注目されるシェアード社員

大事な顧客Aさんは、自分でなければ担当できない。向こうも信頼して対応してくれているし‥。
人と接する職種の場合、こういう感情を持つのは当たり前。しかし、この方法だと仕事のやり方はAさんに振り回されることに。他の人へのアプローチまで手が回らないということになってしまいます。そもそも、自分が病気休職したら、Aさんはどうなってしまうのか。

そんな問題に対応する方法がシェアード社員という方法です。1つの仕事を1人で担当するのではなく数人で分けるというやり方。引用記事に出てくるユナイトアンドグロウ社は、企業の情報システムの支援サービスを行う会社。エンジニア、コンサルタントなど全員がタイムシェアをする。そして1人が複数の会社を担当するという仕組み。
チームプレーで顧客に対応するという方法です。

そもそもユナイトアンドグロウ社の須田騎一朗社長は、働き方改革の推進者。
「日本にもバケーションがあるとよい」という考え方の持ち主。

会社に長期休暇制度を導入すると、1人1担当では無理になります。また1人1担当の場合、相手に入れ込み過ぎ、過重労働に。その結果、病気になり担当者が不在ということになってしまいます。それなら最初からチームを組んで、顧客に対して柔軟な対応ができればよいのではということで「シェアード社員」が誕生したというわけです。

どうやって仕事をシェアするか

まず、仕事をシェアするには、仕事内容を細かく分け、単位を小さくしておくこと。ビッグチームを組むと、その中で細かい役割分担が必要になります。その結果、結局「代わりのきかないプレイヤー」になりがち。

仕事の単位が小さければ、誰でも担当しやすくなってきます。とはいえ、営業サービス業において、思い入れのある顧客を他人に任せるのは、ちょっと勇気がいりそうですね。そのため、ユナイトアンドグロウ社では、短時間でサービス提供した場合の単価が高くなる仕組みにしています。

例えば月100時間A社に時間をかけたときの時給を1とする。月50時間の場合は、時給1,2として計算するといった具合。この場合50時間でA社の対応をすると、60になります。B社に残り50時間を使えば120、時給は1社に100時間使うときより、はるかに高くなります。またB社への対応を月30時間、時給1,3にすれば、さらに余力が出てきます。

仕事を分け、効率よくこなす方が「給与」という結果になって、返ってくるということ。またこの方法には、多くの会社を同時に担当することで、他社に情報を回せるといった楽しみが出てくるよう。もちろん守秘義務は大事ですが、そこにかからない話題なら「A社さんは」というネタはB社にとっても楽しい情報。自社だけではなく、他社にも効率のよさがもたらす恩恵を提供できるというわけ。

押し付けと「過剰な真面目さ」が生むマイナス

シェアード社員システムで大事なのは「押し付け」ではないところ。
自分の結果につながり、またやりがいも増えるため、社員がそういう方法を、自分自身で選択するようになっている点です。

日本の会社の働き方改革は「ノー残業」など「休みを命令するもの」が多い。
これでは、休みは取れても会社の命令を聞くということに変わりはない。
「いやいや休む」ということになってしまう。
効率面でプラスがないばかりか、頭を休める意味がなくなってしまう可能性も大きいのです。
精神面での休みは「労働者が一区切り」と感じることで得られるのですから。

また、日本の労働者は仕事を抱え込むなど、生真面目すぎる面もあります。
責任感が強いのはよいのですが、結果、病気退職になっては自他ともに大損。
いい加減にして他人に任せる感覚を持つくらいで、ちょうどよいのです。

この考え方は顧客のサービス低下につながると思いそうですが、病院を考えてみましょう。担当医が決まっていると主治医でないと不安ですよね。
しかし、元々主治医が複数いるとしたらどうでしょう。情報共有さえしっかりしてくれれば、患者にとって何の問題もありません。むしろ色々なタイプの医師がいる安心感が得られる可能性もあります。医師の方も安心して、休みが取れますね。

マンツーマンにこだわる生真面目さが、日本社会の色々な損失を生んでいるのです。
「柔軟性」があまり評価されない国ですが、臨機応変という言葉もあります。
もっと労働者が自由に働ける国を、それが須田騎一朗氏の願いであり、多くの労働者の願いでもあるのでは。

折しもこんな流れに逆行するように「シャイニングマンデー」という月曜午前休暇説を、国が推進する動きがあるよう。今日本に大事なのは、ルールではなく労働者が自由に働ける環境づくり。「過重労働の回避」に力が入り過ぎ、本末転倒になろうとしているよう。

須田騎一朗氏は「バケーションであれば、国からの押し付けでもよい」とする考えの持ち主。というのは、長期休暇となれば、どういう働き方をしてもらうか?を各会社が考えなくては、仕事が回らなくなります。自然とシェアード社員に近い状態ができてくるから、ということ。
どうせ「押し付け」ならば「労働者の裁量が大きくなる押し付け」にしてもらいたいものです。

<div class=”box-info”>引用元:<a href=”https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180827-00173503-hbolz-soci” target=”blank” rel=”nofollow”>https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180827-00173503-hbolz-soci</a></div>