仕事の効率アップと言って、思いつくのが機械化やIT整備。
人でなくてもできることを機械に任せることで、人員削減が可能。
削減した人員には別の作業をしてもらい、業績アップにつなげる。
これが理想の「効率アップ」ですが、機械に任せる手間やお金だけがかかり、実態が伴わないこともあります。

また逆に、こういった事態を恐れて、新しいシステムを導入するのに二の足を踏む。あまり意味のない職場の慣習が続いているなんていう企業も多いもの。

効率アップを考えるうえで大切なことは、まず「困っている」かどうか。
業務全般を洗い出し、「隠れた困りごと」を見つけ動線を整理するという方法もあります。

つまり「効率アップ」それ自体を目的にするのではなく、何が仕事の妨げになっているのかを考える。そしてその改善方法を考える。
そういった方法であれば、時に大きな設備投資も大事。
広島県に本社を置く創建ホームは、オンラインストレージをパワーアップすることで、働き方改革を実施した企業です。

不動産事業を展開する創建ホームは、仕事柄、図面などの大容量データを他人と共有することも多い。
しかし従来使用していたシステムは、コストが高く、一部の導入にとどまっていました。
そのため、システムを利用できない社員もおり、そういった社員はデータ共有の恩恵に預かれない。
よけいな手間がかかってしまう上に、社員により使うシステムが異なってしまうため、セキュリティーも脆弱になるという問題を抱えていました。

そこで、オンラインストレージ自体を、コストパフォーマンスのよいものに変更。
データ共有をスムーズに行うことで、業務の効率をアップ。
セキュリティーも強化できたようです。

創建ホームは名前の通り、住宅をサービスとして扱う会社。
また一から注文住宅を作って販売するのがセールスポイントでもあります。
そのため顧客のニーズをしっかり把握することが、非常に重要な業務。
データ共有などシステム面のストレスを取り除くことで、顧客の声をしっかり聞く余裕が生まれる。
そしてその声を、住宅という形に反映しやすいシステムもできた。
そのため、よけいなことに気を取られず、本来の業務に専念できるようになったということ。

創建ホームの場合は、もともと「データ共有がスムーズでない」
「セキュリティーは大丈夫なのか」という疑問を抱えていた。
こういったケースの場合、つぎはぎで対策をしていくよりは、システムそれ自体を見直した方がよいケースもあるということです。

大企業のシステム見直しは?

ただし創建ホームの場合、従業員数が少ない地方の中小企業。
そのため、現場の不満も経営者にあがりやすく、改善ポイントも見えやすいというメリットがあります。

大企業の場合、全体のシステムから、特定の課のシステムなど、いろいろな状況が複合した状態。
1つのシステムを変えればよいというシンプルな話にはならない。

とはいえ、例えば特定の課がデータ共有など、ITの不備を抱えていた場合、その部分は改善した方がよい。
問題はその課だけのミニマムな問題なのか、全体を改善すべきなのか、問題点をしっかり洗い出す作業が必要だということ。

企業の規模が大きい分、全体を俯瞰して問題点を洗い出さなくてはいけません。
明らかに部分的に改善すればいい事柄はさておき、そうではない場合、部分的にシステムを変更すると、バランスが崩れる可能性もある。

またRPAなど大きなシステムを導入するときに、会社全体のIT事情などがわかっていないと、導入方法が非常に難しいものになってしまいます。

そのため、まず大企業においては、現場の意見が出やすい環境を作ること。
それをリーダー、サブリーダーが把握する環境づくりを行うことが大事です。
企業の大小を問わず「不満を改善」することが、作業の効率アップにつながり業績アップにつながるという理屈は同じ。
しかし、そのすそ野が大企業と中小企業では違うということ。

大企業の場合は、絶えず色々な声を拾い、フィードバックする環境をまず作っておくことが大事。そして縦、横両方のコミュニケーションを密にすることが必要です。

会話の重要性

創建ホームのような中小企業であっても、データ共有のシステム改善は「不満」が形になって表れたからこその改善です。
IT整備などが整っていない環境では、「そういったもの」と諦めてしまうケースも多い。
人は環境に慣れてしまうものです。

そのため「データが送れないのはつらいね」というちょっとした声を拾えるか、どうかが改革のポイントになってきます。
職場においては、意外に「でなくてはならない」という思い込みが多い。
本当に、その不満は変えられないのか。
そもそも仕事がうまく進まないのは、システムなど環境の可能性もあるのではないか。
こういった不満をピックアップするためにも、企業の風通しのよさは大事。
まず「形ありき」ではなく「現場の声ありき」の改革こそが、業績アップにつながる改革なのです。