可能な限りよいコンテンツを作成し、正しいHTMLタグを使って検索エンジンに情報を伝える。ここまでがウェブ制作の基本ですが、これだけでは上位表示はむずかしいといえます。Googleのエンジニアが以前、理論上だけなら被リンクなしでもコンテンツの作成次第で上位表示は可能と回答していたことがありますが、あくまで理論上の話。

実質的に、正しくコンテンツを作成するだけでは、ライバルサイトがひしめく検索結果で、上位表示されることはまずありません。では何が上位表示に大きな影響を与えているのでしょうか。

それには「被リンクとブログの活用」があります。まずは「被リンク」から説明していきます。

被リンクとは、ほかのサイトから引用や補足のために、運営サイトのコンテンツへリンクしてもらうことで、上位表示するためには欠かせない要素。本稿では正しい被リンクのあり方について、やさしく解説をします。

被リンクは口コミによる紹介と考える

なぜ被リンクをもらうと上位表示できるのでしょうか。

そのヒントは口コミにあります。

たとえばお店を例に考えてみましょう。多くの人に言及されるお店は、話題になるほどの人気や知名度があると考えられますよね。このようなお店は、自然とSNSやメールやメッセンジャーアプリなどで広がります。リンクの考え方も同じで、被リンクを口コミによる紹介とする、人気投票のようなものだと考えてください。

つまり被リンクが増えれば増えるほど、検索エンジンは「このページやウェブサイトは、リンクが集まっているからよいコンテンツである」と判断します。

過去にくらべると、被リンクの効果は小さくなったといわれます。

実際に検索エンジンは、AIの搭載などで文章を理解する力が飛躍的に高まりましたが、それでも被リンクの力は今でも絶大です。

とくに政府や大企業、医療機関などの権威性の高いサイトや、関連性の高いサイトやブログからの被リンクは強力。そのため被リンクを集めるための工夫は、今でも必須の作業だといえるでしょう。

被リンクは自然に増やすべき

被リンクを増やすための活動はとても大切ですが、あくまで自然に増やすことが大切。そもそも被リンクは、少しずつしか増えないものですから、サイトの運営をはじめて数ヶ月以上のスパンで考えましょう。

被リンクがない状態のときでも、小さなキーワードなら順位は上がります。

その記事をだれかが発見し、サイトやブログに引用してくれることもあるでしょう。そうすると被リンクが増え、さらにほかのキーワードでも順位が上がります。こうして被リンクの量に応じて、ごく自然に少しずつサイト全体の検索順位が上昇するのが理想で、これがあるべき姿です。

一番の被リンク対策とは質の高いコンテンツを作ること

自然に被リンクが増えることが大切だとはいえ、できるだけ早く成果を出したい気持ちもあるでしょう。そのためには、できるだけ早く被リンクを増やしていく対策が必要。そして被リンクを早く集めるために、一番効果のある対策といえば「質の高いコンテンツを作ること」です。

これ以上によい施策はありません。

被リンクがなくても、検索エンジンがコンテンツの文章の質をある程度理解できるようになったことから、質の高いサイトは上位表示されやすいです。それだけ多くの人の目に触れるチャンスも多く、質が高ければかならずSNSでも言及され、ブログやサイトでも引用されるためにリンクも増えます。もちろん工夫次第で、自然なリンクを増やす手法も存在するかもしれません。ですが質の高いコンテンツを作る以上に、王道で効果のある手法は今のところないのです。

自作自演の被リンクはガイドライン違反

被リンクが効果的だとわかったときに、だれもが最初に思い浮かべるのが「自分自身で人工的に被リンクを増やすこと」です。

つまり自作自演でブログやサイトを立ち上げて、メインとなる運営サイトに被リンクを貼る、という方法。ですが被リンクは、あくまで自然に増えることを前提しており、検索結果の順位を操作する自作自演リンクは、Googleのガイドライン違反です。

そのため自作自演リンクが見つかれば、即座に手動ペナルティが課され、自分で貼ったリンクだけではなく、ナチュラルに付いたリンクまで剥がして再審査する羽目になります。それでもペナルティを解除されるかは、Googleのさじ加減で変わるため、結果はだれにもわかりません。自作自演リンクはとてもリスクの高い行為です。

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コミュニティ内でリンクを送りあうのはガイドライン違反

ガイドライン違反になるのは、自作自演だけではありません。自分が所属するコミュニティ内で、助け合う形でリンクを貼り合う行為もガイドライン違反。

これはリンクファームと呼ばれるスパム行為で、見つかってしまうとグループがまとめてペナルティを受けてしまう恐れがあります。Googleのリンクパワーの計算式はとても精度が高く、リンクファームはかんたんにアルゴリズムで捕捉されてしまうので、かなり危険なスパム行為です。

業者から有料のリンクを購入するのはガイドライン違反

ほかにも業者から有料でリンクを購入する行為もガイドライン違反です。ペイドリンクと呼ばれる違反行為で、業者のバックリンクサイトの構造が弱いと、あっという間に見つかりペナルティを受けてしまいます。問題なのはそれだけではなく、リンクサービスを提供する業者に月額利用料として支払うケースが多いのですが、リンクを剥がして契約を解除する際に違約金を取られる場合も。

Googleと業者の二重で問題となる恐れがあるため、ペイドリンクの購入はかなりリスクが高いです。

許されているリンク対策

保有しているサイト同士を、姉妹サイトとして相互リンクさせたり、関連記事で紹介する場合はペナルティを受けることはあまりありません。ですがあくまで、人に評価される真っ当なサイト同士であることが原則。

企業であれば、コーポレートサイトと保有しているオウンドメディアを、リンクでつなぐケースに該当します。ですがこの問題には基準がなく、どこまでが許されているかは、だれにも判断できないことに注意してください。管理者は真っ当と考えていても、Googleから質の低いスパム用のサイトと判定されると、ペナルティを受ける恐れはあるのです。

ページランクとは

Googleが持つ被リンクを評価する仕組みのベースは「ページランク」と呼ばれるシステムです。ページランクは、リンクを通してパワーがどのように流れているかを計算し、それぞれのウェブサイトに溜まったパワーをランク付けする仕組み。

ウェブ全体のパワーの総和は1となり、リンクでつながるすべてのウェブサイトで分配されています。これにはサイト構造などの内部的な要素は考慮せず、純粋にリンクのパワーの流れだけで判断しているランク付けです。かつては主要なアルゴリズムとして、各ウェブサイトのページランクを確認できる仕組みがあったものの、現在は公開されていません。

現在では数百以上もあるアルゴリズムのひとつとして、指標の1つに使われています。

引用を多様する学術論文の評価がベース

リンクでサイトを評価する仕組みは、学術論文の評価から着想を得たもの。学術論文では、重要な論文ほど多くの人から引用をされる傾向があります。ウェブサイトでも学術論文同様に、重要な情報のあるページほど被リンクが集まるはず、という発想から生まれたものだとされています。

このページランクの仕組みは、Googleの創設者であるラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンによって1998年に発明。特許を取得済みで公開されているため、だれでも閲覧可能です。このような仕組みから考えても、自然に被リンクが得られれば、かなりの効果があるのは明白。

積極的にリンクを獲得するために良いコンテンツを制作し、情報を発信し続けることが大切です。もちろん不正による被リンクは、リスクが大きいので避けましょう。

ここからはブログの活用について進めていきます。

運営しているウェブサイトに、コンテンツをどんどん追加できるのであれば、積極的に増やしていきましょう。もちろんただ増やせばいいのではなく、しっかりとキーワードを狙い、ユーザーの役に立つものでなければなりません。ですが無関係な記事を増やすことで、ユーザビリティを下げてしまう恐れもあり、かんたんにページ数を増やせないウェブサイトもあるはず。

関連性のない記事が並ぶと、ユーザーがアクセスしたい情報を探しにくくなることもありますよね。そんなときに活用したいのが「ブログ」です。

ブログを使えば手軽にウェブページを更新できる

ブログを使うことで、手軽にウェブページを更新でき、手間が軽減できるだけではなく、ユーザビリティを落としにくい点が大きなメリット。もちろんユーザーに有益な記事を作成することが大前提ではありますが、あまりむずかしいことを考えず、メインのコンテンツに影響与えずに記事をどんどん追加できます。キーワードを狙った記事数は、できるだけ多い方が望ましいため、ブログは大きな武器となるでしょう。

同じドメインの中にブログを設置する

ブログの運用をはじめるときには、同じドメイン内に設置しましょう。一般的にはブログをはじめる時に、アメブロやライブドアブログのような、無料サイトなどで始める企業も少なくありません。ですが無料ブログでは、無料であるがゆえにリスクもつきもの。

たとえば自社とは関係ない広告が大量に表示されてしまい、ユーザーの印象を落としてしまうこと。ほかにも運営会社の都合やアルゴリズムにより、なんのアナウンスもないまま、突然ブログを閉鎖されてしまうことも少なくありません。

そうなってしまうと、それまで積み上げてきたコンテンツ資産が、なんの前触れもなく消されてしまうのです。さらにブログからメインサイトへリンクを貼る行為を、Googleから自作自演リンクと判定されるリスクもあります。

ペナルティを受けるリスクにもなるため、基本はメインサイトのドメインの下層に設置しましょう。ドメインがhttps://example.com/であれば、https://example.com/blog/の層にブログを設置するということです。ブログへの被リンクはサイト全体の評価にもつながる。外部ではなく、ドメインの下層にブログを作るメリットは、ブログへの被リンクが直接サイト全体への評価にもつながるからです。

コンテンツ数を増やせず、そのため被リンクを獲得しづらい状態なのであれば、魅力的で話題性のあるブログを追加することで解決します。そしてブログに被リンクが付くと、ブログはもちろんのこと、上層にあるドメインそのものの評価まで高めることができるのです。

大量の被リンクを集めれば集めるほど、強力なSEO効果が期待できます。

被リンクの付いたブログから、関連する商品やサービスのページへ内部リンクを送ると、さらにSEO効果を高められるでしょう。直接的なコンバージョンに役立つケースもあるかもしれません。

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メインのコンテンツでは拾えないキーワードを狙う

ブログではメインのコンテンツでは、対応できないキーワードを狙います。たとえば旅行をメインとしたコンテンツを作っているとしましょう。サービスが旅行そのものだとすると、キーワードは「地域名+旅行」などがメインとなります。

そこに「旅行グッズ名」などのキーワードを加えてしまうと、少しごちゃごちゃして一貫性がなく、メインのコンテンツを使いづらくします。そのためブログで「旅行グッズ」に関する記事や、「旅行中のちょっとしたTIPS」「地域の特色」などのキーワードで記事を書くと、整理されて見やすい構造を保てるでしょう。

このように「旅行」に関連するキーワードを増やすことで、旅行に関する総合的な情報を発信しているサイトとして、Googleに評価されるようになります。こうしてたくさんのキーワードに対応すると、ブログが評価されるだけではなく、メインのコンテンツの評価も少しずつ高くなるのです。

ブログだから手軽にスモールキーワードに対応できる

メインのサイトであれば、記事同士の関連性などの設計まで細かく計算しながら作成しなければなりません。ですがブログなら、あまり設計は考えずに狙いたいスモールキーワードのためだけに、独立した記事を書けます。手軽に狙いたいキーワードのために、記事を書けるのはブログならではの強みですよね。

キーワードの網羅性はSEOに効果的

スモールキーワードまで細かく対応することで、サイト全体でキーワードを網羅できます。つまりユーザーのあらゆる悩みを網羅的に解消できるということ。Googleはサイト全体で、たくさんのキーワードに対応するコンテンツがある「網羅性」を高く評価する傾向があるため、SEOにとても効果的だといえます。

そのためメインのサイトで狙う大きめのキーワードから、ブログで対応するスモールキーワードまで、たくさんの記事を準備することは、内部的な評価を高めるためにも有効なのです。ただしキーワードの重複には注意してください。

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ブログでも魅力的なコンテンツを発信する

ブログは手軽に情報を発信できるメディアですが、メインサイトと同様に、ユーザーのためになる魅力的なコンテンツの発信が不可欠です。手軽に書けることと、あまり魅力的ではない手抜きなコンテンツであることは、まったく違います。

ブログでもしっかりとキーワードを狙って記事タイトルを考え、見出しの構成とストーリーを考え、検索意図に答えるための記事を発信しましょう。スモールキーワードであれば、検索意図にマッチしたコンテンツを作ると、ブログでも十分に上位表示は可能です。場合によっては、ニュースやその時にトレンドに乗った、関連する時事ネタのブログを書くのも評価を高めるコツ。

ただし関係のないトレンド記事などの量が多くなると、評価を落とす原因であることには注意してください。

オウンドメディアとは

ここ数年で、企業が自社で運営するウェブメディアが浸透してきました。

過去の自社ブログやメディアといえば、社長や社員の日記のようなコンテンツが中心でしたが、オウンドメディアの登場で流れが変わります。ユーザーが関心を寄せるテーマで、有益なコンテンツを提供する必要性が高まっているためです。Googleのアルゴリズムのアップデートにより、有益なコンテンツを提供できなければ上位表示されません。

そのために多くの企業が、オウンドメディアのツールとしてブログを活用するようになりました。通常のウェブサイトと違い、コンテンツの追加が容易なだけではなく、修正や追記・管理も非常にかんたんです。1つのページで伝えられず、細かなキーワードに対応できない場合でも、すぐに記事を書けて対応できます。

一般的なウェブサイトであれば、レイアウトからコンテンツのデザインまで、1ページ作るだけでもかなり大変な作業が必要。それに対してブログは、だれでも手軽に使えることが、オウンドメディアに選ばれる理由だといえます。

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質の低いブログ記事の量産は逆効果に

社長日記や社員日記のような、あまりキーワードと関係ないコンテンツが増えてしまうと、SEO的には逆効果になってしまうおそれがあります。もちろん日記だけではなく、情報に信頼性のない記事や、まったく違うジャンルのキーワードを狙っていると、一貫性を失うために順位を落とす原因ともなりかねません。

繰り返しにはなりますが、ブログとはいえど、しっかりとキーワードに対応させて、ユーザーの検索意図に答える質の高い記事を増やしましょう。