離職を招く些細な理由

働き方改革が4月からスタート、過重労働による離職は減ることが予想されますが、職場の空気が合わないなどの理由で、職場をすでに辞めていく人もいるのでは。

すでに現在の労働社会では、終身雇用制は崩壊。1つの会社に意地でもしがみつかなくてはという風潮は、なくなっています。
「この会社は自分に合わない」と思えば、すぐに社員が辞めてしまう傾向は強くなると言える。
もしその社員が、将来かなりの戦力となりえた場合、会社としての損失はかなりのもの。

そして、その社員が、ほかの会社で活躍すれば、企業間格差はどんどん開いていきます。
よい人材のいるところには、どんどんよい人材が集まる。
企業として収益が伸びる可能性も高く、給与も上がる。よりよい人材が集まりやすくなるという構図ができてしまうのです。

こういった風潮を考えると、どういった人材を取るかも大事ですが、入った人材にどう活躍してもらうか、は、今後の企業にとって、かなり大事な要素。
どれだけ、人を育てられるかは大きなカギになります。
とはいえ、中小企業の場合、人材育成に掛けられる費用は限られる。ではできることも限られてしまうのか?というと、決してそんなことはありません。

引用記事には、まず「新入社員の名前を覚えよう」と書かれています。
非常に些細なことですが、何かをするときに「君」や「そこの人」と呼ばれても、あまり責任を感じにくい。意気にも感じにくい。

しかし「山田くん」だとどうでしょう。
「もう名前を憶えられている」と感動することもあるでしょうし、緊張感も高くなる。
用事で呼びだされた場合、明らかに「指名」の意識が強くなります。
よくも悪くも自分は必要とされていると感じる。

また出社時のあいさつで、ただ「おはよう」と言われるか、「山田くんおはよう」と言われるかでも、かなり印象が違う。
個人名を呼ばれるということは「あなたの、居場所はここにあります。」と明言しているのと同義。
そのため、離職率を下げるだけでなく、やる気もあげることができます。

引用記事では、新入社員の名前を覚えるだけでなく、「名前を覚えられる先輩になる」とも書かれています。

確かに相談事があるとき、名前を呼べない相手では声をかけづらい。
しかし「松本さん」など、名前を呼べる相手は呼び止めやすいですね。
また声を掛けられた方も「自分が頼られている」という気になります。上司の居場所感覚も強くなるうえに、職場のコミュニケーションもよくなっていくのです。

つまり、年度始めを機に「上下などの関係性を超えて、名前と顔を覚えるようにする。」
この努力だけで離職率はかなり下げられ、職場環境もよくなるのです。

引用記事には、顔写真と名前、その多趣味などが記載されたものをバックヤードに貼っているお店の実例が載っています。

こういったものがあれば、自分もチームの一員という気になれますし、「顔や名前を覚えるのが不得手」といった人でも、ハンデを克服しやすい。
また貼り紙の前で話をすることで、コミュニケーションが増えていきますね。
名簿というのは、知らない同士の取っ掛かりを作るのには有効といえそうです。

フォローの日を設定する

次に、新入社員に対しては、具体的なフォローを提示することも大事です。
社員の相談相手と場所をきちんと決めておきましょう。
漠然と「相談に乗ります」では、いつ誰に話していいかわからず「大きなことではないから」と、結局何も相談されないことになりがち。
期日が決まっている場合は、何かしら話が出てくるもの。小さなことでも、早めに聞いておくことで、その後の大事を防げることもあります。

また相談日は、入社時に決めておくことも大事。
物事を続ける時には、前向きに続けるケースと「辞めないの連続」の結果というケースがありますが、案外後者が力になることも多い。

明確な第1チェックポイントを設けることで「そこまでは頑張ろう」という気になります。マラソンなどで「10キロ」という表示があるのも同じこと。

人は漠然と何かをするよりは、具体的なポイントに向かって行う方がやりやすいもの。
相談日を、早めに決めておくだけで「そこまでは離職しない」というモチベーションが1つできるわけです。

そしてこの相談相手は、普段の仕事に絡まない相手であることも大事。
仕事の当事者などだと、うっかり愚痴もこぼせません。
安心して話をしてもらうためにも、相談に乗る方、乗ってもらう方、どちらも関係のない人間を選ぶことが大事です。

相手の名前と顔を覚え、きちんと目をかけておく。
どんな時でも安心できる相談場所が確保されている、この2点に気を付けるだけで、離職率を下げることは可能。

もちろん、この方法は中小企業に限らず、すべての集団に有効な方法。
年度始めになると、まず名前を覚えてもらうことを意識しますが、それ以上に「他人の名前と顔を覚えておく」ことを意識すると、仕事をしやすい環境が自然とできていくかもしれません。
人間「してほしい」気持ちが優先されがち。だとしたら「する」ことを意識すれば、それだけでチームにとってはプラスの環境が生まれるのです。