人材育成の甲斐もなく

終身雇用崩壊と言われる中、転職をする人も増えています。
しかし、辞められる会社の方はたまったものではない。そのため最近は「リテンションマネージメント」という言葉が知られるようになってきました。
リテンションマネージメントとは、人材確保のための戦術。
引用記事では、専門家である青山学院大学経営学部 山本寛教授が具体的な内容を語っています。

若手が辞める弊害とは

社員が辞めてしまうと会社にどんな損失が出るのか?
まず単純に、その人が担当していた業務担当者がいなくなる。そして退職者が優秀であればあるほど後任がいないということに。

またそういった社員を育てるのには、お金と時間がかかります。会社に貢献する前に辞められてしまっては、育成の手間と時間が大損に。

そして退職者が多く出れば会社の評判に関わる。優秀な新卒が来ないということになります。こういった観点からリテンションは大事だと言えるよう。

辞めてしまう理由とは

ではなぜ退職する人が出てしまうのか?
昔に比べ、転職のハードルが下がったことがその1つ。また厚労省の調査によると(2016年)転職者の満足度は半数以上、不満は1割程度と、転職してよかったと感じる人が増えていること。
そして、その感想をSNSで発信。「転職の良さ」が広報されていることも大きな要因であるようです。

社内での問題は、若手に一気に仕事が押し寄せる傾向にあること。
それに加え、残業抑制やワークライフバランスを重視する傾向がある。結果、達成感のない仕事を、日々大量にこなし、しかも終わらない不完全燃焼感覚を抱えることになる。
そしてそれを相談する相手も暇もない。

逆に会社のリスク回避のため、重要な仕事を若手に任せない企業も多い。
やりがいもなく、失敗もできない仕事だけをやらされる。そしてこれについても相談相手がいない。
どちらの理由でも、適切な指導者がいないことが退職者を増やす原因になっているようです。

若手のケアをする人間を育てよう

これらの対策には1on1など、きめ細かいバックアップが大事。
とくにいつでも話を訊くという姿勢は欠かせません。

また会社の理念を教える機会も大事です。今やっている仕事が「どのように会社の利益に結び付くのか? そして会社は何を目指しているのか?」がはっきりすれば、自分のやっている作業に意義を見出しやすくなります。

そのためにも、中堅社員の働き方は大事。色々な部門をまたいで業務を行うことで、他の部署を知ることができる、また自分の部署の位置づけもわかり、何より「他部署でも通用するスキルがある」という自信を持てる。

仕事を1つの部署で区切るのではなく、横の行き来を柔軟にすることで、より働き甲斐は増していくようです。

それでも「仕事をやめたい」という人間が出てきた場合は、辞める理由を丁寧に聞くことが大事。辞めるからには何かしら現状に不満があるはず。
それを知ることは退職希望者、企業双方にとって有効なようです。

それでも去ってしまう社員は快く送り出すのも大事。というのは戻ってくる可能性も高いから。

まず社員を育てるためのマネージメント自体を見直す、それと同時に在籍社員の仕事へのモチベーションを高める、この2点がリテンションには大事なようです。