WinActor × Excel 販売管理システムへの売り上げデータ入力を自動化するシナリオ

RPA技術者検定エキスパートの笹谷です。
今回はWinActorを使って、販売管理システムへの売上データ入力を自動化したシナリオについて解説したいと思います。

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目次

「WinActorでExcel自動入力シナリオ」を導入に至った背景とは?

このシナリオを作成したA社では、日々の売上データをまとめた情報をシステムからExcel形式で出力することができるのですが、この売上情報を別の販売管理システムにデータ連携する仕組みがないため、売上情報を販売管理システムにデータ入力するという業務がありました。
この業務は、1日平均120件ある売上データを、3人の社員(1人あたり4時間/1日)がデータ入力していましたが、比較的単純作業であることから、WinActorのシナリオ化対象業務として選出され、WinActorの導入検証も兼ねて、シナリオ化することになりました。

「WinActorでExcel自動入力シナリオ」の概要と実際のシナリオ・動作画面

Excelファイルの売上データを販売管理システムにデータ入力(転記)するシナリオです。
まず、データ入力を行う事前操作として、WinActorでExcelファイルおよび販売管理システム(ブラウザ→URL指定)を起動します。
次に販売管理システムへのログインから伝票入力画面への遷移操作をWinActorで行い、伝票入力画面を開きます。
伝票入力画面を開いた後、Excelファイルから売上データを取得し、システムの該当項目にデータ入力していき、登録ボタンをクリックするという一連の処理をデータの数分繰り返します。
Excelファイルの売上データの内容により、販売管理システム側の項目が動的に変化しますので、(予めシナリオに組み込んでいる仕組み・処理フローで)変化に合わせたデータ入力を行います。
Excelファイルのデータ読み込みで、データが取得できなかった(取得結果がブランク)場合は処理を終了し、WinActorが停止します。
その他、想定外の事象により、WinActorにてエラーが発生した場合は、エラーを検知し、担当者にメール通知します。
実際のシナリオ動作画面はこちらから。

「WinActorでExcel自動入力シナリオ」の導入してみた結果・・・

売上データの入力作業は1日あたり平均12時間(1日4時間×3名の担当者)であったため、
月に換算すると12時間×20営業日で240時間の作業時間が削減できました。
一人当たりの1日の労働時間を8時間とした場合、毎月1.5人分(240時間/8時間)の削減されることになり、
人件費でいうと、月給30万円の社員の場合、年間540万円の削減効果があります。

WinActorの年間ライセンス費用を考慮しても、
人件費削減の点で高い費用対効果が得られることに加え、
削減できた業務時間を他の業務に割り当てることができるようになり、
社員の生産性も向上したと言えます。

導入への課題とその対応

今回の売上データ入力業務を自動化するにあたり、
まず、業務に精通する社員の時間確保が問題となりました。
当初は、業務を担当しているA社社員がシナリオ作成を担当する予定でしたが、
該当社員は通常の業務を担当しながらシナリオ作成を行う必要があり、
時間を捻出することができず、なかなかシナリオ作成が進みませんでした。
そこで、A社はシナリオ作成の専任者を設け、社員から業務をヒアリングする形で
シナリオ作成を進めることにしました。

一通りデータ入力のシナリオが完成した後で、シナリオを動作させてみると
正常に動作しないという問題が発生しました。
原因を調べていくと、売上データの内容の違いにより、販売管理システムに表示される項目が動的に変化することが判明しました。
例えば、飲料水の売上が上がった場合、それが単品売りの時は数量を入力しますが、ケース売りの時は数量が入力不可項目に変化し、
代わりケース数を入力する必要がありました。
また大口顧客とそうでない顧客では請求に関する入力項目が別の形式になっていたりしました。
いくつかの入力パターンが存在し、これらの考慮が漏れていることに気づいたため、
A社は入力パターンの洗い出しを行い、全部で45のパターンがあることが判明しました。
それらの考慮を1つずつシナリオに組み込んでいく形で、シナリオを修正しました。

入力パターンを組み込んだ後は、正常動作していたので、
完成したシナリオを実務で使い始めました。
使い始めて2週間経った頃、エラーが発生し、処理が止まるようになってしまいました。
エラーの原因を調べると、Excelファイルのデータの形式がシステム側の変更により
変わっていることが判明しました。
変更後のExcelファイルの形式に合わせてシナリオを修正し、
エラー発生時には担当者にメール通知するようシナリオに処理を追加して、現在のシナリオが完成しました。

WinActorシナリオ作成のノウハウ

シナリオ作成の選任者の確保

WinActorによる業務自動化を推進させるためには
通常業務を行いながら、シナリオ作成を行うのはハードルが高いように思われます。
A社の場合、シナリオ作成を専門に行う人材を確保できたことと、
業務担当者との円滑なコミュニケーション体制がとれたことが
シナリオ作成を推進する上で重要なポイントでした。

入力パターンの洗い出し

今回洗い出した売上データの入力パターンは、ルール化されたものではなく、
属人化している作業となっていました。
売上データ入力業務の自動化を行う上で、洗い出した入力パターンをシナリオに組み込めたことが
売上データ入力業務の全工程を自動化できたポイントとなりました。

WinActor技術者検定エキスパートで対応可能

実は今回のシナリオは、「WinActor技術者検定エキスパート」の合格者であればシナリオ自体は容易に作成可能です。
実際のポイントはシナリオ作成事態というよりも、担当者とのコミュニケーションによって
いかに業務を可視化できるかがカギとなります。

弊社では、WinActorの導入支援、WinActor技術者検定エキスパート試験対策を行っております。下記よりお問い合わせください。

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