働き方改革関連法案施行から、来年4月で1年。
それと同時に、中小企業でも、長時間労働に対して罰則が適用されるようになります。

大企業の場合、会社の体力が安定していることも多く、これを機に労働形態を見直す余裕があるケースが多い。
しかし、中小企業の場合、目先の利益確保などに手一杯でとても社内改革などを行っている暇はないという声も聞かれます。

では、中小企業に働き方改革はできないのか。
むしろ逆と考えることもできます。そのお手本がエヌビーエス株式会社。
福岡を拠点にエンジニアリング事業を展開している中小企業ですが、子育て支援から研修制度まで、多様な人材を確保、育成するシステムが整っているのです。

中小企業にこそ必要な働き方改革

エヌビーエスが、社内改革を行うきっかけになったのは「社員全員に戦力になってもらう」ため。
中小企業の場合、労働者の人数が少ない。ということは、1人1人の働く姿勢や能力が大きくモノを言う。
労働者1人の存在意義が大きくなる、そのため、むしろ働きやすい会社を作り、社員全員に企業貢献をしてもらわなくては、会社の存続に関わることにもなります。

中小企業ほど、やる気のない社員や、会社に貢献しない社員を雇う余裕はないということ。
だからといって、無条件にハードワークを課すと、結局人員の使い捨てにしかなりません。
目先の利益は確保できるかもしれませんが、エヌビーエスのように、技術がウリの企業の場合、技術を身につけた社員が育たなくなる。
会社の質が劣化する。立て直そうにも、技術を身に付けた社員がいなければ継承することもできない。
結果、他社との競合に負けてしまい、廃業となってしまいます。

会社をブラック化して目先の利益を負うよりは、愛社精神がはぐくまれる会社を作り、チーム一丸で結果を出せる会社を作る。
そういった考え方で、会社を育てていこうとしているのがエヌビーエスなのです。

競争力が必要な中小企業

エヌビーエスはエンジニアリング事業を行う企業、当然社員の多くは技術職です。
中小企業であるからこそ、海外の人材を確保する必要がある。また海外の技術を社員に学んでもらう必要がある。

中小企業だからといって、内向きに仕事をしていればいいわけではありません。
むしろ海外からの人材を積極的に確保する必要がある。
また地方の場合、高齢化が進んでいることも多く、高齢者を活用する必要性も、大都市より高いのです。

またこういった技術職を支えるのが、パートの女性社員。
介護や育児に手一杯というケースも多い。ただきついだけの職場では、優秀な人材は他の会社に流れていくことになります。

中小企業は大企業を小型化したものという単純な見方はできませんが、大企業に必要とされる多様化や、それに必要な長時間労働の是正をより早く行わなくてはいけない。それが中小企業なのです。

研修制度がもたらす多様性

では具体的にエヌビーエスでは、どういった方法を用いているのでしょう。
まず、エヌビーエスの技術職には研修制度があり、実際に海外の現場を見てもらうようになっています。
しかも会社がおぜん立てをした留学制度ではなく、ワーキングホリデー方式。

つまり休暇中に海外に行き、自分で学校を見つけて語学を学び、就業を行うというやり方です。観光と居住の中間に位置するため、学問や就業が可能なかわりに「やらなくてはいけない」わけでもない。

とはいえ、会社としては当然、英語がつかえるのはもちろんのこと、海外で経験を積んできた社員としての期待を掛けますね。

社員の方も、会社の研修で行っているわけですから、それ相応のことを学んでこなければとなります。

社員の自信もつくうえ、海外生活をしている社員が多数となれば、外国人労働者も働きやすくなる。また海外との取引もスムーズに行えるようになる。
グローバル社会において、大きなアドバンテージを得られるのです。

それぞれの社員に強みを持たせる

またエヌビーエスでは、退職者を再雇用する制度も整っています。
この退職者の中には、定年退職者だけではなく、育児などで会社を辞めた社員も含まれます。
また休暇を取りやすくするため、社員間で定期的に業務の入れ替えも行われています。
いつでも会社に戻り、自分に合った形で会社に貢献できる仕組みができているのです。
また中小企業の場合、こういった土台を作るための助成金も用意されています。

労働者に必要なことは会社に貢献すること。
その意識があれば、時短勤務者あり、海外在住経験者あり、高齢者ありという多様な人材はむしろ企業の強みになります。
また多様な人材で1つの目標を達成するには「会社のために働く」という意識を、全員に強く持ってもらう必要がある。

全員がそういう意識を持つと、おのずと会社の無駄が減る。エヌビーエスでは、こういった好循環が働いているのです。

仕事が楽しい方がよいかどうかというテーマは、賛否両論あります。
しかし、どういった心持であれ、仕事に愛着を持ち、能力を発揮してもらうことが、労働者、経営者双方の利益になります。
全員が自分の役割に誇りを持ち、遂行する。それはどういった集団でも必要なことでしょう。