時差bizから見えるさまざまな思惑

東京五輪もあと2年後、そこに向けた朝の満員電車の混雑解消対策として「時差biz」がこの7月からスタートしました。
朝早い時間の電車を増やすことで、混雑を解消しようというもの。
昨年夏にも行われており、働き方改革の1つでもあるようですが、どうも歓迎の気配が薄いようなのです。

まず「満員電車にストレスを感じる」人は95%(マクロミル調べ)
これを解消することに異論はない。

しかし、朝早くの電車を増やすという方法には異論が多いよう。
・なぜ早い時間だけ増えるのか?遅い時刻も増やせばよい
・一斉に前倒しになるだけでは?
というのが、効果への疑問の声。確かにただのサマータイム導入にも思えますね。

次に・退社時刻が早くならない、労働時間が長くなる
というもの。他にも「ランチタイムは同じ」「他社と連絡が取りづらい」
など、働き方改革に効果があるのかという疑問も多くあります。
サマータイムが導入されない理由はこの辺りにあるのかも。

最後は・なぜ東京五輪のために、無理な労働をさせられるのか。
なぜ五輪誘致をしたのだ、という問題が出てきているよう。
そもそも五輪開催へどの程度合意形成がされていたのか?という別の問題が出てきます。

また満員電車混雑対策として挙げられていた「2階建て電車構想はどうなったのだ?」という声もあります。
いずれにしても「時差bizは何のため?」という都政への不満が透けて見えるよう。

テレワークを導入すればよいのだが

そもそも通勤時の電車混雑問題を解決する簡単な方法は「通勤せずに仕事をする方法」が広まればよい。
そのため在宅で仕事ができる「テレワーク」などが推進されています。
しかし、日本企業はずっと9時~17時の間、オフィスにいるという働き方を基本としてやってきました。
これを変更しようとすると、労働のあり方自体を見直さなくてはいけない。
好きな時間に出勤可能な「フレックスタイム」が、主流にならないのも、やはり従来の勤務体制を維持する方が、仕事がやりやすいから。

しかしテレワークが進まない理由はもう1つあるよう。
それは「鉄道会社の思惑」です。満員電車は裏を返せば、鉄道会社の高い利益につながる。
テレワークとなると、電車利用者が減る。そういう方針を鉄道会社がよしとするわけがない。

こうして時差bizは目的が判然としないまま、実行されているというのが現状のよう。
まず、東京五輪と働き方改革は分けて考えた方がよいでしょう。

東京五輪については開催のおかげで増収した企業はともかく、それ以外の労働者には「道路工事」など、マイナス面だけが目につく現状。しかもここに税金が投入されています。
そもそも五輪開催は都民の声を反映しているのか。

時差bizの「もやもや」は、都も勤務先も自分たちの声を反映してくれない、という労働者のストレスの塊のようにも見えます。