根性論は自動的に消え去る

「とにかくやれ、早くやれ」。いつでもどこでもこのように具体性のない指示を出す上司はいるものです。
またメンタルヘルスという言葉が当たり前のように使われる現在でも、「寝ずにやればできる。」という根性論に基づく説教もあります。

「死ぬほど努力をしろ」という気持ちはわからなくもない。
何かをやる上で大事なのは、まずやる気。
しかし、どういった理由でやる気が出ていないのか?それがわからないと、叱責は逆効果にもなります。

うつ病などの人に、こういった言葉を掛けると「やれない自分」を責め、最悪の結果を招くことも。
こういった状況ではまず休むことが、その人の最善策。「休むことも努力」なのですね。

しかし限られた人数で結果を出そうとすると、とりあえず多く動く人間、発言の多い人間が重宝されるのも、また事実。量をこなせない人間は叱責されることも多いですね。
こういった風潮がもたらす弊害は、スポーツ界を筆頭に連日のようにニュースになっています。

ですがこの風潮、放っておいても自動的に消えていく可能性も大きい。
それは予想をはるかに超えるスピードでRPAが導入されているからです。

RPAは、AIに近い存在、単純作業や言われた作業をこなし、確実に結果を出してくれます。
暴力や過剰な叱責は必要ない。その代わり「的確な指示力」が大事になってくるからです。

AI社会でなくなる仕事特集などをたまに見かけますが、特定の仕事がなくなるというより「指示する能力」がない人間が取って変わられるといえそう。
引用記事では、今後の働き方の心構えとして「10人の部下を使う気持ち」と表現しています。
RPAやAIと人間の決定的な違いは、人間がコンピュータを使う側、デジタルツールは使われる側であるということ。
「使われる存在」として周囲と競争していては、確実にデジタルに負けてしまう。
労働力として不要になるか、デジタル以下の評価をされて雇用されるか、のどちらかになってしまうのです。

その評価をする人間が誰かにもよりますが、RPAなど指示すればその通りに動いてくれるツールが一般的になった場合、より質の高い結果を早く出せる人間が重宝されることになるでしょう。

そういう人間はどんな人物か?というと、「RPAに的確に動く指示を出せる人間」です。
根性論の場合、質を変えず「量をこなせ」というケースも多い。
しかし誰がどういう熱量で命令したところで、RPAの場合出る結果は同じ。
ではどこで差をつけるか?というと「指示内容」しかありません。

野球に例えてみましょう。速い球を投げるなど、自分自身の能力をアップするような指示ばかりを組んだとします。
これでは負ける可能性が高い。相手チームのデータが全く入っていないため。

相手チームがどのようなチームかわかっていれば、やみくもに戦略アップをしなくても、相手チームの弱点を突くようなチーム編成を組めばよい。
また試合を通じて、自分のチームの特性や相手チームを把握するシステムを組むなどオプション効果も付けておく。

特定の相手と試合をすることだけを考えても、勝ち方や学べることはかなり多くの幅があります。
まず目先の結果を出すと同時に、今後の見通しを立てておく。
それを具体的にどういった行動に移すか考える、その能力の違いが出てくるということ。
また、デジタルツールの場合、故障や思わぬ計算ミスが生じる可能性もあります。
リスク管理も大事。

行きっぱなしの命令をして、人に責任を負わせるリーダーは結果が出せない。そうして自動的に消滅すると考えられます。

「志を持つこと」

逆にいうと、どんな人間でも何かの指示を出す能力が必要になるのが、今後の社会。
RPAを誰でも使いこなして働けるようになるため、上下関係は少なくなってくる。
その代わり「リーダー」は確実に必要になります。大所高所から状況を見渡し、必要だと思われることをまとめ、指示を出せる人間がいなくてはいけません。
高い位置から世界を見渡し、指針を決めること。それを「志」とも言います。

こんな考え方ややり方には賛同できないと思えば、人が離れてしまうのが、今後のRPA普及社会。
実際の現場は、非常に流動性が高くなってきます。昨日までのやり方では通用しないと思えば、翌日にはすぐ方法を変える柔軟性が大事になります。

こういった状況に臨機応変に対応するリーダーも、もちろん必要。
しかしただ目先の対応だけに追われていては、会社の軸がどんどんぶれてしまい、チームプレーが崩壊します。
どういう根拠に基づいてやり方をシフトしていくのか?というと、最終的には「会社の志」ということになります。

現実には、手法の変更の段階で、議論が起こりがちな現在の日本。
こんな段階で手柄争いをしていては、RPAがどんどん普及する世界の市場から取り残されていくだけ。
時に自分の考えが青臭いと感じたとしても、そういった信念、理念をしっかり持ちながら働くことが、今後の労働人生を左右する可能性は大きいのです。

Be ambitious。
RPAやデジタル化が何のために必要なのかというと、自分が幸福に過ごせる社会を作るため。そのために周囲が幸福であることは欠かせない条件なのです。