マーケティングオートメーション運用でよくある失敗と対策

マーケティングオートメーション運用でよくある失敗と対策

マーケティングオートメーションツールを導入したもののなかなか成果につながらない、というお悩みをよく伺います。
成果がでない理由を伺うと、いくつかのパターンがあることがわかりました。
今回は、マーケティングオートメーション運用においてよくある失敗と、そこから成果につなげるための対策についてご紹介します。

目次

リストが少ない

まず第一関門となるのが、「リストが少ない」という問題です。
マーケティングオートメーションのメリットは、たくさんのリードに対して効率的にアプローチを行い、その中から確度の高いリードを見極めるサポートをしてくれる点です。
しかし、そもそもリストが少ない場合には、いくらメールを送っても反応はあまり期待できません。
個別に対応できるくらいの規模であれば、直接電話をしたり、個別にメールを送ったほうが当然反応する確率はあがります。
営業部門が個別に対応しきれないだけのリストがあり、フォロー漏れが課題となっている場合に力を発揮するのがマーケティングオートメーションです。
リストが少ない場合には、マーケティングオートメーション運用の前にまずはオンライン広告やウェブサイトのSEO、イベントへの出展など新規リード獲得施策に力をいれることをおすすめします。

配信が続かない(コンテンツがない)

次に、「せっかく配信先のリストは十分にあるのに、配信するコンテンツがないなどの理由でメール配信が続かない」というのもよく伺うお悩みです。
展示会やウェブサイト経由で獲得したリードのうち、確度が高いホットなリードは営業部門に直接パスされるのが基本です。
つまり、マーケティングオートメーションでナーチャリングの対象になるのは、比較的見込み度の低いリードが中心になります。
ですから、1回や2回のメールですぐにホットになる確率はあまり高くなく、継続してフォローをしていき、ニーズが高まったタイミングを見極めて営業部門にパスすることで最終的な成果につながります。

配信が続かない場合に多いのが、「コンテンツができたら配信する」という運用になっているケースです。
これではなかなかコンテンツ作りは進みませんし、結果としてメール配信も続きません。
半年~1年間程度のスパンで、あらかじめ配信のスケジュールを決めて、それに合わせてコンテンツを用意していくことが必要です。

季節のイベントに絡めることができる商材ならば、そうした季節のイベントを中心に配信スケジュールを決めます。
BtoBの場合は、展示会などイベントに出展したり、オンラインセミナーなどがあればそれらを中心にスケジュールを組みましょう。
目安としては、最低月に1回はメールの配信を行いたいところです。
イベントなどがない月には、コラムやホワイトペーパーなどを用意しましょう。
ただし、この場合あまり手間をかけると負担になりますので、ウェブサイト上でよく見られているページや、営業資料など既存のコンテンツをベースにすることで負担なく続けることができます。

一斉配信しか行っていない

毎月続けてメール配信をしているけれどなかなか成果がでない、という場合に多いのが、「一斉配信しか行っていない」というケースです。
もちろん毎月メール配信を続けるだけでも大変なことですし、リストのボリュームによっては一定の成果につながることもあります。
しかし、せっかくマーケティングオートメーションツールを導入しているのに、一斉配信のみではもったいないです。
マーケティングオートメーションツールのメリットは、それぞれのリードの属性や状況に合わせたアプローチを効率的に行える点ですから、これを生かすことができればより成果につながりやすくなります。
そのためには、次のような取り組みがおすすめです。

顧客データの整備

例えば、業種や地域、職種、役職といった情報でセグメントをわけて配信を行うのは比較的実施しやすい施策です。
ただし、この場合にはセグメントするための情報がそろっていることが必要です。
セグメントしたい条件に応じて、必要なデータの整備からまずは始めましょう。

見込み度別のコンテンツ作成

見込み度に応じたコンテンツを配信するのもマーケティングオートメーション運用において大事なポイントです。
①まだ情報収集段階のリード向けのお役立ちコンテンツ
②検討・比較段階のリード向けの導入事例コンテンツ
③最終検討段階のリード向けのデモやハンズオン、料金シミュレーション
など大まかに3段階程度に分けられる場合が多いです。

これらのコンテンツを用意して、①に反応してくれたリードには②のコンテンツ、②に反応してくれたリードには③のコンテンツを、といった形で見込み度に応じた内容で配信を行えば、より成果につながることが期待できます。

メールを配信するだけで終わっている

最後に、せっかくメールを定期的に、かつリードに合わせた内容で配信していても、メールを配信するだけで終わっていてはなかなか成果につながりません。
よほど興味度合いが高ければリード自ら問い合わせしてくれるかもしれませんが、こちらから個別のメールや電話などで最後の一押しをすることで動いてくれるリードも存在します。
企業によってこうした役割をマーケティング部門内で行う場合、専門のインサイドセールス部門が行う場合、営業部門が行う場合などさまざまですが、一定の基準を設けて、フォロー漏れのないようにすることが重要です。

また、特に多いのが「営業部門にホットリードとして渡しているけれど、対応してくれない/対応してくれているかわからない」というケースです。
こうしたケースでは、営業部門側から話を聞くと「マーケから渡されるリストは質が低い」などの反応が返ってきます。
BtoBでは最終的に商談を行うのは営業部門ですから、営業部門と連携をして、求めるリードの条件などの認識を合わせることが重要です。

マーケティングオートメーション運用においてよくある失敗を4パターンご紹介しました。
ここまでの内容をまとめると、
①営業がフォローしきれないくらいのリストのボリュームがあり
②最低月に1回配信するコンテンツがあり
③セグメントに必要なデータと見込み度に応じたコンテンツがあり
④営業部門と連携してフォローまでしっかり行う

という4つがそろえばマーケティングオートメーション運用によって成果を実現できるといえるでしょう。

もちろん、これらはなかなか一朝一夕にできるものではありません。
なかなかマーケティングオートメーション運用の成果が出ずに悩んでいるという場合には、まずは自社の現状を振り返り、一つずつ施策を進めていくことで着実に成果につながっていくと思います。

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この記事を書いた人

株式会社ベンチャーネット 取締役
Oracle Eloqua Implementation Specialist/Salesforce Certified Pardot Consultant

Oracle Eloquaを中心に、これまでに15社のマーケティングオートメーションの導入・運用支援を行っています。

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