仕事内容を洗い出す難しさ

仕事にパソコンを持ち込むのは当たり前ですが、そのパソコンをロボットに操作してもらうRPAの導入が各企業で進んでいます。

RPAはAI社会を予想させるシステム。今まで例えば経費を精算しようと思えば、まずデータを入力して必要な計算を指示するという作業は人が行っていました。
しかしRPAならば、やってもらいたい作業を命令すれば、複数のアプリやソフトにまたがっているようなことでもパソコンがすべてやってくれます。もちろん照合作業も行ってくれるため、デジタル作業のスピードは格段にアップ。
企業の助け舟となっているのですね。

‥が、実はRPAの恩恵に預かっているのは、大企業が主流。
中小企業での導入は進んでいません。
価格の問題なのかというと、そうではない。

2014年に販売された人気商品NTT-AT販売の「WinActor」の5.0Verは作業短縮時間は480分を10分にできるという商品。フル機能版90万円、実行版25万円弱と、決して高額というほどではない。
さらに現在のRPAは従量制が主流に。利用料に応じた料金支払いが可能になっているため、規模が小さければ出費も小さくて済みます。
しかし、現実には中小企業での導入は進んでいません。

中小企業の特徴とは

この原因は中小企業の特徴を考えると明白。
まず中小というだけあり、仕事の規模自体が小さい。
少量のメモをするのに、パソコンを立ち上げるより手書きの方が早い。
また食器洗い機を使うより、手動の方が早い。

「まとめる」には量が少なすぎて、RPAの特性である効率の良さが活かせないということ。
しかし、軽いメモでもスマホやパソコンが気軽に使える状況であれば、そちらを使う可能性もあります。この場合、自動的に保存してくれるメリットがあります。
また食器洗い機も、少量入れてボタンを押せばよい。コストがかからなければ手軽です。

問題は、どこにどのように「デジタル化」を導入するかということです。
中小企業の場合、仕事が大企業の部署のように細分化されていない。
個人がやっている仕事が見えづらいため、作業を分類すること自体が非常に難しいのです。
この「仕事の見える化」は大企業でもハードルの高いところ。
RPAの進捗具合は「仕事の見える化」にかかっているといえそう。

仕事を俯瞰するには、リーダーが必要

トップダウン可能なリーダーがおり、仕事を割り振っている場合、作業の分類は比較的やりやすいですが、社員全員がフラットである場合はわかりにくい。
RPAを導入するには、まず「仕事を可視化」すると同時に作業命令をRPAに教えなければいけません。
RPAに物を教えるための専属リーダーとシステムエンジニアの2つの役割が欠かせないのです。
引用記事では、実際に「可視化」「作業の分類化」に取り組んだ会社の話が載っていますが、ある程度の規模の会社の場合、人数や作業が多い分、それだけ大変な労働になります。

中小企業の場合、そういった人材がいない。またわざわざそういう人材を確保すると、よけいなコストがかかる、時間お金ともに余裕がない。したがってRPAを導入しなくてもよいということになってしまうのですね。

中小企業にデジタル化は要らない?

しかし中小企業にデジタル化は不要なのか?というと、そうでもない。
むしろマンパワーがない分、うまく取り入れれば、大企業より得になる部分が大きいとも言える。

仕事を可視化して、うまく動線を把握できれば、中小企業にとってもRPAはかなりの戦力。

中小企業にRPAが導入されない理由の1つとして「RPAに任せられない仕事をしている」ケースが多いことも考えられます。
例えば建築現場、計算通りに行っていればよいが、現場作業は現地の判断で行われる部分も多い。
福祉教育系の場合、誰といつどう話をするのか?という判断を人間が行わなくてはいけないケースもあるでしょう。

しかし、こういった職種のバックアップや危機管理を機械に任せたらどうか。
誰でもできる部分をデジタル化できれば、現場に多くの労働力を向けることができます。

RPAというと、巨大なシステムをイメージしますが、今の時代、個人法人問わずスマホを使用することが多いですね。
問題はスマホを使って、会話をする方がよいか、LINEで済ますかという判断の部分。いわゆる柔軟性が必要とされればされるほど、デジタル化のハードルは高くなってしまうのです。
しかし、どちらも「連絡事項」と言えなくもない。ひとまとめにして機器任せということも可能。

また機器の不得手な例として「例外規定」があります。接客や現場仕事がデジタル化しづらいのは、マニュアル通り物事が進まないことが多いから。

こういった課題はありますが、個人でスマホ、会社でパソコンを使用する時点で、デジタル化はすでに進んでいるとも言えます。
まずできそうなこと、人間がする必要もないことを機械に任せてみる。
小さなことから、徐々に手を付けていくことで、職場のデジタル化が進み、RPA導入が進む可能性はあるかもしれません。

とはいえ、本格的にRPAが導入されれば、やはりその責任者は必要になってきます。
いずれは中小企業の組織も変化していくことにはなるでしょう。

参考記事
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190213-00264641-toyo-bus_all