女性と高齢者に対する貧困なイメージ

働き方改革で大切なことは、企業収益を上げること。
企業の収益が少ないと、過重労働やリストラなど労働者にとってのマイナス減少を引き起こします。

ということは、まず企業収益を上げることが、労働者の働く環境を守る大前提。
収益を上げる方法の1つに「高齢者ビジネス」が考えられます。
一説によると、個人金融資産の半分以上は、60歳以上が所持しているとか。
現在の国民金融資産は1500兆円程度。そしてその半数近くが預金。
諸外国と比較して、投資が少ないなどの傾向はありますが、単純に考えて高齢者の預金が多く、お金が動いていない可能性も大。

この原因は、医療、介護などの保証が少なく、こういったことへの対策にお金を溜めてしまうことが最大の原因。
しかし、高齢者にお金の使い道がないのも1つの原因。
下の世代にお金が行きやすくなる税制改革も行われていますが、「高齢者がお金を使う」市場を広げた方がいいのではないか。

今後、高齢化社会は進む一方。教育資金を渡す相手もいなくなります。
むしろ自分で稼いで、自分で使う高齢者が増えると予想される。
しかし、現在、高齢者向けのサービスが充実しているのかというと、そうともいえない。
少なくとも消費者としてメインターゲットにはなっていない。

圧倒的に増えていく、高齢者や中年向けの市場がなぜ広がっていかないのか、というと、企業側の思い込みに原因があるようです。

引用記事によると、企業で商品開発に携わるのは中年男性。もしくはやや下の、3,40代男性。
彼らがイメージするのは、中年女性=自分の奥さん、普段着で家事をしている姿となるそう。
そして高齢者は、いわゆる「おじいちゃん、おばあちゃん」。
どちらも、消費者としては終わった世代と認識される。
一言でいうと「攻めのおしゃれはしないイメージ」なのです。

そのため、おしゃれな商品は、若者向けに開発される。
自分より下の世代に「キラキラ輝くものを提供する」というイメージから抜け出していないのです。

しかし、この年齢層はどんどん人口が減っていく。自分たちより目上の層に商品を提供するという発想にしなければ、モノやコトが売れなくなるのは目に見えています。

高齢者はカフェに行かないのか

古くから高齢者向けのオシャレな商品を売り出している業界もあります。
まず1つ目が旅行業界。元々定年退職者を対象に「退職後には豪華列車やクルーズを」というイメージを作ってきた業界。

次に出版、これも「定年退職後に楽しむ趣味」本などを多く扱ってきた伝統があります。
つまり、リタイア世代をターゲットにした「キラキラ消費」の世界はすでにある。

そして最近、こういった傾向に加え、変化してきたのが「老いと付き合う」商品。紙パンツなどの介護用品もその1つ。
ひと昔前まで、紙パンツ=寝たきりというイメージがありました。
しかし、トイレ関係のトラブルは、ある程度の年齢になれば誰にでも起きてくる。
だからといって、ひきこもっていては、人生の後半全てが台無しに。

そもそも、今後の中高年は体にトラブルがあっても、働かなくてはいけない状況もある。
そのため、こういった商品を日常で使うことが当たり前になってきています。

また昨年の流行語にもなった「グレーヘア」。白髪を染めず、おしゃれに活かすという考え方。
こういった「中高年の特徴」を活かす商品開発や発想は少しずつ出始めてきているのです。

さらに盛り上がりをみせるのが、健康市場。引用記事では、中年女性の間ではやっているフィットネスクラブが登場。
健康維持もありますが、美容に一役買ってもいるよう。

美容と健康は切り離して考えられるものではない。どちらも向上すれば、意識が外向きになります。すると消費行動をしようという気になる。
服を買い、ランチに行こうという気分にもなる。「わくわく」感が高くなっていき、それが消費行動につながる。

しかし、シニアが納得するオシャレな服やお店がない。若者ばかりで入りづらいこともあるかもしれません。
こうして、高齢者層の消費動機となる「わくわくした嬉しさ」がそがれてしまうのです。

「老い」は素敵なことである

またグレーヘアや紙パンツなど、ネガティブなイメージを変化させることも、今後の市場では大事なこと。
いくら、高齢者が元気になってきたからといって、いきなり健康状態が改善されるわけではない。むしろ長寿者が増える分、色々なタイプの人が増えてくると予想される。

健康を維持すると同時に、高いレベルの健康状態を求めない発想も大事になってきます。

実は現在「シニア向け市場」が広がらない原因に、「オシャレではない」という企業イメージを恐れるといったことがあります。
しかし、いわゆる「元気はつらつ、キラキラした姿」がオシャレとも言えない。
先日亡くなった樹木希林さんの等身大の生き方は、大きな反響を呼びました。

増えていく高齢者層、この世代に希望があるかないかで、国や地方の活気は違ってくる。
「消費者としての高齢者」を考えていくことで、労働市場の希望も広がっていくのではないでしょうか。