業務のデジタル化の第1歩 RPA

仕事をAIにとって代わられる。そんな時代に先駆けて行われているのがRPAの導入。
しかしRPAという単語がイマイチわからないということもあるかもしれません。
RPAとはロボットプロセスオートメーションの略。
簡単にいうと、今までデジタルといえばパソコン。しかし入力や命令は人がやらなくてはいけなかったが、パソコンに命令をする機器が登場したということ。
つまり「やっておいて」で結果を出してくれる機器、それがRPA。
ソフトとサーバー型の2つのタイプがあります。

2017年辺りから企業への導入が盛んになり、2019年現在、存在は当たり前に知られるシステムになっています。

総務省(引用記事)では、RPAが行う作業例として
・ID,パスワード自動入力
・社内の別システムのデータ交換
・ディスプレイ文字や色の判別
といった具体的な事例から
・業務、職種を改善して柔軟性を持たせるといった抽象的な作業までが記載されています。

具体事例は比較的わかりやすく、まさに今まで人がやっていた事例を、パソコンがやってくれるという方法ですね。
単純データ入力など「ここから機械がやってくれればいいものを。」と思われていたことが現実になったということ。

とはいえ、ここで止まっていては、デジタル化と呼ぶにはちょっと規模が寂しい。
パスワードを忘れてしまった。社外秘にするためのリスク管理が難しい、など、パスワード1つとっても、かなりアナログな問題はつきまとうものです。

そのため、現在の導入事情にはかなりばらつきがあるよう。
1番導入が進んでいる業界は銀行。総務省サイトにも大手銀行が20種類の作業をRPAに任せている。
その結果、年間8000時間の労働削減が可能になったという例が載っています。

銀行の場合、すでにネット銀行がありますね。
個人の口座管理でも、すでにリアル店舗が必要ない人も増え始めています。

またキャッシュレス元年と言われる2019年、ネット銀行のお金でクレジット決済という形にしてしまえば「日本銀行券」や「コイン」というリアルお金を見ない生活も充分可能。

それに連動している銀行というのは、1番RPAを導入しやすい世界とも言える。
ただし、この動きは大手銀行が主流。というのは大手銀行の取引先は法人や現役世代が多い。
つまり、デジタル対応しやすい取引先がメインなので、比較的デジタル化を進めやすい。

これに対して、地方銀行の場合、ATM入力方法を理解していない高齢者に振込用紙が来るということもある。
そして振り込め詐欺などもある。
デジタルの弱みとして、例外規定に対応しにくいという点があります。
そもそも銀行振り込みと犯罪抑止は直接関係のある話ではありません。しかし地方ではこの2つをセットにすると効果的なこともあります。

まさに「柔軟性」が今後のRPA導入の課題になってくるでしょう。

多様化社会に向けて

RPA自体もかなり変化を遂げています。RPAというのは3ステージに分類されており、1段階目は「情報入力、検品作業」。
いわゆる単純労働とその照合、確認といったことですね。

次が自然言語解析、非定型労働となっています。
「やれ」「やってください」といったいろいろな命令系統にもきちんと対応するということ。
スマホの音声認識機能を使っている人も多いと思いますが、認識機能が格段にアップしていますね。
その反面中途半端に認識されるため、現実の機能としてはむしろ使えないと言ったことも起きます。
現在のRPA導入はこの2段階の道半ばといったところでしょうか。
何かの現象を理解する、データ解析を行うといった段階がどんどん進んでいるよう。

最終ステージになると「意思決定」が入ってきます。
基本的にこのステージから「AI」と呼ぶことが多いよう。
厄介なのは、意思決定は多分に「第2ステージの理解」などの方法により左右されると思われるところ。

すでにネットの画面では、よく見たページに関連する広告が出ていますね。
これ自体システムの「意思」と呼べなくもないですが、その結果、似たようなものを多く買うという傾向が出てきたりします。

もっとも顕著なものは「フェイクニュース」。
これは第1、第2段階両方にかかる話ですが、仮に事実が1つであっても裏表どちらの観点で見るか?により、印象やそれによる行動はかなり変わってきます。

「一生のうち、3分の2の人ががんになる」という話を聞き、3人に1人は違うのならまあいいやと思う人、予防する人、心配でストレスの方が問題になりそうな人、1つの事実だけで色々な結果が予測できます。
余談ですが、2017年のがん死亡者数は33万人強。(国立がん研究センター、がん情報より)
地方都市1つ分という人数をどう解釈するのかは難しいところ。

さらに、がんの場合、ほとんど生活に影響がない場合、命に関わらないが治療が生活に大きな影響を与える場合など、十人十色と言っていい病気。
仮に事実が1つであっても色々な理解が可能。ということを前提しないと、RPAの第2,3段階はうまく機能しない、もしくは不幸な社会を生む結果にもなりかねません。
システムの汎用性を高めると同時に、それを利用する人たちは多様であるという認識を高めることも、欠かせないことなのです。