ランチェスター戦略は、中小企業が大企業に立ち向かい、勝利するための戦い方です。本来は軍事作戦における考え方ですが、現在はビジネスシーンでも活用されています。ランチャー戦略を理解することで、中小企業が大企業に勝利するために必要な要素が見えてくるでしょう。ここでは、ランチェスター戦略の内容とビジネスに取り入れる具体的な方法をご紹介します。

ランチェスター戦略とは

ランチェスター戦略とは、イギリスのランチェスターが考案した「ランチェスターの法則」と、第二次世界大戦のときに進化を遂げた「ランチェスター戦略方程式」を組み合わせた軍事作戦のモデルです。

ビジネスにおけるマーケティングとの共通点があるため、売上を上げる方法として取り入れられています。

ランチェスターの法則

ランチャースターの法則は、「戦闘力=兵力質×量」を方程式としています。また、トップに立つものを強者、2位以下をすべて弱者としていることも特徴です。それでは、ランチェスターの法則における第一法則と第二法則について詳しくご紹介します。

第一法則

第一法則では、剣や槍を用いた原始的な戦いにおいて、1対1の一騎打ちをイメージしています。この場合、兵士100人のA隊と兵士200人のB隊が戦うと、B隊が100人生き残り、A隊は全滅します。

また、全員が銃を所持している兵士100人のC隊と、剣しか持っていない兵士100人のD隊では、銃の方が圧倒的に殺傷能力と効率性が高いため、D隊は全滅します。

この方程式は

戦闘力=武器効率(質)×兵力数(量)

となります。つまり、「兵士の戦力が同じの場合は人数が多い方が勝利」、「人数が同じの場合は戦力が強い方が勝利」となるのです。

これをビジネスに置き換えると、社員の数が多い大企業に勝利するには、社員1人あたりの営業力(戦闘力)を上げる必要があるということになります。

第二法則

第二法則は、1人で複数人を攻撃する近代的な戦いをイメージしています。第二法則における方程式は、

戦闘力=武器効率(質)×兵力数の二乗

となります。例えば、同じ武器を持つ20人の隊と10人の隊が戦った場合は、

20の二乗-10の二乗=√300=17

となり、20人の隊のうち17人が生き残ります。

ビジネスにおいて弱者が強者に勝つ方法

ビジネスにおいて弱者が強者に勝つには、1人あたりの戦闘力を上げるしかありません。人数を増やすと人件費がかかるため、大企業よりも資金が少ない中小企業に勝ち目はないでしょう。短期決戦を挑むことも可能ですが、それには画期的な商品・サービスの開発やハイレベルなマーケティングが欠かせません。

そのため、従業員1人あたりの戦闘力を着実に上げていくことが大切です。時間はかかりますが、リスクを抑えて企業の収益力を高められます。それでは、ランチェスター戦略において、弱者が強者に勝つ方法を詳しくみていきましょう。

業界におけるシェア率の目標を立てる

戦闘力が上がることで、少しずつ市場シェアが増えることが期待できます。短期・中期でシェア率の目標を立てて、収益力を着実に伸ばしましょう。マーケットシェア理論を活用して、目標とするシェア率を決めてください。マーケットシェア理論における評価基準は次のとおりです。

 

シェア率 目標値 意味
73.9% 上限目標値 ほぼ市場を独占しており、安定性が非常に高い状態です。

ただし、外部要因によってシェア率が大きく低下するケースがあります。

41.7% 安定目標値 圧倒的に有利な状況です。トップを取るために最終目標にしたい数値です。
26.1% 下限目標値 トップを取りたいときに最低限達成すべき目標値です。

この数値を下回ると、たとえトップに立っても安定しません。

19.3% 上位目標値 他の弱者と比べてシェア率が高い状態です。

 

10.9% 影響目標値 市場へと影響を与えられます。トップを目指すためのスタート地点と言えるでしょう。
6.8% 存在目標値 競合に存在を認められますが、市場には影響を与えられません。
2.8% 拠点目標値 存在を認識してもらえません。いかにシェア率を伸ばすか、戦略の十分な検討が必要です。

 

特定の地域で高いシェアを得る

地域戦略として、特定の地域で高いシェアを得ることを目指しましょう。例えば、全国展開している飲食店A社と、特定地域でのみ高いシェアを誇るB社があるとします。ここで、特定の地域でのみシェアを伸ばすことで、「その地域の飲食店と言えばB社」というイメージを与えられます。

全国を対象としても勝てませんが、特定の地域に絞れば勝てる可能性があるのです。

ツールの導入で戦闘力と効率性を高める

従業員1人あたりの戦闘力と効率性を高めるために、SFA・CRM、MAツールを導入することをおすすめします。

NetSuiteは、CRM(顧客管理)や財務会計、ERP(基幹システム)などが一体になったクラウド型業務アプリケーションです。業種に合わせてカスタマイズできるうえに、19言語、190種類以上の通貨に対応しています。

ビジネスに必要な機能をすべて統合しているため、これ1つを導入するだけで業務効率化を図れます。購買履歴や基本情報などの顧客データをクラウド上で管理できることで、迅速かつ的確な営業活動が可能になります。

また、商談の進捗を上司が把握しやすくなるため、的確な指示を迅速に出すことが可能です。さらに、財務会計や在庫管理、注文管理などが一体化しており、営業活動による変化をリアルタイムに反映できます。会計システムに売上を打ち直す手間がなくなります。

まとめ

ランチェスター戦略では、中小企業が大企業に勝つために、量で勝負をするのではなく質を高めるべきとされています。大企業と同じ土俵に立つのではなく、特定の地域において勝てる条件をそろえることが大切です。そして、営業効率と生産性を高めるツールを積極的に取り入れて、企業の収益性を高めましょう。