パナソニックの苦境

もはや日本は「経済大国」とはいえない現状、それでも多くの優れた商品が店頭に並び、国内でものを買うときには、そういったイメージは湧きにくい。

その反面、スマホやパソコンなどのハードの大半は、外国製品という現状もあります。またソフトもGAFAと呼ばれる米国系がメイン。
現実には昭和の時代に比べ、日本企業の持つ力がかなりダウンしていることがわかります。

引用記事では、名門パナソニックの苦境が書かれており、それを見て行くと、日本の大企業がなぜ立ち行かなくなってきたかが見えてきます。

パナソニックは、元松下電器産業、日本の高度経済成長期を支えた名門企業でっす。創業者、松下幸之助は立志伝中の人物として知られている。
日本の製造業の代表格がパナソニックと言っても過言ではありません。

ただし、それは平成までの話。現在のパナソニックは津賀一宏社長の言葉を借りると「現在の危機感はもう200%、下手をすればあと10年も持たない。」とのこと。
この言葉に社員の間では動揺が広がっています。社長のこういった言葉は、社員に対して檄を飛ばす意味もあると思われる。とはいえ、パナソニックがかなりの危機的状況に置かれていることも間違いないよう。
今のパナソニックに何が起きているのでしょうか。

海外市場から取り残される

優れた高機能を売りにしてきた日本製品、しかし今海外でパナソニックの製品がどのように買われているのか。
テレビと生活用品が同じかごに入れられ、購入されているという状況なのです。

その理由は「安くて便利だから。」
つまり、メーカー側は「一級品」として売り出しているのですが、買う側はそうは思っていない。
日本では、パナソニックブランドは一級品として買われる可能性はあるものの、海外はすでにそうではない。
今の時代、パナソニックの作る商品は、あっという間に似たようなものがすぐ店頭に並ぶ状況。つまり一般生活雑貨などと同格に扱われてしまうというわけ。
高いコストをかけ開発する意味がすでになくなっているといえる。

日本の家電量販店に行けば、似たような現象が起きつつあることがわかります。
高級で性能が特化しているものを考えてみましょう。
例えばダイソンの掃除機や扇風機。あまり類似する商品がありません。

またはアイリスオーヤマなどの、安価でシンプル機能の商品も人気筋。
日本人でもこういった商品を魅力的に思い、購入する人が増えている。
パナソニック商品が、家から消え始めている人も多くいることでしょう。

つまり海外を筆頭に、すでに消費者のニーズに合わなくなってきているということ。
ならばということで、現在パナソニックは電気自動車などの分野に参入し始めていますが、すでに電気自動車メーカーは出来上がりつつある市場。

また海外市場との勝負ができていない、国内でも負けつつあることは、当のパナソニックが1番わかっていること。
そのため、不採算事業のカットが早くなっているのですが、現場の社員からしてみると、ハイペースで業務が変わっていくことになる。
「うちの会社は何をしたいのかわからない。」ということで、混乱が起きる。
確かなことは、今のままでは会社がダメになってしまうということだけなのです。

ハードからソフトへ

そのため、現在パナソニックでは、ハードではなくソフト面への事業内容移行も考えられているよう。
もはや時代はIoT。AIスピーカーで、家電などに指示を出すのが当たり前の生活になってきている。

そもそも現在ハードはすでに飽和状態。その上3Dプリンターなどで簡単にモノが作れる時代。
メーカーが作らなくても、個人が好きな製品を作る時代が来るかもしれない。
ハード事業からの脱却は自然な流れです。

とはいえ、パナソニックの現場を考えてみましょう。
白物家電など各分野での商品開発者がいる。そういった分野を融合するだけでも、大会社においてはかなり大変なこと。

ましてや、ハードの技術開発を行ってきた社員に対して、ソフト開発を強いるのは簡単なことではない。
会社の規模が大きいからこそ、変化は容易ではないのです。

大組織として、うまく適応してきた時代があるからこそ、現在その部分が仇になっているともいえる。
そういった会社変革のために、外部の人材を登用する動きも出始めている。
しかし、そのために現場のたたき上げの出世が困難になっている。
会社への帰属意識も薄れつつあります。

つまり現在のパナソニックは、会社の方針がわからず、社員は右往左往。
幹部社員はやっても報われない状況と、ありとあらゆる複合的な問題を抱えた状態なのです。

これは大会社と呼ばれるすべての会社に同じことが言えるかもしれません。
ただし、海外で現在どの程度勝負ができているのかは大きなポイント。
国内評価=海外でも高く評価されるという考え方が、パナソニックのつまずきの第1歩。

しかし、現在活性化している市場の後追いをすると、結局高いコストが無駄になる。世界のどこの人でも喜ぶサービスの提供を、早めに提供していくことが、今の時代に必要なことと言えそうです。