女性がやりたいのは「やりがいのある仕事」

最近の働き方改革で目立つものが「時短」。
子育てや介護をしている主婦や高齢者など、時間が短ければ働きたいというニーズは多いもの。
そんな希望に応える職場も増えてきています。

その反面、時短ワーク=単純労働や責任の少ない仕事など、やりがいの少ない仕事になってしまう面も否めません。
出産前は正社員として重責を担っていたのに、復職した途端、バイトのようになってしまう女性も見受けられます。

しかし保育所のお迎え時間がある、また緊急の呼び出しがあるかも知れないという状況では、どうしてもできる仕事の中身も限られてしまいますね。
では、時短ワークをする場合は、ある程度、仕事の内容については妥協しなくてはいけないのか?
そうではないという事例が、引用記事には載っています。

引用記事に登場するのは、SAPコンサルティング業務を専門にするライフ&ワークスという会社。
SAPとはマイクロソフトのようなソフトウェア提供会社。主力商品は大規模法人に向けて販売されているパッケージソフトです。
そのため、各会社でこのソフトを有効活用できるよう、設定しなくてはいけない。
もちろん危機管理なども大事な仕事。
そういった業務を任されるのがSAPコンサルタント。高度なスキルを持つ専門職です。

この業界は、完全な人手不足。人材には女性も多いのですが、育児などで1度は仕事をリタイア。しかし専門職ゆえにハードルが高く復職しづらいというミスマッチが起きていました。
同社は、時短という方法でそれを解消しているのです。現在働くコンサルタント5名全員が女性とのこと。週5日6時間勤務など、本人の要望に従ったシフトを可能な限り組んでいるようです。

なぜ、こういったことが可能なのか。それはSAPコンサルタントという仕事の質が1つのカギに。

「業務内容」をタスク化

SAPコンサルティングの業務は、ある程度仕事をタスク化することが可能。
つまり業務の見える化をしやすい仕事。そしてライフ&ワークスの親会社オデッセイは、元々そういったタスク管理に長けた会社である。
つまり、1つの仕事を請け負うとき、どの程度、時間や負担がかかる仕事なのか、またどういった工程を踏むのかが、比較的わかりやすいという点があります。

そのため、1つの仕事があった場合、分割業務がしやすいのですね。
とはいえSAPコンサルタントはかなり重責を負う業務。
当初、時短でできるとは思えないまま「やってみた」面もあるよう。
実際に、行ってみると、時間などの制約ができる分、効率アップするというメリットがあったようです。

時短業務をやる上で大事なのは、工程表の提出。
この段階で長時間業務になるようだったら、その案件は取りやめ。別の案件を担当してもらうというように、時間の希望に沿う管理を管理職がきちんと行っているのがポイント。

このため、人手不足が加速しているSAP業界も、時短という方法をうまく使い、人手を賄えるというわけです。

ミスマッチ解消をいかに進めるか

元々SAPコンサルタントをやっていた女性は、当然この技術を活かした仕事に就きたいと思っている。
しかし、結婚前のように、自分の好きなように時間は使えない。
SAPコンサルティングのハードさを知っているだけに、よけいに諦めてしまいがち。

ハードワークな専門職なので人が来ない。また1度リタイアした人がハードルの高さに復職を諦める。
元々人がいない上に、人材が死んでしまいがちなのがSAP業界。
ライフ&ワークスはできるだけ、この損失を減らそうとしているのです。
人手不足業界というのは、得てしてハードワークが多い。
また、まとまった時間を使用するものも多い。しかしこのように時短化という発想を取り入れてくれる企業があれば、かなり解消できる可能性が高くなります。

保育士や看護師など、同じようなミスマッチがおきがち。
ソフトウェアの世界のようなタスク化ができるかどうかは、こういった「時短化」の発想を取り入れられるかどうかにかかっているのかもしれません。
ライフ&ワークスの場合、業務を見える化して、仕事量と時間を管理できる体制がポイント。他の職種に関しても同じことが言えます。

ところで、この会社でもてこずっているのが「シニア層」のマッチング。
時短で働く人材を募集しているのですから、当然高齢者や男性もいます。
しかし、この層はかなりマッチングが難しいのだそう。

それというのは、シニア男性の場合、管理職についていたなど、専門スキル以外の要素にやりがいを持っている人が多い。
純粋にスキルだけで業務を振り分けようとすると、問題が生じるようですね。
「多様な人材」確保の難しさは、こういった「希望の多様化」にありそう。

これから進む高齢化社会、こういった時短雇用の恩恵に預かることがどんどん増えていくでしょう。そういった時に必要とされる人材は「まずスキルありき」が有利であるよう。
働き方が多様化するとともに「時短に向く人材」など一定の傾向がこれから出てくることが予想されます。
そういった傾向に合う人材になっておくことが、今後の高齢化社会を生き抜く秘訣とも言えそうです。