異例の週休4日が可能に

多様な働き方が進む昨今、SMBC日興証券では、ついに、介護離職防止のため、来春から、週休4日も認めるというニュースが発表されました。
また証券会社としては、異例の副業解禁も行うとのこと。

まず、週休4日は40代以上、理由は介護と限定するようですが、副業解禁と合わせて、大手企業では異例の方針といえるでしょう。
また育児の場合は、週休3日も可能。大手企業の長期休暇や副業は当たり前になるのか。

今回のSMBC日興証券の方針は、よりよい人材を確保しておくため。
モノづくりや小売りなどではなく、サービスそれ自体を売るのが証券会社。
誰にでも務まるというものではなく、技術職的な側面も出てきます。
そのため、海外との競争力を高めておくためにも、優秀な人材を引き留めておくという必要がある。

SMBC日興証券では、すでに早帰りの日を設ける、女性管理職の登用、障がい者雇用の促進といった、働き方改革の目玉とも言える方針をすでに取っており、さらにこういった多様な人材を活かす環境づくりが進んで行くと言えそうです。

逆に言えば、多様な人材の中から「使える人材」だけが生き残る。
ただ働くだけでなく、結果を残せる人材が登用される時代が、本格的に来たとも言えそう。

どうなる格差社会

病気や老いといったことは、その人の資質に関係なく訪れます。
家族の介護など、環境の変化についても同じことがいえる。
今までは、そういったアクシデントとも言える事柄に遭遇してしまった場合、「仕事に生きる」「高い賃金を得る」など、世にいう勝ち組路線からは降りざるを得ませんでした。

しかし、こういったアクシデントがあっても、能力のある人材は生き残ることができる。
そうなれば、能力さえしっかり身に付けておけば、いつまでも第一線で働くことが可能な時代が来たとも言えます。
逆にいうと、今後少子高齢化が進み、企業労働者が減っていく中、よい待遇を受けて働こうと思えば、能力が最重要視される。
つまり、教育が非常に大きな意味を持つことになります。

教育を受けた人材は、家族に要介護者が出ても、休暇をもらうことができる。
賃金も入るため、家族に一定以上の介護を受けてもらうことができる。
また「お金や休みがない」ということもないため、精神的な余裕ができる。
副業という選択肢もある。

そうではない人の場合、逆になってしまうということも考えられる。
もちろん人生100年時代ですから、労働者人生の後半を証券会社勤務にするといったチャレンジができる時代が来るかもしれません。

しかし、チャレンジするには、チャレンジする機会があることを、まず知らなくてはいけない。
教育のもたらす情報格差が大きくなってしまうことも懸念されるのです。

ゆえに今回のSMBC日興証券の働き方には、労働者への貢献だけではなく、社会貢献という側面も求めたいもの。

大企業の仕事とは

証券会社の仕事は主に株の売買、つまり他企業のあり方に左右される業種です。
多様化する社会に対して、情報などを提供していく、また今回のように「週休4日」を率先することで、働き方改革を進めていくといったことも重要になってきます。

中小企業と大企業の差の1つは、社会に与える影響力。
中小企業の場合、地元密着を進める方針に、業績アップ効果がある場合が多い。
ゆえに、その企業を身近に感じてもらうような仕組みを持つ企業も多く存在します。

それに対して、大企業の場合は、こういったニュースに取り上げてもらい社会的な評価を受けることで、社会に貢献しなくてはいけない。
それと同時に、もちろん海外企業に対して競争力を付け、業績をアップさせる。
その上で得た利益を社会に還元していくことが重要になる。

多様化する人材を国内だけでなく、海外競争力に回さなくてはいけません。
利益という結果を出し、社会還元につなげる。それが資本主義における大企業のあり方です。

社会還元とは

社会還元とは必ずしも利益だけとは限らない。
休暇が増えるということは、それだけプライベートな時間が増える。
いろいろな人材と交流するチャンスが増える。今までは縁がなかったような属性の人たちとの出会いもある。

そういった人たちが抱える問題を解決する。
そういった方法を考える、それを仕事に活かしていく。これもまた大企業という組織だからこそできることです。

格差社会で問題になることの1つに「弱者切り捨て」があります。
しかし、この方法では結局「弱者」と呼ばれる人たちの能力が活かせないままになる。
そういった人たちが、社会に参加し、消費者や労働者となる機会を失うことによる損失は少なくありません。
政治とは別の形で、こういった人たちを救い上げるのも、大企業の役目。

今回のSMBC日興証券による「週休4日」制度は、介護離職防止目的。
その先にいるのは、要介護者と呼ばれる人たちです。
まず、彼らをどう活かすのか、そのレベルに達することで、今回の方針はより深い意味を持つものになっていくでしょう。