高齢者を戦力に

昨今の働き方が急激に変化していく理由に「IT化」があります。
AIにとって代わられる仕事などが議論にされるように、IT技術の進歩は目覚ましく、単調労働は遠からず、機械化されるとも言われる。

こういった流れを後押しするのが「少子高齢化」による人手不足。
モノ作りから接客まで、今まではマンパワーで賄えていた分野の人手がどんどんと足りなくなっている現在。
高齢者はどんどんと増えていき、労働人口はより足りなくなる。
世界経済の停滞とこういった2つの大きな社会の変化が、今、働き方改革を今行わなくてはいけない理由といえるでしょう。

特に少子高齢化は、今までの日本社会が経験したことのない現象。
そのため、既存の業種もなくなる、もしくは大きな変革を遂げると予想される。
その筆頭が、銀行などの金融業です。

従来の金融業の主な業務は、企業へのお金を貸し付け。そして、その企業の主戦力は、壮年世代の男性。
こういった人材に、プライベートでもお金を貸し付ける、投資をしてもらう。そういった方法で業務が回っていたのが金融業界。

しかし、すでにその顧客層が変化しつつある。
企業は盤石ではなく、そしてお金を運用する世代は、高齢者層が主な層。
そして、その上に、IT化の波が押し寄せています。

最近、フィンテックという言葉をよく耳にしますが、金融(フィナンシャル)とテクノロジーを合わせた言葉で、この場合のテクノロジーはITを指します。

現在、政府がキャッシュレス政策を推し進めていますが、店舗を持たないネット銀行を利用して、ネット通販でモノを買うといった行動は、もはや当たり前。
少し前までは駅員がいた駅も、すでに自動改札が当たり前になっています。
いつの間にか、現金の存在自体が過去のものになろうとしている。

こういった流れの中、当然リアル銀行は大きな改革を迫られることになります。
今までは窓口で現金の受け渡しを行っていた。
しかし、現金自体を扱う必要がなくなる。まず窓口がいらない。そして、そもそも送金や払い戻しといった行動に銀行が関与する必要がない。

こうなると、個人に対しての業務自体がなくなる可能性もある。
それでは企業投資は今のままでよいのかというと、企業も高齢化やフィナンテックの波と無縁ではない。
今までのように、大きな企業に貸し付け、回収をすればよいとも限らない。
そもそも、そういった判断はAIが行ってくれるかもしれない。

このように業務内容自体を、大きく変えなくてはいけないのが金融業。
他業種への影響が大きいこともあり、みずほフィナンシャルグループのような大手ではすでに働き方改革が進められています。

経験を企業貢献へ

みずほフィナンシャルグループの改革特徴は「定年延長」。
景気の低迷により、新卒採用を控える中、上の世代が残っていいのかと思われがちですが、高齢化社会の中、主な顧客は高齢者になる。
そして、投資やお金のライフプランニングなどは、誰でもできるわけではない。
当然、金融知識を持ちながら、顧客の場数を踏んできた社員が1番戦力になりやすい。

そういった人材が誰なのかを考えると、キャリアの長い社員、つまり高齢の社員ということになります。
知識や知性で勝負をする企業であるがゆえに、AIにとってかわると言われやすく、逆に高齢者のような人生キャリアがある人材が重要視されるということ。

もちろん、知識や経験がモノを言う職種は他にもたくさんあります。
時短や介護休暇、テレワークと言った体力を軽減する方法を駆使すれば、高齢者の持つ頭脳は大きな戦力として有益。

みずほフィナンシャルグループの特徴は、高齢者の雇用だけではなく、人材育成に目を向けている点。
高齢者は「下の世代の育成ができる」というメリットもあります。

金融のあり方が変わっても、お金が人の暮らしに大きく関わることにかわりはない。
むしろ、今までのように国内経済だけを見るのではなく、仮想通貨のような「国家が責任を持って管理する通貨」ではない新しい通貨がどういった使われ方をするのかなどを、見て行かなくてはいけない。

金融は、人や企業のお金の動きを反映します。つまり極めて流動的な社会。
ドルや元の動きといった従来のチェックポイントと同時に、フィンテックのように、金融の世界それ自体のシステムがどうなっていくかを、考えながら企業運営を行う必要があります。

当然、世の中をしっかり見ておく必要がある。そして世の中を引っ張るような立ち位置にいる必要もあります。
今は必要だが、将来なくてもいいかもしれない、他業種に役割を奪われるかもしれないのが、金融のように、知識そのものを提供している業界。

不要と切り捨てられないためには、やはり必要な企業と思われ、社会が必要としているシステムを、率先して築いていく必要がある。
教育や介護といった分野は、そういったジャンルです。

今誰の役に立っているのか、これからどういう形で誰の役に立っていくのか。
その答えを絶えず追い続けなければいけない業種。
それが金融のような、かつての日本ではステイタスとされていた知的職業だと言えます。