過労死遺族は納得していない
働き方改革法案が国会を通過、今回の目玉は「長時間労働の改善」。
残業が規定時間を超えた場合、企業に罰則が科せられるなど、画期的な法案ではあります。
しかし「高プロ制度」など、現実にはその逆をいくような制度が盛り込まれていることもあり、過労死遺族の方々には到底納得のいくものではなかったよう。
そもそも、過労死がなぜ起きるのか?というと、上司や企業に逆らえないから。
残業に対してノーと言えないからです。
また「長時間労働を回避」する労働者の居心地が悪くなる企業風土もあったりする。
そのため今回罰則規定がありますが「企業の要求通りに働けないのは、使えないやつ」という風潮が変わらない限り、病気で体を壊しても休めないという空気は変わらない。休めたとしても居心地が悪く、それがストレスになる。
命を絶つほど、追い詰められてしまう、ということになれば、結局は同じこと。
「働き方改革」は、まず労働者に働く裁量を持つ、そういう企業風土作りが1番大事、すべての前提になります。
隣国でも同じことが‥
長時間労働は日本だけでなく、韓国でも同じであるよう。
そして韓国でも週52時間勤労制が設けられ、労働時間の規制が設けられているようです。
日本で働く韓国人の目から見て、同じように見えるもの、それは「年中無休、24時間営業」の看板だそうです。
多くのサービスを求めれば、当然それにより働く人が必要になる。
コンビニや医療機関など、夜間に人が必要とされる現場は多い。
また電車の線路点検、運送業の配達、IT作業など、昼間の生活を支えるために夜、働いている人たちも多いです。
運送業や、電車、医療機関、インターネットはすべてがスピードアップしてしまう悪循環も招きやすい。
つまり「昨日、Amazonで買っておけたはず」「病気はすぐ治して翌日復帰」というスピード感が当たり前の社会になってしまうのです。
人の体力をシステムが超えているという見方もできます。
しかし、その反面多くの人がスピードの速さの恩恵を感じつつ「ここまでじゃなくても」という感想を持つこともあるのでは。
ネット通販は翌日来なくてはいけないのか?
風邪を引いたら3日休んではいけないのか?こういった「生活者」としての価値観を見直すことも、長時間労働の改善には大事なことです。
スピードや便利さだけを重視する。こういった考え方を変えていくことで、アジアの長時間労働を減らすことが出来るかもしれません。