バイリンガルが欠かせない社会へ

一昔前までは、粗悪品の代名詞にされていた「メイドインチャイナ」。
今でもパクリ製品などが、テレビのネタにされていたりしますが、その反面、現在は、日本をはるかにしのぐ技術大国とも言われています。

今何かと世間を騒がせている、中国の有名電子機器メーカー「ファーウェイ」は、
新卒でも1000万以上を稼げる企業として知られています。
月給にして40万円、こういった企業は珍しくもない。もはや、日本は中国に追い付ける状況ではないのか?

と思いきや、引用記事では「日本と中国の給与格差はそこまで大きくはない」
と書かれています。
実際、ファイナンス、IT マーケティング、どのジャンルでも給与相場は、日本、中国ともに、400万円から2000万円と同じような幅に収まっています。

では、なぜ日本の給与は低いと言われるのか?
単純に、すべての職種の給与を計算に入れると、これより低くなってしまうということ。
グローバル企業に限って言えば、大きく差があるわけではなく、日本企業は世界と同格の給与であるようです。

中国の場合、労働格差が大きく、地方の農家の場合、年収が100万円にも満たないケースもある。
(参考;平均年収,jp https://heikinnenshu.jp/country/china.html)
このサイトのデータでは年収100万円以下の人口数が5億とされています。

ただし、中国の場合、この15年での給与水準が、平均200万円弱から700万円台半ばまで、かなりの大幅アップしているのが特徴。
そして農村部との収入格差は、現在さらに少なくなりつつある。

圧倒的な人口数を持ち、右肩上がりの成長を続けている点が、中国の強みとも言えるでしょう。

特にIT関連市場や人材が急速に育ちつつあり、またそういった人材育成に力を入れている点が、中国の成長の秘訣。とはいえ、圧倒的な進化に人材、特に英語ができるバイリンガルが不足しているのは、日本、中国共に共通の悩みと言えそう。

しかし、中国の場合、母国語の市場がかなり大きい。
現在、中国深圳市などはすでに「シリコンバレー越え」とも言われ、世界各地から人材が集まる状況ができていますが、それでもバイリンガルは足りない。
世界を視野に入れた大市場を形成しようとしているからこそ、不足しているとも言えます。

日本においてはグローバル企業の市場自体がまだまだ小さい。そのため中国に比べ、ITエンジニアはもちろん、バイリンガルのエンジニアは圧倒的に不足している状態。

日本の給与水準が低くなる原因は、グローバルのレベルが低いのではなく、人材不足といえます。
また日本では4月から、働き方改革がスタート。この改革の主な目玉は「長時間労働の是正」。
長時間労働を無くす簡単な方法は「RPAなどIT技術の活用」です。
つまり、国内、国外どちらを見ても、IT技術の進化は欠かせず、一定数のエンジニアは今以上に必要になるということ。

そしてIT技術の大きなメリットは「国境がない」こと。
しかし、システムを組むためにはリアルな労働市場の把握、対面式の会話は欠かせません。
バイリンガルは欠かせない要因になってくるのです。

英語よりも中国語を学べ?

中国と日本の差は「市場規模」。特に現在中国はITジャンルに、日本の5倍以上の予算を出しているとも言われています。実際、エンジニア人口は日本よりはるかに多い。

また中国の野望は「世界の市場を手にすること。」
そうなれば、英語より中国語をマスターしておく方が得策かもしれません。
英語を母国語とする人口よりは中国語を母国語とする人口の方が圧倒的に多いのです。

とはいえ、プログラミング言語の多くは英語をベースにして作られていますね。
また第2言語が英語である人口数もかなり多い。
「世界に壁を作らず、働くことを基本にする」という考え方なくして、今後、市場で生き残りをかけるのも無理。

そういったことを考えると中国語や英語を身に着けておいて損はありませんが、それ以前に母国語である日本語の習得はさらに大事になります。

中国語、英語ともに、ビジネスにおいてはツールという立ち位置。
また言語を使うということだけなら、中国14億人の中から、ITエンジニアなど、自国に役立つ人材を育てる方がてっとり早い。
実際、米国を筆頭に、自国第一主義というナショナリズムが顔をのぞかせています。

こういった傾向を阻止するためにも、母国語を話す能力を維持しながら、他国で働く気構えはかなり重要な要素になってくる。
そもそも自国の言語を的確に理解していないレベルで、第2言語を使ったところで、現地の文化への敬意がないなどの欠陥が出てくることは明らか。

グローバル社会で通用するITエンジニアの場合、特に「センス」が要求されます。自国で何を身につけて来たかの方がよほど重要な要素になります。
その上で、中国語や英語を身に着けるべき。
どちらの言語を身につけるかは、母国語を身に着けたうえで、どちらの社会に魅力を感じるか?を基準にしてもいいのではないか。

慌てて付け焼刃の第2言語の習得に走るよりは、自国文化の理解を深め「バイリンガルは欠かせない」ということを頭に入れておく方が有効と言えそう。

IT技術の拡大と共に、外国人労働者も多く国内に入ってきます。
身近な住人や観光客に通じやすい言語から習得するという考え方が、最もシンプルかつ実用的でよいかもしれません。