。

ノー残業デーを設けたり、「早く帰ろう」と呼びかけたり。それでも、気づけば元に戻っている。そんな経験はないでしょうか。

実は、残業が減らない原因の多くは、社員の頑張りが足りないことではありません。業務が見えていない、特定の人に集中している、手作業が多いといった、組織の「仕組み」の問題です。

つまり、残業は個人の努力ではなく、仕組みで減らすもの。この記事では、残業が減らない真因と、クラウドERP「NetSuite」がその解決にどう役立つのかを、中小中堅企業の経営者の視点で解説します。

目次

なぜ残業はなくならないのか

残業がなくならないのは、根性や意識の問題ではありません。多くの場合、業務の進め方そのものに構造的な原因があります。

長時間労働は、従業員の健康を損なうだけでなく、生産性の低下や人件費の増大を招きます。働き方改革関連法による残業時間の上限規制もあり、残業削減はもはや「やったほうがよい」ではなく、経営の必須課題になっています。

近年は人手不足や採用難も深刻です。限られた人員で成果を出すには、一人ひとりの残業に頼る経営から抜け出す必要があります。

残業が生まれる3つの構造的原因

残業の真因は、多くの場合、次の3つに集約されます。

  • 業務の見えない化:誰が何にどれだけ時間を使っているか、把握できていない
  • 属人化:特定の人にしかできない業務があり、その人の残業でしか回らない
  • 手作業の多さ:Excelへの転記や手集計など、人手に依存した作業が積み重なっている

この3つは、いずれも「個人を責めても解決しない」問題です。だからこそ、仕組みで対処する発想が欠かせません。

残業が減らない組織と、減る組織の違い

残業が多い会社と少ない会社の違いは、社員の能力や頑張りではありません。同じ業種・規模でも差が出るのは、組織の「仕組み」が違うからです。

下の表は、残業が減らない組織と減る組織を、5つの観点で比べたものです。

観点残業が減らない組織残業が減る組織
業務の状態誰が何にどれだけ時間を使っているか見えない業務量と工数がデータで見える
仕事の回り方特定の人に業務が集中(属人化)業務が標準化され、チームで回せる
データの扱いExcelや紙で手作業・転記が多いシステム上で一元管理・自動連携
残業への向き合い方「早く帰れ」と号令をかける(精神論)真因を特定し、仕組みで解決する
経営の関わり方現場任せ・ツール任せ経営課題として経営層が関与

右側の組織は、特別な人材がそろっているわけではありません。違いは「個人の頑張りに頼らない仕組みがあるか」だけです。

残業削減とは、この左から右への移行のこと。ベンチャーネットは、そう考えています。

NetSuiteが残業削減に効く理由

NetSuiteは、残業の3つの真因に対して、仕組みの面から働きかけるツールです。号令ではなく、業務そのものの形を変えることで残業を減らします。

NetSuiteは、会社のさまざまな業務を一つのシステムで管理できるクラウドERP(会社全体の業務とデータを一元管理する仕組み)です。販売・在庫・会計などを一元化し、業務の見える化と自動化を実現します。

ここでは、残業削減に効く3つのポイントを見ていきます。

業務とデータの「見える化」

NetSuiteは、各部門のデータを一つの場所に集約します。これにより、どの業務に時間がかかっているかが、データで見えるようになります。

残業の真因である「見えない化」が解消されると、対策すべき業務を正確に特定できます。勘や印象ではなく、事実にもとづいて手を打てるようになります。

(より詳しい指標の考え方は、関連記事「NetSuiteで実現する人時生産性向上」もあわせてご覧ください)

ワークフローの自動化

NetSuiteは、ワークフロー(申請・承認などの業務の流れ)を自動化できます。紙やメールで回していた承認を、システム上で完結させられます。

手作業や転記が減ると、その作業にかかっていた時間と、ミスの修正にかかっていた時間の両方が削減できます。残業の温床になりやすい「手作業の多さ」に直接効きます。

(業務量そのものを減らす手法は、関連記事「NetSuiteで実現する効果的な工数削減戦略」で詳しく解説しています)

部門連携による手戻りの削減

販売・在庫・会計が同じシステムでつながると、部門をまたぐ業務が一気通貫で流れます。受注から出荷、請求までを、二重入力なしで処理できます。

部門間の確認や手戻りが減ることで、待ち時間や差し戻しによる残業が減ります。組織全体の流れがスムーズになります。

残業削減を成功させる進め方

残業削減は、いきなりツールを入れても成功しません。真因を見極めてから仕組み化する、という順序が大切です。

ここでは、無理なく進めるための4ステップを紹介します。

  1. 現状の見える化:誰が何にどれだけ時間を使っているかを把握する
  2. 真因の特定:業務量・属人化・手作業のどれが主な原因かを見極める
  3. 仕組み化:真因に合わせて、自動化・標準化・一元化を進める
  4. 定着:運用ルールを整え、効果を測りながら改善を続ける

特に重要なのは、最初の「見える化」です。ここを飛ばして対策に進むと、的外れな施策に時間を使ってしまいます。

PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善を繰り返す進め方)を回しながら、少しずつ仕組みを育てていくのが現実的です。

残業削減でよくある失敗パターン

残業削減は、号令や根性では実現しません。むしろ、頑張りに頼るほど特定の人に負荷が集中し、かえって残業が増えていきます。

ここでは、ベンチャーネットが多くの現場で見てきた、残業削減でつまずきやすい4つのパターンをお伝えします。これは失敗を責めるためではなく、避けられる失敗を未然に防いでいただくためのものです。

号令だけで「早く帰れ」と言う(精神論型)

よくある現象

  • ノー残業デーを設定する
  • 「定時で帰ろう」と呼びかける
  • 残業申請を厳しくする

なぜ失敗するか

業務量が変わらないまま、時間だけを削ろうとするパターンです。仕事が持ち帰りや隠れ残業に移るだけで、真因は放置されます。

数字の上では残業が減っても、現場の負担は変わりません。むしろ見えない残業が増えてしまいます。

どう回避するか

号令の前に、「何にどれだけ時間がかかっているか」を見える化します。ベンチャーネットは、まずデータで現状を把握することから伴走します。

業務が特定の人に集中している(属人化型)

よくある現象

  • 「あの人しか分からない業務」がある
  • 担当者が休むと仕事が止まる
  • 引き継ぎ資料がない

なぜ失敗するか

属人化した業務は、本人の残業でしか回りません。仕組みがないため、人を増やしても解決しないのです。

その人が辞めたり休んだりすると、業務全体が止まるリスクも抱えています。

どう回避するか

業務を標準化し、誰でも回せる状態にします。属人化と標準化の詳しい進め方は、関連記事「『業務属人化』がDXを止める」もご覧ください。ベンチャーネットは、業務の棚卸しから一緒に進めます。

手作業・Excel依存のまま放置する(手作業型)

よくある現象

  • 複数のExcelを手で転記している
  • 同じデータを何度も入力している
  • 集計に丸一日かかる

なぜ失敗するか

手作業は時間を消費するだけでなく、ミスを生みます。そのミスの修正で、さらに残業が増える悪循環に陥ります。

作業者が頑張るほど、根本の問題は見えにくくなっていきます。

どう回避するか

データを一元化し、自動で集計・連携される仕組みに切り替えます。これは、NetSuiteのようなクラウドERPが最も効く領域です。

ツールを入れれば解決すると考える(丸投げ型)

よくある現象

  • 「システムを入れれば残業が減るはず」と期待する
  • 導入したが使われない
  • 結局Excelに戻ってしまう

なぜ失敗するか

ツールは手段であって、目的ではありません。業務の見直しとセットでなければ、定着しないのです。

「導入すればゴール」と考えると、現場が使いこなせないまま放置されてしまいます。

どう回避するか

ツール導入を「業務を見直す経営プロジェクト」として捉えます。ベンチャーネットは、導入後の定着まで伴走します。

4つのパターンに共通するのは、残業を「個人の頑張り」の問題として捉えてしまうことです。

残業は、個人ではなく仕組みで減らすもの。一人でできることには、限りがあります。

だからこそ、業務を見える化し、チームと仕組みで回る組織をつくる。これが、遠回りのようで一番の近道です。

よくある質問(FAQ)

残業削減とNetSuiteについて、経営者の方からよくいただく質問をまとめました。

Q1. NetSuiteを導入すれば、残業はすぐに減りますか?

導入しただけで自動的に減るわけではありません。真因を見える化し、業務を見直すことで減っていきます。

NetSuiteは、業務とデータを一元化し、手作業や属人化を減らす土台になります。効果が出るのは、導入を「業務を見直すきっかけ」として活かせた場合です。号令や根性ではなく、仕組みで減らすという考え方が前提になります。

Q2. 今の業務が複雑で、何から手をつければいいか分かりません。

まずは「何にどれだけ時間がかかっているか」を見える化することから始めます。

残業の真因は会社ごとに異なります。業務量が多いのか、属人化しているのか、手作業が多いのか。ベンチャーネットでは、いきなりツールを入れるのではなく、現状の業務とデータを整理し、真因を一緒に特定するところから伴走します。

Q3. 残業削減のほかに、どんな効果がありますか?

業務の見える化が進むことで、経営判断のスピードや、人手不足への耐性も高まります。

残業が減る組織は、業務がデータで見えて、チームで回せる状態になっています。これは、特定の人が辞めても業務が止まらない強さにつながります。残業削減は、働きやすさだけでなく、会社全体の継続性を高める取り組みでもあります。

Q4. 残業削減について、どこに相談すればよいですか?

自社の残業の真因が分からない段階でも、相談いただけます。

ベンチャーネット自身、フルリモート・フレックスを前提に、残業を月平均14.5時間に抑えながら事業を運営しています(自社実績)。残業削減を「自分たちも実践している」立場から、業務の見える化と仕組みづくりを伴走支援します。まずは現状を整理する相談から始められます。

まとめ:残業削減は「経営プロジェクト」

残業削減は、ツールを入れて終わりではありません。業務を見える化し、仕組みとチームで回る組織をつくる、経営プロジェクトです。

号令や根性で減らそうとすると、負担が特定の人に集中し、かえって残業は増えます。大切なのは、残業の真因をデータで見極め、仕組みで解決していくことです。

ベンチャーネット自身も、フルリモート・フレックスのもと、残業を月平均14.5時間に抑えて運営しています(自社実績)。残業削減を実践している立場から、お客様の業務の見える化と仕組みづくりに伴走します。

「自社の残業の真因が分からない」「何から手をつければいいか分からない」。そんな段階でも構いません。現状を整理する相談から、一緒に始めさせてください。

ご相談・お問い合わせ

ベンチャーネットのNetSuite関連サービスの詳細を見る

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この記事を書いた人

持田 卓臣のアバター 持田 卓臣 株式会社ベンチャーネット代表取締役

持田 卓臣(もちだ たくおみ)
株式会社ベンチャーネット 代表取締役

ヒューレット・パッカード社でITコンサルタントとして従事した後、2005年に株式会社ベンチャーネットを設立。
Oracle NetSuite Solution Provider Partner として、中堅・中小企業向けクラウドERP「NetSuite」の導入・運用支援を提供しています。
SEO・広告・SNS・ウェブ・MA・SFAと一気通貫で培ってきたデジタルマーケティング領域の業務知見を活かし、NetSuiteを軸とした経営DXを支援しています。
著書:『普通のサラリーマンでもすごいチームと始められる レバレッジ起業「バーチャル社員」があなたを救う』(KADOKAWA、2020年)

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