変化する中小企業

続く企業の人手不足、特に中小企業でその傾向は顕著なよう。
そのため賃上げも増えており、2017年に東京商工リサーチが行った調査によれば、資本金1億未満の中小企業の方が、賃上げ実施率が高くなっています。

その結果、7割を超える企業が「社員のモチベーション向上」「離職率低下」など賃上げ効果があったと回答。逆に2割が「効果なし」と回答。
賃上げは雇用促進に効果があると言えるが、それだけでは不足ということ。

何が足りないのか?それは福利厚生であるようです。

近年、新卒の価値観が「ワークライフバランス重視」つまり「休めること」にシフトしていることが話題になっていますが、中小企業における問題はそこではない。

この30年間、つまり平成において大きく変化したことは「女性の就業率の増加」。特に共働き世帯が急速に増えていることが挙げられます。
共働き世帯の女性の場合、賃金よりも時間の柔軟性、また時短など、育児や介護がやりやすい環境を望む可能性があります。

また60歳以上の労働人口も増加、こちらも「体力に無理のない程度に」という考え方が強いと思われる。
また60代でも介護を行う人が増えている現代、孫育てなど下の世代に時間を取られる可能性も高くなっています。

このように、人材が多様化しているのが現在の姿、従来の福利厚生ではミスマッチになる可能性も高いのですね。

現在の福利厚生の傾向とは?

厚生労働省の「平成28年就労条件総合調査」によれば、30~99人規模の企業における福利厚生金の内訳で1番多いのが「私的保険制度への拠出金」と3割超え。大企業では5%にも満たないため、かなりの割合を占めていると言えます。

私的保険制度とは、従業員の生命保険金の負担などのこと。病気やケガ、事故などに遭った場合のバックアップが、中小企業では大きいと言える。
もちろん「病気になっても安心」は大事ですが、結婚を目指す若い新卒から、共働きの主婦、高齢者すべてが一律にそれを望んでいるとも言い切れない。

人材が多様化しているからこそ、福利厚生も多様化を考える必要があるようです。

ちなみに大企業では「住宅補助」が大きな割合を占めます。
寮や社宅などがその例。しかし大企業の福利厚生の内容は変化しつつある。
この30年の間に住宅補助やレクレーション(保養施設など)は減り、ライフサポート、ヘルスケアサポートといった日常のバックアップにシフトしています。

また「カフェテリアプラン」というポイントを貯め、好きなサービスを選ぶという方法も普及。
中小企業の場合、大企業に比べ、雇用側が労働者に使える金額自体が少ない。
ただ賃金を上げるだけでなく、福利厚生における「労働者のニーズ」を考えることも大事であるようです。