都合よく使われる「みなし労働時間」「裁量労働制」

働き方改革がいよいよスタート、過重労働も減る傾向にありますが、それでも法の隙間をつくやり方はまだ存在するもの。

その1つが「事業外みなし労働時間制」です。
この制度は何かというと、営業やテレワークをする場合、会社にいるときのように、仕事に要する時間や時刻が決まっているわけではありませんね。
時には5時間で終了、遠い場所に営業の仕事で出かける場合は、10時間かかるときもあります。

しかし営業などの場合、こういった労働時間のばらつきは出るもの。
というわけで、あらかじめ「みなし労働時間」を決めておくのです。
ノー残業とした場合、基本的には1日8時間。
実際、営業に何時間かかったとしても「営業にかかった労働時間は8時間」ということになります。

ただし、「みなし労働時間」は、会社外の営業に対しての計算。
そこから社に戻り、書類の整理などを行った場合は、その分が残業時間と仕手系さんされるというわけ。

ここで問題になるのは、いつでも10時間かかる会社外業務も、8時間労働の仕事と企業側が決められること。
引用記事を見てみると、ブラック企業と呼ばれるところは「会社とはそういうもの」という不文律を押し付けて納得させているケースも多いよう。

みなし労働時間の「みなし」は、「この程度であろう」という意味。
明らかに元々10時間かかるものであれば、それは元々10時間で計算しなくてはいけません。
こういったケースは、当然残業代が出ることになります。

またテレワークの場合も、みなし労働時間制度の適用条件が厳しくなりつつあります。
まずサテライトオフィスなどでの勤務の場合、会社が労働時間を把握することができますね。
この場合は「みなす」必要がありません。「事業外みなし労働時間制度」の対象外です。同じ理由で、在宅ワークでも、会社に逐一進捗状況を報告する場合も当てはまらない可能性も出てきます。

とはいえ、在宅ワークのメリットの1つは「自分の好きなペースで働けること。」
在宅ワーカーの中には、育児や介護と両立しながら仕事を行うケースも多いと思われる。
仕事の途中で、子供の世話なんてこともありますね。こういうケースでは「みなし労働時間」を適用する方が妥当と思われる。

働き方が多様化していくだけに、労働時間の算出は難しくなっていきます。
しかし、日々の労働時間が明らかに過重な場合は、立派な法律違反。

また似たような例に「裁量労働制」がありますが、これはデザイナーなど創造性の高い仕事に適用されるもの。
対象職種は法律で限定されています。また出社退社時刻の縛りがないなどの条件も必要。

しかし、この制度も、好きな時間だけ働いて、残業代はないという部分が悪用されがち。
システムエンジニアなどの場合、適用外であるケースも少なくはないよう。

こういった「みなし労働時間」を悪用して、残業代を払わない会社がブラック企業と呼ばれがちになります。
グレーゾーンであることも多いため、泣き寝入りも増えますが、外部の法的機関に訴えることが効果的。
最近は、SNSの発達もあり、いろいろなことがすぐに表沙汰になりがち。
外部に相談することで、問題を表に出すことで、こういった会社も減っていくかもしれません。

個人の資質に口を出す会社

引用記事には、そのほかブラック企業の特徴として、「この程度の仕事で、体調が悪くなるとは」と労働者にいう、悪い意味での体育会系資質の会社や、友人に会わせないようにする会社などが登場します。
後者は、マインドコントロールをするため。これではもはやカルトな宗教団体。

確かに、フリーな働き方が増えている現在、会社への帰属意識を持ち、貢献してもらう意識を持ってもらうのは大変なこと。

しかし、労働というのは、雇用者が労働者に仕事を無理強いさせることではありません。
「こういう方向でうちは仕事をしている」ということを理解してもらう。
その上で、労働者がどんな形で働くことが1番会社にとって望ましいかを、雇用側、労働者本人双方が考えて、実践していくことが大事です。

会社に所属する以上「働いて、力を会社に還元してくれ」というのは当たり前ですが、どのような形で貢献するのかは労働者の権利です。
また、自分に合わないと思えば、辞めるのも労働者の権利。雇用者と労働者はあくまで対等。
ですから、会社への帰属意識を持ってもらうなど、人を育てることが企業においては、非常に大事なことになってくるのです。

ところで、この話は企業だけでなく、どこでも通用する話。子供の教育などにも同じことが言えます。ただし子供の場合は人として未熟、そのため、権利も少ないが、保護する義務が大人にはあるのです。

どんな関係性にも権利と義務がある。おかしいと思えばまず当事者にいう。どうしても問題が解決しなければ、外部に訴えることが大事と言えそう。
もっとも最近は、いきなり外部に持ち出さたり、ネットにアップされたりして、話がややこしくなるケースも見られます。

まずは身近な人に相談するなど、いきなり飛躍せず、物事を解決していく力も労働者には大事な能力なのです。