待遇は良くても

働き方改革のメインは「ワークライフバランス」。休みがしっかり取れることを重視する傾向にあります。
労働者のプライベートを充実させることで、作業効率も上がる可能性があります。

しかし、労働意欲を上げるのに、これだけでは不足。なぜなら「その会社じゃなくてはいけない」理由がない。
休みが多いという理由で、ある企業を選んで入社したとする。しかし、これで仕事をやる気が出るかというと、そうはならない。
自分のやりたい仕事や、自分のスキルを活かせる状況でなければ「仕事はクビにならない程度にこなしておけばいいや」となる。

「ワークライフバランス」だけを考えた企業改革をやっていると、やる気のない社員ばかりが集まってしまう可能性があるのです。
もちろん逆に、やりたい業種だが「徹夜続き」になってしまう、給与も低いとなれば「やめておこうか」となる。

「待遇」「やる気が出る環境」どちらも欲しい人材を取るには欠かせない条件なのです。
そして「待遇」と「やる気が出る環境」は別の要素なのですが、待遇を改善すればやる気が出ると勘違いしている企業が多いようなのです。

マズローの欲求階層説

企業の就職はマズローの欲求階層説を見てみるとわかりやすくなるよう。
マズローは人間の欲求を5段階に分け、下から順に優先順位を付けています。

まず1段階目は「生理的欲求」2段階目は「安全欲求」
生理的とは「寝たい、食べたい」次に「そういった環境を安定させたい」ということ。

ブラック企業をまず避けたいと考えるのは、人として自然なことかもしれませんね。ここまでが就職でいえば「待遇」。

そして3段階目が「社会的欲求」4「自尊欲求」5「自己実現欲求」
社会的欲求とは「仲間を作りたい」など帰属意識。会社でいえば「その企業の社員である安心感」ですね。
4段階目、自尊欲求とは、尊敬を集めたい。そして最後5段目は自分の能力を活かして人に喜ばれたい、ということ。
4,5段階目が企業でいう「やりがい」です。

ですから、最初の3段階を満たすことは絶対条件、4、5は個人差が出てきます。

個人差があってよい「欲求」

そして企業は必ずしも4、5を目指す人材を確保しないといけないわけでもありません。

これから労働者は主婦や高齢者など多様な人材が増えていきます。
高齢者、障がい者の場合、2、3が満たされればよい。すなわち会社員であればよい、そしてその地位を維持する努力は惜しまないという発想をする人が多い可能性大。

そういう人材は、下手に「自尊心」を満たそうとして、自分の名誉だけを考える社員よりは、企業にとってずっと有益です。
人を雇うというとき、まず「欲求」がどの段階にあるのか確かめる。それを満たす方法を考える。このときに個人差も念頭に置くことが大事。

欲求階層説を雇用側、労働者側が念頭に入れておくことで、雇用のミスマッチは減るかも知れません。