足していく満足感

どうにも閉塞感が打破できない日本企業、とりあえず長時間労働による労働者の健康被害を回避すべく、働き方改革が実施されました。
しかし、これにより隠れ残業が増加。また1年の猶予をもらっている中小企業の場合、残業を減らすと仕事が回らない。企業自体がダメになってしまうかもという危機感を持っています。

なぜ、日本企業はこれだけ迷走することになってしまったのか。
引用記事からそのヒントが見えてきます。

まず、昭和の日本企業はどの程度忙しかったのか。
これには諸説ありますが、昭和時代に日本企業が忙しくなってきたのは確かなよう。
過労死という言葉が出てきたのは80年代前半。ちょうどバブルが始まったころあたり。
80年代後半には、過労死の電話相談窓口が開設されています。
つまり、長時間労働や過酷な労働問題は80年代からすでにあったということ。
そもそも、この時代のキャッチフレーズが「24時間戦えますか」なのです。

しかし昭和時代の日本は国際競争力が高かった。
つまり健康を害して働いても、結果という形で報われた。また給与もどんどん上がっていきました。
「やり過ぎ」による弊害はあったものの、結果が出るという方にスポットライトが当たっていたようです。
「24時間戦えますか」という言葉にバッシングが出ず、面白がられてしまったのは、そういった背景があるからこそ。

しかし、その後バブル経済崩壊。時を同じくしてインターネットが普及し始めます。携帯電話も普及。
仕事のスピード自体が上がっていきます。

仕事の結果は出ないが、密度は増えていく。
しかし結果は出ない分、労働者に求められるものは大きい。だが懸命に働いても会社への貢献が少なく、給与という形でも反映されない。
そして、携帯やネットの普及で、仕事の密度は上がっていく。相対的に疲労感だけが強くなります。

そこに参加したのが「成果主義」。欧米ではただ会社に来るだけではなく、結果を求める傾向が強い。
この方法をまね、結果で社員の評価を付けようという動きが出てくる。

労働者の疲労感が強くなってきたところで、評価軸がガラリと変わる。対応しきれず、長時間労働がより目立つようになってしまったのです。

現状は、それに加えて、ネット社会&グローバル社会でのスピード感を要求されている。
このすべてを抱え込んでいるのが、現在の日本なのです。

ルールが大好きな国、日本

これだけの要素を詰め込まれた時点で、息苦しくなりますが、こういった状況を解決するのに、日本の場合「規制」という方法を取りがち。
ノー残業という方法がそのわかりやすい例。

そこに対応するために、よけい現場は大変なことになる。
またルールを守ることにエネルギーを使ってしまうため、肝心の「結果を出すこと」が後回しになる。
こういった状態を抱え込んでいるのが、今の日本企業です。

では諸外国はどのように働いているのか?

よく「海外は長期休暇が多く、無駄が少ない」と言われます。バカンスなどを多く取っているイメージがありますね。
しかし「国家が決めた休み=祝日」は、日本が圧倒的に多い。

つまり諸外国の労働者は、やたらに休んでいるわけではなく「休む裁量が労働者にある」ということなのです。
実際、国民の祝日は少ないが、日本より有給休暇が多いのが欧米諸国。

そのため、バカンスを取っていたりすることもあれば、がっつり働くこともある。
働き方の方法や過程は問わず、結果を追求する。
これに対して、日本の場合、方法や過程を重んじながら、結果も求める。
求めるものが多すぎて、結果を残すという部分が手薄になりがちといえるでしょう。

そのため、今の日本に必要なものは「引き算思考」だと、引用記事では述べられています。

日本人が「プロセスを重視」する理由

日本企業の場合。石橋を叩いて渡る傾向が強い。そのため、全員の意思決定を求める、すると物事がスタートするのが遅くなる。
スピードを求められるグローバル社会に置き去りにされる原因がここにあります。

また横並びを重んじる。みんなの様子を見ながら、慎重に意思決定をしていく。
これがスピードの遅さを生み、無駄な疲労感を生み出すのです。
引き算が苦手なのも「皆がやっていることをしなくては」という思考回路にあるため。
誰かがやめなくては、やめられないという考え方が強いためだと思われる。

だとすると、解決方法は意外に簡単。横ではなく前を向くようにすればよいのです。

日本人の持つ横並び思想は否定されることも多いのですが、諸外国にできないことといってもよい。
個人の自由を重んじる欧米では「揃う」ことに大きな労力を使う。
しかし、日本の場合、その部分は簡単にクリアできます。
チームを作ること自体が簡単にできるという大きなメリットがある。

あとは、前を見るだけ。「結果を出す」という目標さえ明確になれば、むしろ強みが多いと言える。
「チームのために、意見を言う。」そして「他人の方法を詮索しない。」
この2点を目標にするだけで、日本企業が抱えている無駄な荷物はかなり減るかもしれません。