GoogleのCookie制限とは?Cookie制限の影響と今後

GoogleのCookie制限

ウェブマーケティングの技術が発展する度に、さまざまな広告手法・アプローチが取られてきました。ウェブの黎明期には、単純なバナー広告などがスタンダードなものでしたが、ウェブ利用者が増えるにつれて変化を重ねたのです。単なるバナー広告などでは限界があり、リスティング広告やディスプレイネットワーク広告、SNS広告など、さまざまな媒体が増えていくことに。

こうした広告には複雑な技術が駆使されていますが、その中でも重要な役割を担っているのがCookieと呼ばれるものです。普段から誰もが利用している、スマホやPCのウェブブラウザなどに使われ、快適に利用するために欠かせない機能。

しかしプライバシー保護の観点から、今Cookieの利用について見直しが始まりました。

この記事では、今まさに始まりつつある「Cookie制限」について、初心者の方でもわかりやすく、仕組みや制限される理由を解説をします。

目次

Cookieとは

Cookieとはウェブサーバーとウェブブラウザの間の通信を管理するためのプロトコル(仕組み)です。

そしてとくにCookieといえば、一般的にユーザーの識別やセッション管理のために使われることで知られています。

自分自身の利用シーンで考えると、Amazonや楽天などのショッピングサイトでの、ログイン維持機能やIDとパスワードの入力簡素化などです。一度ログインすると、しばらくはログイン状態を維持できたり、自動ログアウト後も再アクセス時にかんたんにログインできますよね。これがCookieの役割の一つであり、私たちが快適にウェブを利用するためには欠かせないものなのです。

こうしたCookieの機能は、広告にも応用可能であり、一度見た商品が何度も表示されたりするのは、まさにこのためというわけですね。

Cookieの仕組み

Cookieは非常に便利な機能ですが、その仕組は意外とシンプル。今回のCookie制限の問題に触れる前に、かんたんにCookieの基礎について、かんたんにおさらいしておきたいと思います。

Cookieそのものの正体は、ウェブブラウザに格納される小さなテキストファイルに過ぎません。

ブラウザでウェブサイトに訪れると、そのサイト用のCookieを自動的に作成。訪問したユーザーの識別やページやID・パスワードが記録されることで、その情報を再利用でき、快適なウェブ体験を実現します。こうした「どのページを見た」という記録を使い、利用者の興味がある商品を表示するのが、ディスプレイネットワーク広告やリターゲティング広告と呼ばれるものです。「一度見たことがある商品の広告が、別のサイトでも何度も表示される」のは、Cookieの機能を利用した広告だからなのですね。

仕組みがわからないと、なんだか不気味なものですが、じつはウェブブラウザに備わっている機能が使われているだけ。ですがそれでも、個人情報的な視点から考えると不安になりますよね。これが今話題となっている「Cookie制限」の話へと繋がっています。

そしてCookieには、ファーストパーティCookieとサードパーティCookieの2種類があるので、そちらの違いについても知っておきましょう。

ファーストパーティCookie

訪問したサイトのサーバーが発行しているCookieを「ファーストパーティCookie」と呼びます。

そのサイト自体が発行している安心感から、ツールなどでブロックされづらく、運営者側は精度の高い解析ができるなどのメリットがあるものです。しかしデメリットとして、訪問したドメイン(example.comなどのこと)にしかCookieが作成されないため、ほかのサイトで利用できないなどの問題もあります。

サードパーティCookieの仕組み

ファーストパーティCookieでは、そのドメインでしか付与されないため、ほかのサイトでは利用できないというデメリットがありました。

こうした問題を解決するのが、訪問サイト意外のドメインから発行される「サードパーティCookie」です。

サードパーティCookieは、特定のドメインに関係なくCookieを付与できるため、横断的な情報の利用が可能。どのサイトでも同じ製品の広告が表示されるのは、こうした横断的なCookieを利用できるサードパーティCookieがあるからこそ。広告を配信しているドメインのCookieを利用することで、別のサイトを見ている時でも追跡して広告を表示できるのです。

しかしこうしたどこまでも追跡して広告を表示できるサードパーティCookieこそが、プライバシーを侵害するものとして問題視されています。実際にいくつかのブラザでは、サードパーティCookieをブロックする機能が実装されつつあるのです。

Cookieが懸念される理由とは

Cookieが懸念されているのは、サードパーティCookieに関する問題。

利用者がどのサイトへ行っても、利用者を特定し、どこまでも追跡できることが問題視されているのです。企業側からの視点であれば、特定の利用者に対してアプローチし続けられるため、これほど有用な機能はありません。しかし利用者からの視点では、Cookieからどこまでも追跡されると、プライバシー保護の観点から決してよいものとはいえません。中には気持ち悪いと感じる人もいるでしょう。

こうしたCookieを使った情報利用の保護について、世界的に規制を強める動きが広がっています。たとえばEUなどでは、2018年にGDPR(EU一般データ保護規則)と呼ばれる法律がスタート。Cookieを含めて、個人を特定するデータをEU外へ持ち出すことが禁止されるもので、世界中のIT企業が対応を急いでいるそうです。違反時には莫大な罰金が科されることが知られており、Googleは実際に5,000万ユーロ(日本円換算で62億円!)もの罰金を命じられました。こうした流れについて、EU以外の各国でも広がりを見せており、今後は個人情報保護の観点から、ますますCookieに関する制限は強まるものと見られています。

Cookie制限とは

Cookie制限とは、その名前の通りCookieの利用について、ある程度の制限を設けるための機能です。

とくに現時点で制限を受けると明言されているのは「サードパーティCookie」。サードパーティCookieは、今後多くのブラウザでサポートが廃止されることとなり、従来のようなCookieを使った高度な追跡広告は不可能になると見込まれています。

たとえばGoogleでは、2022年までに広告目的のサードパーティCookieのサポートを廃止すると明言しており、業界への影響は多大なものとなるでしょう。すでにiPhoneのデフォルトブラウザであるSafariでは、2018年のITP2.0と呼ばれる改正で、「トラッキングのためのサードパーティCookieは24時間で破棄」で対応済み。

ファーストパーティCookieについても「30日以内に破棄」という対応へ移行しています。そして2020年3月24日には、Mac版のSafariでサードパーティCookieを完全にブロックする仕様へと移行しました。

このようにセキュリティ関連に厳しいApple社では、すでにGoogleよりも先に厳格な仕様へと移行を終えています。こうした動きは、マイクロソフトを含めて、ブラウザを提供する各企業に波及していくのは避けられないと思っておいてよいでしょう。そうでなくてもウェブ利用者のほとんどが、PC・AndroidのGoogle ChromeとiPhoneのSafariであることを考えると、現時点でかなり厳しい状態にあると言っても言い過ぎではありません。

Cookie制限が与えるネットでのインパクト

Cookie制限が与えるネットでのインパクトは、やはり広告への影響が一番大きいと言えるでしょう。

これまではサードパーティCookieで、長期間に渡ってユーザーの趣味趣向に合わせた広告を配信できていました。しかしこれができなくなれば、これまでのような効果的なウェブマーケティングが通用しなくなるということ。これまではアドネットワークを利用して、自社サービスの広告を配信していた事業者は、多大な影響を受けることになるでしょう。

一度でも広告をクリックしたユーザーに対して、リターゲティング広告を使い、最適化されたアプローチで成果を上げていた事業者は多いです。利用者を追尾して最適化されたコピーや訴求をするわけですから、これ以上に費用対効果の大きな広告はありません。アドネットワークに頼っていた事業者は、今後はウェブマーケティングに対して根本的な戦略の見直しが必要となるでしょう。

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Cookie制限が与える影響とは

Cookie制限が与える影響は多岐に渡ります。自社製品を広告で販売している事業者や、アフィリエイトなどの広告に多大な影響が出ることでしょう。

自社製品を販売の事業者への影響

広告を使って自社製品を販売していた事業者は、これまでの外部のアドネットワークを使った販売は、非常に厳しいものになると見込まれます。そのため自社メディアを育てることやSNSなどを利用する方法、PPC広告などを活用する方向へ切り替えていくしかないでしょう。これまで外部の広告に頼り切りだった企業は、広告戦略が軌道に乗るまでは厳しい戦いとなる恐れがあります。

アフィリエイト事業等広告への影響

アフィリエイト広告への影響も避けられません。サードパーティCookieの機能により、これまではアフィリエイト広告をクリック後、そのときに成約せずとも、後日に成約した場合に成果として反映されていました。しかしサードパーティCookieの制限により、こうしたクリックの効果が数日間ほども継続させられなくなりました。

すぐに成約する単価の低い商品であれば、影響を最小限に抑えられそうですが、検討を要する高額な商品やサービスについては、今後はかなり厳しくなるでしょう。アフィリエイト収入を得る側だけでなく、追跡して広告を表示できなくなる広告主にとっても大きな打撃です。

AppleやGoogleは必ず抜け道を塞いでいく

これまではCookieなどの制限が増える度に、広告業者はさまざまな抜け道を探して対応してきました。アフィリエイト広告を提供するASPなどでも、Cookie制限が更新される度に対応に追われています。しかしこうしたCookie制限に対する対応は、あくまで一時的な延命措置にしかならないでしょう。

たとえばAppleでは、もともと広告というビジネスモデルからはやや遠いためか、容赦なく抜け道を塞ぎにかかっているのをはっきりと感じます。何よりも利用ユーザーのプライバシー保護を重点として対策をしており、本来であれば正しい方向性なのでしょう。

またGoogleに関しては、広告収入が主な収益源であることから、こうした対策にやや消極的な印象がありますが、サードパーティCookieに関しては本気です。いくら抜け道を見つけ出したところで、数ヶ月から遅くとも数年単位で塞がれてしまい、結局のところ別の手法を見つけるしかなくなります。延命措置として、現在のやり方にこだわるよりも、今の時点で別の手法へシフトしていくのが正しい方向性なのではないでしょうか。

デジタルマーケティングを根本から見直す時期に来ている

プライバシー保護の観点から、広告に対するあり方が変わりつつあります。つまりそれはデジタルマーケティングに対する考え方を、根本的に見直す時期に差し迫ったということ。これまでは広告事業者に丸投げでも、費用対効果の高い収益を得られていた事業者でも、別の手法を探さなければ生き残れなくなる恐れがあります。デジタルマーケティング自体は、これからもずっと必要ですが、Cookie制限により広告だけに頼るのでは厳しい時代になりそうです。

Cookie制限まとめ

ウェブ利用者のプライバシーを保護するために、世界各地で見直されつつあるCookieのあり方。Cookieは利用者にとっても便利な機能ですから、今後も完全になくなることはないと思われます。しかしCookieを広告に利用する方法は、今後も随時見直しが続くでしょう。

少なくともこれまでウェブ広告の主役であった、サードパーティCookieを使った媒体は今後厳しくなるのは確定路線。別の方法へと移行するのは、とてもコストのかかるものではあります。しかしこうした大きな変化は、チャンスとも言えるのではないでしょうか。コンテンツSEOを駆使した自社メディアやPPC広告、SNSマーケティングなどを組み合わせた手法に切り替えるいい機会だとも考えられます。

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