会社に勤めるという概念が消える?

働き方改革スタートに伴い、今年の新卒社員は何かと注目を浴びています。
既存の労働環境を知らない第1世代の登場。
しかし、新卒入社式という絵面自体が、来年には過去のものになっているかもしれません。

銀行を例にとると、わかりやすいですが、すでに企業があり人を雇い、業務を行うという、従来の労働形態が崩れつつあります。
ひと昔前の銀行と言えば、融資をしつつ、窓口でお客様のお金を預かるのが仕事。
融資や預金には人手がかかっていました。今でも営業部門は人が行っている部分もあります。

しかし、現在クラウドファンディングなどの形で、銀行融資を受けずに起業する、プロジェクトを成す人も多く出てくるようになりました。
仮想通貨を操作し、銀行とは無縁に生きている人も珍しくありません。
キャッシュレスになじみ、すべてはスマホ決済、銀行の店舗や通貨自体に縁がない人は、もはや多数派になりつつある。

つまり、今までは銀行という機能なくして、人の生活は成り立たなかったのですが、現在は全く違う様相を呈しているのです。
実際、今の銀行業務は、ハローワークなど別の業務を行うようになっていますね。

また、こういった業務の進め方それ自体を、デジタル化できるのも銀行業界の大きな特徴。ネットバンクだけでなく、リアル銀行を使っている場合でも、デジタルだけでお金が動かせる時代。
銀行員の行う業務は、システムメンテナンス程度になってくるかもしれません。

つまり、今後、日本の労働現場では、既存の仕事内容がどんどん変化していく、そしてデジタル化していくことが考えられるのです。

また、現在の日本は未曽有の少子高齢化。高齢者や女性の活躍を進めてはいますが、労働力としては絶対的に不足する可能性がある。
そのため「デジタルファースト」で労働市場を考えるべきだ、と引用記事では述べられています。
仕事は機械任せという前提に立てということ。
そうすると、人間の労働市場はどこに行ってしまうのか?会社が雇ってくれなくなってしまうではないかという心配が出てきますね。

しかし、そもそも会社は必要なのか?
ユーチューバーを考えてみましょう。面白い動画をコンスタントに作れたとする。そして動画作成でコンスタントに収入が得られるとする。
この時点で就職の必要はありませんね。

また動画作成技術を、必要な人に売る。例えば自治体の広報動画を作成するなど、技術を色々な場所に提供すればさらに収入は増えます。
つまり、現在のフリーランス的な働きをすればよいのです。

まず会社がある、そこに就職して働くというモデル自体、近い将来に崩壊する可能性もあるのです。
デジタルファーストというのは、単純労働をデジタルに任せるということ。
アイディア部門だけ人間が行えばよい。
そうした場合、いつも同じ団体、すなわち「会社」というものが存在して、そこで何かを行う必要はありません。

アイディアを誰かが出す、その実行はデジタルに任せるという世の中は、案外すぐそこなのかもしれません。

チームプレーの必要性

またこのような考え方にシフトしていかないと、高齢化社会の労働者不足は補えないという切実な問題もあります。
少ない労働力で何とかしてお金を生み、国民が生活していかなくてはいけない。

その場合、1人1人の生む単価が高くならなくてはいけない。
単純労働のような賃金の低めな労働は可能な限り、デジタルに任せる。
そして創造性の高い仕事を人間が行い、収入につなげる必要があるのです。

ということは、今後の日本に必要な人材は「自主性」を持った人間。
そのため、現在教育現場はアクティブラーニング、そしてデジタルを扱う上で必要なIT技術、そして世界の公用語、英語教育に力を入れる方向にシフトしているというわけです。
ただし、銀行業務の変化を見てわかる通り、労働市場はかなりのスピードで変わりつつあります。
義務教育はもちろん、大学などの高等教育機関の改革も急務。
会社がなく、誰でも簡単に労働市場に参加できるとなれば、学業をしながら労働市場に参加するという生き方も当たり前になってくるかもしれません。

一通りの教育を経て、人間を社会に送り出す。この流れが全く変わってしまうことを前提しておかなくてはいけないでしょう。

だからといって、なんでも自由であればいいのか?というと、それはまた別問題。人間の脳は、子供時代にはまだ未熟という部分は、今後も変わらないと思われる。
デジタル化時代になっても、子供というのは大人が育てるべき存在として扱われなくてはいけません。

また会社という形でなくても、チームで何かを行うという発想は大事。
そうでなくては、いわゆるビッグプロジェクトを行うことは難しいのではないか。
デジタル社会において、トップダウンは大事な要素になってきますが、それと同時に、それ以外のチームプレイヤー同士の間で出てくるアイディアも大事になります。
また声の大きい人間の声だけを拾うという状況ができることも危惧されます。
多様な人の声をしっかり拾うという意識を身に着けなくてはいけません。

デジタルファーストの時代、創造性がクローズアップされがちですが、チームプレー意識や、少数派の意見を尊重することなど、人が社会で生きていく大事な要素を、絶えず省みる必要性がより強くなるといえそうです。