多くの企業で実施されているマンツーマン指導

働き方改革や、労働市場の変化に伴い、社員の人材育成やフォローの必要性も高まっています。
終身雇用制が機能しているときは、さほどフォローがなくても、社員の評価ができていた。
「呑みニケーション」という言葉があった時代でもあり、会社というチーム意識も強い時代、意図して話そうとしなくても「あうんの呼吸」が通じることも多かった。

しかし現在では、社員は1人1人が独立した労働者。
それぞれが会社というチームに貢献するため、同じ会社に集まり、働いているという認識でなくてはいけない。
会社への貢献も人それぞれということで、終業後の「呑み」には付き合わない若手も増え始めています。
こういった風潮を嘆く昭和世代もいますね。

とはいえ、終身雇用制が崩壊し、社員も多様化する現在、時間と場所の制約がある「呑みニケーション」という方法は、やはり限界があります。
かといって、日常的なコミュニケーションを欠かすことはできない。
むしろ日頃のコミュニケーションの重要性は、今までより増しているといってもよい。

昭和時代のように、人材が固定されない今の時代、人がどんどん入れ替わることが当たり前になります。
また業務内容も流動的になってくる。いつも同じチームを組み、同じことに対処していればいいわけではない。

また従来のチームから、新しいアイディアが出てくることもあります。
そのアイディアを実行するためには、他のチーム事情を知っておかなくてはいけない。
会社に貢献するためには、周囲の人間との交流を積極的に図っていかなくてはいけない状況になっているのです。

そして、こういった状況では、社員が孤立しやすくなる。
1人の労働者として権利を持ち、働くということは、従来までの働き方に比べ、やや孤独にもなる。
いわゆる「お揃い状態」ではなく、隣の社員が参考になるわけでもないからです。
悩みを解決する場合は、意図的にそういう相手を確保しなくてはいけない。

こういった労働市場の変化を踏まえ、現在、実に7割もの企業で、短期スパンの「マンツーマンミーティング」が行われているようなのです。
ミーティングの内容は、企業や部署により、いろいろな内容があるよう。
業務内容の進捗確認といった業務連絡に近いものから、悩みごとといったことが主な内容。
チームを維持する効果を上げています。しかし、それと同時に、やや不満の声も聞かれるようです。

ミーティングの存在だけで満足する上司

まずミーティングを評価する社員の声。
「上司が忙しく、つかまらないことも多いので、確実に話せる機会があるのはありがたい。」
チャットツールなどがあっても、対面で報告して相談を仰ぎたい案件はあるもの。ミーティングは報連相対策としても、大きな効果があるよう。

そして「休暇の過ごし方などや、家の物件探しなどの話もするため、距離が近くなった気がする。」
という声もあります。休暇申請はただの業務連絡で済ませることもできますが、実際に何のために、どんな休暇を取っているかを把握されていることは、安心感にもつながりますね。

ただし、こういったプライベートな分野の話を「よいこと」と感じるか、不快と感じるかは、上司との関係性によるといえそう。
またミーティング後に、同僚と話をしてみると、プライベートに対する関心の持たれ方に差があることに気づき、上司に不満を持つというケースもあります。

また、仕事も順調、これと言って話すこともなく「ミーティングを行った」という既成事実づくりになっているだけというケースもある。

では「既成事実程度」のミーティングには意味がないのかというと、そうではない。上司のとらえ方により、大きく意味は変わってきます。
部下が感じているように、「ミーティングをした」という事実だけで、チームを把握できるわけではない。
しかし、まったく対面で話をせずに、チームを把握できるわけもない。
ミーティングは十分条件ではないが、必須条件といえるのです。

部下にしてみれば「順調で問題がない」と感じることでも、上司にしてみれば、それを把握することが大事になります。
また順調だから、「別のプロジェクトも任せてみよう。」「やや調子に乗っているように見える」など、今後の対策を考えることもできる。
上司は「現状を知る」という意識を持っておくことが大事ですね。

またミーティングの内容を同僚同士で話すケースも見られますが、ミーティングがあることで、チーム内コミュニケーションが増えているともいえる。

個々の立場から見れば、不満はあるようですが、チームを作り機能させるという面からみれば、やはりミーティングは重要。
しかし生理的に苦手な相手や、同じチームにいるからこそ話が出来ないというケースもある。

そういったことに備え、まったく利害関係のない相手と話が出来る環境づくりも、今後必要になると考えられる。
チームを外から見る存在も、チームの透明性を高め、機能させるのに重要な存在といえます。