KPIは、企業全体の目標を定めるために取り入れるべき目標管理手法です。KPIを設定せずに闇雲に目標達成に向けて業務を行う場合、なかなか達成率が高くなりません。また、KPIは適切な値を設定することが大切です。ここでは、KPIとは何か、導入のメリットや設定方法、活用方法について詳しくご紹介します。

KPIとは

KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、「重要業績評価指標」のことを指します。組織の目標の達成度を計測するための指標です。例えば、営業部門のKPIは「訪問件数」や「受注件数」などです。

そして、これらの目標を達成できれば、自然に売上高や純利益といった組織の目標を達成できます。裏を返せば、「達成することで組織の目標を達成できる値をKPIに設定する」ということです。

KPIに注目すれば、組織の目標をどの程度達成できているのかがわかります。KPIのほか、KGIやKFS、OKRといった指標との違いも確認が必要です。これらの指標は連動しているため、全ての指標の意味を理解しておきましょう。

KGIとの違い

KPIとKGIは混同されがちですが、共通点は「定量的な数値を設定する」という1点のみです。KGIはKey Goal Indicatorの略で、「経営目標達成指標」を意味します。つまり、組織の最終目標のことで、「売上前年比30%アップ」、「利益率50%」といった数値を設定します。

そして、KPIはKGIを達成するための中間数値指標のため、「達成することで結果的にKGIを達成できる数値」をKPIに設定します。両方の数値が連動していない場合、KPIのメリットを得られないばかりか、間違った方向性で業務を行ってしまうでしょう。

例えば、売上アップがKGIで営業の訪問件数をKPIにすべきところ、逆にしてしまうことで売上アップを意識するあまり、収益に繋がらない訪問が増える恐れがあります。KGIを最初に設定してから、KPIを設定しましょう。そうすれば、「KGIを達成するには何が必要なのか」を考えられるため、設定ミスのリスクを抑えられます。

KPIとKFSの違い

KFSは「Key Factor for Success」の略で、事業成功に欠かせないキーを意味します。このキーを数値化したものをKPIに設定するのです。つまり、KPIとKFSのどちらかの認識に誤りがあれば、KPIを正しく設定できません。

このように、KPIとKGI、KFSは密接な関係があります。

KPIとOKRの違い

OKRは、「Objectives and Key Results」の略で、「達成すべき目標と、目標達成に必要な主要な成果」のことです。最終目標を定め、その道筋を示します。

KPIは、「目標に対する進捗を示す指標」であるのに対し、OKRは「最終目標を達成するためのプロセス」を指します。

KPIを設定するメリット

ここまで、KPIのKPIを設定することのメリットについて詳しくみていきましょう。

とるべき行動が明確になる

KPIを設定すれば、目標達成に必要な行動が明確になります。経営陣が「売上前年比30%アップを目標にする」と伝えるだけでは、現場の従業員はとるべき行動がわかりません。従業員によって行動が違うことで、チーム一丸となって目標達成に向けて動けなくなります。

KPIを設定すれば、従業員それぞれが同じ認識を持って行動できるようになります。

目標達成までのプロセスが明確化する

KPIを設定すれば、目標達成までのプロセスが明確化します。KGIだけを提示すると、「この行動で本当に目標を達成できるのか」、「自分の行動が間違っているのではないか」と不安に感じ、パフォーマンスを発揮できなくなります。

KPIを示せば、目標達成までのプロセスが明確化され、自分の行動を必要に応じて修正できます。そして、自分の行動に自信を持てるようになるでしょう。

課題が浮き彫りになりやすい

KPIを設定すれば、業務の課題が浮き彫りになります。業務改善のためには、課題の明確化が必須です。しかし、課題が見えず、改善行動をとれない企業は少なくありません。KPIの達成に必要な課題を社員で共有して、積極的に改善行動をとることで、KPIの達成率が上がるでしょう。

評価基準が一律になる

KPIには、数値を設定します。数値は誰が見ても同じ認識になるため、評価基準としても利用できるのです。組織内で様々な評価基準が設けられている場合、どのような行動をとれば評価されるのかが不明瞭になります。

KPIで評価基準を統一すれば、数値によって適切に評価できるようになるのです。同時に、事業の進捗度合いも適切に評価できて、最終目標の達成に向けて行動しやすくなるでしょう。

KPIの設定の流れ


KPIを設定するには、1つずつステップを踏む必要があります。KPIの設定の流れについて詳しくみていきましょう。

1.KPI設定の責任者を明確化する

KPIの設定や管理、評価などには責任者を割り当てる必要があります。責任者がいない場合、KPIの管理や評価できず、適切な運用ができません。KPIが形骸化すると、KPIを設定していないのと同じ状況になるため、長く運用を続けるためにも責任者を決めましょう。

2.KGIの達成に必要な要因を設定する

KPIはKGIの達成に必要な要因を数値化したものです。そのため、KPIとKGIはリンクしている必要があります。例えば、KGIが「来年の売上高50億円突破」の場合、KPIは「新規顧客獲得数25件増、顧客訪問件数200件増」といった数値を設定します。

このとき、本当にKPIを達成すればKGIを達成できるのか慎重に考えることが大切です。

同時に、主要成功要因のCSFも設定しましょう。例えば、KGIが「来年の売上高50億円突破」であれば、CSFは「営業スキルの向上」などです。つまり、KGIを達成するために必要な要素をCSFに設定します。

このように、KGIとCSF、KPIを連動させることで、目標達成に向けて効果的な事業展開が可能になるのです。それでは、KPIを設定するときのポイントをみていきましょう。

数値化できるKPIの候補を洗い出す

KPIは、必ず数値化できなければなりません。数値化できない場合、従業員によって認識が異なるため、チーム一丸となって目標達成に向けて取り組めません。「顧客に納得してもらえる営業トークをしよう」といった漠然とした行動は、KPIにふさわしくないのです。

「顧客訪問件数200件」のように、具体的に数値で示すことが必須となります。KPIになり得る指標は次のとおりです。

・アポイントの取得数
・新規顧客訪問件数
・問い合わせ件数
・会社案内の資料請求数
・見積もり依頼数
・受注単価
・成約数

上記はポジティブなKPIです。解約数やクレーム数といったネガティブな数値もKPIになり得ます。解約数を減らせば、結果的に収益アップに繋がりますし、クレーム数が減れば顧客満足度向上に繋がります。

必要最小限のKPIを設定する

KGIの達成に対してモチベーションが高い企業ほど、KPIを多数設定しがちです。KPIが多すぎると、集中が分散することで中途半端な結果になるでしょう。また、現場の従業員としても混乱したりオーバーワークになったりする恐れがあります。

従業員が高いモチベーションをもってKPIの達成を目指せるように、3~5個に留めることが大切です。また、KPIの数が多すぎると、管理する側にも大きな負担がかかります。適切な管理が難しくなれば、KPIは形骸化します。KPIの適切な運用、管理のためにも、3~5個に留めましょう。

3.期間を決める

KPIには、KGIと同じく期限の設定が必要です。期限を定めない場合、KPIの適切な評価ができず、達成しているのかどうかがわからなくなります。1ヶ月単位や四半期ごとにKPIを設定しましょう。

4.KPIを見える化する

KPIは、グラフや表で「見える化」しましょう。数字が書かれたメールや書類だけでは、従業員にKPIが浸透しません。グラフや表に可視化すれば、一目でKPIの内容や現状がわかります。

KPIを確認したいときにすぐに確認できれば、従業員はモチベーションを保ちやすくなります。

KPIの適切な運用方法

KPIを設定すれば、目標達成に必要な行動が見えてきます。しかし、その行動が必ずしも正しいとは限りません。KPIを適切に運用するために、次のように取り組みましょう。

従業員の行動を見直す

KPIを達成するために必要な行動は、競合の動きによって変化します。変化を把握したうえで分析・解析し、従業員の行動を見直すことが大切です。KPIに合わせて従業員の行動を見直せることは、KPIを設定するメリットと言えます。

KPIを設定しない場合、従業員の行動を見直す機会がなく、問題点に気づかないまま時が過ぎる恐れがあるでしょう。

PDCAを回してKPIを管理する

KPIを提示すれば、後は放置でよいわけではありません。努力すれば達成できる数値をKPIに設定しても、全く管理しない状態で達成することは難しいでしょう。

PDCA(Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Action:改善)のサイクルを回し、KPIの達成に向けて行動させることが大切です。また、PDCAはできるだけ短いスパンで回しましょう。PDCAを回すほどに行動がよい方向へと修正されて、KPIを達成できる可能性が高まります。

KPIは全従業員に共有する

KPIの達成に向けて行動できるように、KPIを全従業員に共有します。KPIの達成率が悪い場合、状況を改善するための施策をあらゆる人物が立案できるようになれば、お互いに刺激されてモチベーションが高まります。

また、新たなアイデアが創出され、KPIの達成率が上がる可能性もあるでしょう。KPIを共有したとき、誰の数値が悪くて、誰を見本にすればよいのかがわかります。ここで注意したいのは、KPIが悪い人を責めないことです。KPIが良い人にインセンティブを与えたり褒章したりして、他の従業員のモチベーションを高めましょう。

また、KPIが良い人が悪い人にアドバイスできる環境作りも必要です。

KPIの見える化にはCRMとSFAを活用する

KPIの見える化は、KPIの達成度を高めるために必須な施策です。しかし、常にパソコンの画面に表示させるわけにもいきません。そこで活用したいのがCRM・SFAツールです。ここでは、CRMとSFAがKPIの見える可に役立つ理由をご紹介します。

CRMとは

CRMは「Customer Relationship Management」の略で、「顧客関係管理」のことです。顧客情報の収集・管理・分析によって、適切なアプローチを行うために使用します。顧客情報の随時更新、顧客の傾向分析などが可能です。

顧客情報の分析結果はグラフや表で可視化できるため、そのままKPIとして共有できます。

SFAとは

SFAとは、「sales force automation」の略で、「営業支援システム」のことです。顧客情報や商談の進捗、入手した情報などを記録・分析できます。顧客獲得件数や資料請求数などをKPIに設定している場合、SFAを開くことでKPIを確認できるのです。

営業担当者は、SFAを頻回に使用するため、常にKPIを意識して業務に取り組めます。

SalesforceならSFA・CRMの両方の機能がある

KPIの見える可には、Salesforceが役立ちます。SFAとCRMの両方の機能を持ちます。Salesforceの特徴と導入時のポイントを詳しくみていきましょう。

Salesforceとは

Salesforceは、セールスフォース・ドットコム社が提供するSFA・CRMツールです。世界中で導入されているため、システムの安全性と安定性に優れています。業種や企業規模に関係なく導入できることが特徴です。

Salesforce のメリット

Salesforceでは、顧客訪問件数や商談の進捗、顧客情報の管理・分析のほか、競合他社のデータや営業チームのリソース配分など、さまざまな情報を一目で確認できます。KPIもあわせて他の情報が目に入ることで、次のとるべき行動がすぐにわかります。

KPIの確認に時間がかかってしまうと、日々の生産性が低下するため、すぐにKPIを確認できる仕組みづくりが必要です。

Salesforceを導入すれば、KPIが明確になると同時に常時共有できます。営業活動も効率化されて、KPIの達成度が上がるでしょう。

Salesforceの導入はサポート会社に任せましょう

Salesforceのメリットを得るには、自社に合った形で導入する必要があります。Salesforceを提供するセールスフォース・ドットコム社の認定を受けたサポート会社に導入を依頼しましょう。自社の状況や企業規模、KPIを踏まえ、ベストな形で導入してくれます。

また、事業内容と課題への理解ができるサポート会社に依頼してください。一度、相談してみて、適切なアドバイスや提案ができるか確認しましょう。導入後のサポートまで任せられる企業であれば、安心してSalesforceの導入を相談できます。

まとめ

KPIは、KGIを達成するために達成すべき指標です。そのため、顧客獲得数や資料請求数などを設定しましょう。KPIは便利な目標管理手段ですが、6つ以上設定すると現場が混乱しやすくなります。3~5つのKPIに絞り込み、早いサイクルでPDCAを回せるようにすれば、達成率が上がるでしょう。