「良し悪し」ではなく「好き嫌い」

日本人は「好き嫌いをするな」と子供の頃から言われがち。
嫌いなものでも努力して出来るようになる、これが美徳。
実はこの考え方が、日本の経済を停滞させているようなのです。

日本企業の多くは「良し悪しで物を考え、ベターを目指す」
具体的にいうと、今よりスピードが早い電車を作るとする。スピードの改善は、ある程度、誰でも目指すことが可能。また数値で比較もできます。

しかし「便利な乗り物」となると、まったく違う戦略を編み出さなくてはいけません。企業において大事なのはこの戦略。

米国の経営学者マイケル・ポーター氏は「戦略論」の中で、良し悪しの差をOperational Effectiveness:OE(効率による差)
好き嫌いによる差をStrategic Positioning:SP(異なる立ち位置)と名付けています。
良し悪しとは、スピードやテストの点のように数値化してランキングが付けられるもの。好き嫌いとは性別や色のように、優劣と関係なく「違い」があるもの。
どちらが企業の業績に左右するのか?それは後者である。

企業の考え方の1つに「ベター=戦略」という過ちがありますが、立ち位置それ自体が戦略であり、スタート地点や視点それ自体を変化しないと「戦略を変えた」とは言えないのですね。

引用記事では、ファッション業界の実例が引き合いに出されています。ZARAとユニクロの両企業はそれまでにない「ファストファッション」を生み出しました。

「売れてるものを、すぐ出してしまえ」という視点に立ったからこそ、出来たもの。しかしZARAとユニクロにも「違い」はある。
ユニクロには「ヒートテック」など、主力製品がありますね。
「攻める日常着」という新しい視点があるためです。
こういった他社との違いこそが利益を生むのです。

勉強ができてもモテない

会社の利益を「恋」に例えるとわかりやすいようです。
勉強の点や、運動の記録は「良し悪し」という物差しで測ることができる、そして努力して数値アップすることが可能。
しかし、勉強や運動ができても、モテるとは言い切れない。

こういった場合にやりがちなこと「恋愛マニュアルを読む」
これは基本的にベターを目指す方法であって、モテる方法ではない。
勉強を筆頭に数値化できるものは「スキル」。モテるかどうかは基本的に「センス」なのです。

センスなくしてスキルを身につけると大惨事が起きます。
ではどうしたらいいのか?自分の「好き」を追求すればいいのです。

これを企業に置き換えると、色に興味のない人に「カラー」を手掛けさせてもベターな案件しか出ない。
しかし、色にこだわりが強い人であれば「使っているうちに変化するのって味がありますよね」とひらめき、どうすればそういった商品ができるのかを考える。
当然仕事も楽しくなります。

ただし仕事として結果を出すには、相応の努力が要りますが、その原動力が「好き嫌い」であれば、これはかなり強力です。

今の日本社会に必要なのは「好き嫌いのアピール」のよう。
「自分の意見をここまでアピールする人嫌い」というのも、また大切なのですね。