あるビール会社の事例

温かくなってくると、ビールが頭をよぎる。
いや、冬の暖房の中で呑むビールもかなり爽快と、お酒やビールは労働者の心強いサポーター。
しかし、そんなお酒も当然造っている人たちが存在するわけで、大手メーカーともなれば、書類の山がさばき切れていないなど、どこの会社でも起きる悩みを抱えていたりするのです。

今回の引用記事は、そんなアサヒビールがRPAを導入したというケース。
かなりいい具合に軌道に乗ってきたようですが、飲料、酒造メーカーの特性、会社の特性から成功のヒントが見えてきます。
ます飲料メーカーにおける業務上の問題とは何かを見て行きましょう。

ビールの場合、盛り上がるシーズンはやはり夏。ビアガーデンスタートという声に夏を感じる人も多いでしょう。
実際、ビアガーデンではバイトを雇い、ビールを出荷となるわけですが、アサヒビールでは年に1度「さっぽろ夏まつり」を開催。
この期間だけで200人以上のバイトを雇用、当然その勤務管理データを処理しなくてはいけません。その数3万越え。

また夏のお中元、冬のお歳暮に伴いキャンペーンを行うなど、売り上げや雇用にバラツキが出てしまうこともしばしば。
そして1番の難題は、これに伴い送ってくる書類の書式に統一性がないこと。

入力項目もイベントや取引先により異なるため、時には重複作業になることもあったようです。書式統一ができていないのは、取引先への配慮。

どこの企業でも起きそうな話ですが、飲料メーカーの場合、季節によるイベントに売り上げや雇用が左右される。
また全国各地に展開されているうえ、地方による差があるなどの特徴があります。
またアサヒビールはアサヒグループホールディングスの1つ。系列会社にはアサヒ飲料もあり、それを統括するアサヒプロマネジメントがあるため、実情はかなりバラエティーに富んでいます。

誰にでも幅広く愛されているが、一定の消費変動があるというのが、酒造、飲料メーカーの特徴。

またアサヒグループホールディングスの場合、アサヒプロマネジメントという管理会社も存在します。

ある程度「問題が何であるか?」がはっきりしており、管理する会社があるという状況があったため、RPAを導入しやすかったと考えられる。
アサヒプロマネジメントがRPA(NTTデータ社のWinActor)を導入したのは2017年。まず問題の人事関係入力作業をさせるようにしたそう。

もちろん書式はバラバラのまま。各会社から来た連絡票を確認。夜にボタンを押せば、翌朝できているという仕組みができたよう。
これにより、人事だけで年間1300時間の労働時間削減につながったとのこと。

今では人事部門だけでなく、経理、営業へと使用幅が拡大しているとのこと。
理想的なRPA導入方法といえるでしょう。

まずRPAを扱う部署をはっきりさせる

アサヒグループホールディングスの成功例には、いくつか参考にある点があります。
まずRPA導入に関して、アサヒプロマネジメントという主導権を握る会社が存在したこと。
問題を洗い出し、解決方法を決定。各部署に通達という方法がつつがなく行われる土壌があったことです。

大企業がRPAを導入する場合、まずIT部門などRPAを使用する際の統括責任者が重要になります。
しかし、IT部門の場合、現場を知らない、他の部署の問題を知らないという欠点もある。

しかしアサヒプロマネジメントは、現場の声を一括して処理する会社。こういった部署が存在すると、RPA導入は非常にやりやすくなります。
今では、RPAに処理してほしいことをボトムアップで持ち込まれたりもするよう。
管理部門がはっきりしていることで、「野良RPA」という会社の末端で知らないうちにできているシステムが存在しない仕組みもできています。

危機管理がしっかりしていることで、よりボトムアップで話を持ち掛けやすくなっているのですね。RPAに限らず、現場の好きにしていいと言われるケースは多いですが、動線が引かれていないと、会社の把握していないところで何かが行われる可能性もある。
そして危機管理の所在がはっきりしない、現場がリスクを問われる可能性もあるため、結局やらないということにもなりがち。

まず根幹をきちんと作ることで、枝葉部分が活性化するのです。
RPA導入には指揮系統の整理が欠かせないということ。

またアサヒプロマネジメントの事例では「書式統一をしない」という点もポイント。
データ入力などで引っかかりやすいのがこの部分。しかしサービス業にとっては「お客様の利便性」につながるのもこの部分。
RPAに重複部分を任せることで、現場に「統一しなくては」という負担を掛けないメリットがあります。
顧客の利便性は、時に現場の負担につながりますが、それらの負担をすべてRPAに背負ってもらうことが可能なのです。

うまく軌道に乗れば汎用性はとても高いRPA。アサヒグループホールディングスの成功事例に導入のヒントが見つかるかもしれません。
社内の問題をあぶり出すこと。問題点をRPAに任せ、会社に指示を出す部署をはっきりさせておく。この2点は企業の職種を問わず必要だと言えそうです。