健康を害してまで仕事をすることはない

5月16日、テレビ朝日が2015年2月に同局プロデューサーが心不全で死亡、労災認定していたことを発表しました。

当時54歳のこのプロデューサーは、労働時間の規制が比較的緩やかな「管理責任者」の立場にいました。
しかし、心臓疾患で倒れる直前の残業時間が月70~130時間におよび、過労死とされる月80時間を大幅に超えていたことが判明。

2013年7月に倒れ、14年10月に労災認定を受け、その後療養していましたが、15年2月に心不全で他界。
同年7月に、労働基準監督署に過労死認定されたということです。

この事件を受け、日本テレビの大久保好男社長(67歳)は28日の定例会見で「他社に関するコメントは控えたい」としながらも、日テレ内については「類似の状況はない」と否定。

働き方改革以前から、労働時間や休暇についての状況は役員会で把握するようにしている、大事なことは健康を害してまで働くことを会社は求めていない、と発言。

より管理に力を入れて取り組んでいく、とのべています。
「健康を害してまで働くことはない」というのは、正論である反面、テレビ朝日、日本テレビともに、具体的な制作現場についての話は出てこないままになっています。



過労死の原因とは?

この事件について「プライバシーに関わる」として、具体的に亡くなったプロデューサーがどのような仕事をしていたか、は公表されていません。

なぜ超過勤務になったのか。過重時間以外にストレスになる原因は無かったのか?など、今後の労働状況の改善につながる具体的なニュースは知りたいところ。

昨今、セクハラ問題が盛んに取り上げられていますが、例えばパワハラのような形で番組制作が行われていたとする。
その場合、社内の基準と上から求められるものに矛盾が生じる。
こういった場合、多少無理をしてでも、結果を出そうとするのではないか。

特にテレビの場合、視聴率といった結果が数字に出る世界でもあります。
また同時に内容の低下やユーザー離れも指摘されるところ。
その原因の1つが、自社の過労死について詳しく説明しない、という点にあるのかもしれません。

しかし現代では、ふとしたことがネットで話題になる。下手に言質を取られるよりは、ということかもしれませんが、それでは何のための放送機関なのか、ということにもなる。

そして現場がより無理なことを強いられる、という悪循環を呼ぶ可能性もあります。テレビ会社自体が「問題である」という積極的な姿勢を見せるだけでも悲劇は防げるのではないか。
「健康を害さない働き方」は大事ですが、それが本当に許される職場環境であるのかどうかは、何より大切です。