教育現場に見る働き方改革

「忙しい職業」の1つとして挙げられるのが教員。部活動の指導や保護者との対応で、心身を病む教員の増加などが問題になっていますね。

1番「働き方改革」を行わなくてはいけない職業ともいえます。引用記事では、そんな教員の負担を軽くする取り組みを行う横浜市の小学校が紹介されています。
まず改革の1つが「仕事の強制終了」。「大人のチャイム」と題して、夕方に2回、パソコンから「エンディングテーマ」が流れてくるのです。お店の閉店時に「蛍の光」を流すところがありますが、それと同じような理屈ですね。

「おしまいです。」と促すことで、終業時刻までに仕事を終わらす意識を高める狙い。教員に限らず、何かの作業というのは「このテスト採点が終わったら。」など、業務区切りにしがち。精神的にいい方法にも思えますが「もう少しだけやっておくか。」と思い始めると、労働が長引くというデメリットがあります。この積み重ねが「休み不足」や睡眠負債につながってしまうのですね。

パソコンに音楽を組み込むだけで、初期費用いらずなのもメリット。教員以外の人でも、応用が効きそうな方法です。次にペーパーレス化。これには2つのパターンがあり、1つは教職員会議のペーパーレス、2つ目は保護者への連絡類のペーパーレス化です。口頭連絡というのは、時間を取る上に、項目を明記しないと「聞いたようで忘れている」という事態も発生します。引用記事に登場する職場は小学校。連絡帳や忘れ物が多発しそうなうえ、それをきちんと説明できないのが子供です。

もちろん、そういったことを先生に連絡すること自体が勉強でもありますが、修学旅行の納付金など、確実に行わなくてはいけないこともあります。ICTを導入することで、そういった負担を最低限に抑えることができるのです。その他、プール清掃の外部委託などもあります。これらの業務はどれも教員の仕事と直接関係がないものばかり。教員の仕事は、まず子供たちの指導、そのために保護者や同じ職員、地域などと連携を図ると言ったことが大切。入金確認に追われ、子供の話を聞く時間がないなんてことでは本末転倒。

やるべき仕事をやる

この記事の小学校では、小学校ではあまり例のない「教科担任制」を導入。そして1つの教科内に「はってん」から「じっくり」まで3段階のコースを導入。こうすることで、ある科目が得意な子供はさらに実力を伸ばせる。苦手な子も置いてきぼりになることがないというわけ。そして、この教科担任制は、授業の準備などの負担が軽くなることが判明したそうなのです。

元々は「子供の指導」を意図したものと思われますが、やってみたら「働き方改革」になっていたということ。しかし、これはただの偶然とも思えません。先生の指導がしやすいということは、教わる子供も教わりやすいということが考えられる。担任の先生がすべての責任を被っている場合、クラス内でうまくいっていれば問題はないが、そうでない場合子供の居場所がなくなることも考えられます。

教科担任制の場合、1人の生徒に色々な先生が関わることになります。クラスは苦手だが、算数だけは楽しいということも起きうる。また教える方も責任が分散しているうえに、各責任の所在もはっきりしています。各教科の指導はその先生、クラス統括は担任の先生という具合ですね。1人の先生が、アレコレ抱え込むことなく子供について多くの情報が入ってきます。その結果、この学校に勤務する教員のストレス指数は、かなり低めの値が出ているよう。先生というのは専門職。「小学校の先生になりたい。」という人は、子供の笑顔が見たいなど、かなり具体的な夢を抱いて職業選択をしているケースが多いと思われる。

その結果、プール掃除で肉体疲労、業務連絡がうまくいかないと職場内で叱責。仕事の達成感が得られないまま、心身の調子を崩すというケースも珍しくはないのです。引用記事の学校のモットーは「みんな笑顔の暖かい学校」。子供たちだけでなく、教職員、保護者すべてが笑顔でいる学校ということ。そのために必要なことを実施しているのですね。

大人が笑顔でいる学校では、子供は笑うことを学べます。「小学校の先生になりたい。」と思う子供も増えるでしょう。将来に希望を持ちながら生きることができます。こういった状況で、叱られる、苦労するなどの体験をする。受け皿がしっかりしているので、また起きてやり直すという発想が出てくる。困っている子供を助ける子供も出てくるでしょう。

大人同士が足を引っ張る姿しか見せていない学校では「協力して結果を出すこと」は学べません。逆に「協力」を学んだ子供たちが大きくなったら、人に対して寛容な国ができます。子供は大人の姿を見て学ぶといいます。直接子供たちに関わる教職員が笑顔でいられる職場つくりはもちろんのこと、すべての大人がそういった環境でいられるようにすることが、子供の成長には欠かせないのです。