減らせない、減らしたくない残業

長時間労働の規制が、このたび衆院を通過した働き方改革の目玉。
しかし、依然として残業は存在しています。
引用記事中のグラフを見ると、基本的にこの10年、残業時間に変化はないよう。
なぜ残業は減らないのでしょう。
その原因は、企業、労働者、双方にあるようです。

まず企業の側から見てみましょう。
欧米では、残業代(割り増し賃金)が非常に高い。100%の賃金上乗せという国も珍しくありません。
これに対して、日本は平均25%程度。残業してもらう方が会社にとって得なぬです。
また残業時間は労働基準法で決まっているものの、例外規定もある。

そして日本企業は基本的に「終身雇用」的な考え。解雇をしづらい法制度になっている。そうなると、決まったメンバーを使いまわすという発想になります。
こうして「長時間労働意識」が定着する。

そういう状況を過ごした上司が「俺だって寝ずに頑張った」と言う。
本来、労働者の環境は一律ではないはず。介護、育児をしている人が寝ずに仕事をしたら、倒れてしまいます。

そのため、そういう人材が働けない、残業できる人間ばかりが、企業にいるということになるのです。

「会社に従う」に慣れた労働者

では労働者側から見ると、どうなるのか?
残業が当たり前という企業で働く場合「給与+残業代」が、賃金という考え方になる。
労働者としても、残業をする方がお得になってしまうのです。

その上、日本の労働者には裁量がない。本来、上司というのはただのリーダーであって、立場が違うというだけの話。
しかし、日本の場合「上の言うことは絶対」なのです。
そのため、残業を命じられてもノーとは言えない。

仮に現場にいる人間が、仕事を効率よく行う方法を見つけたとする。しかし、それを上司に報告できる環境にない、またできても取り合ってもらえない。

言うなりにしかならない労働環境では、「しっかり働いておく」
残業するという選択しか残らなかったりします。
そして、上司も「毎日遅くまで頑張っている」という評価を与える。

雇用者、労働者、双方が「長時間労働」を盛り上げてしまっているのが、日本企業のようです。
この状況を改善するには、
1、 まず法制度を変える 発端は「残業させやすい法律」ですから、根本から変えるのは有効。
残業代をもらわなくても良い給与体系も必要です。

2、 意識改革
主に上司側の心得ですが「時間ではなく結果を評価する」「労働者に裁量を与える」この2点は欠かせません。
意識改革は、残業をなくすだけではなく、多様な人材確保にもつながります。

残業をなくすには、「残業が評価されない環境」を作ることが大事になるよう。
労働者、雇用者ともに「残業なし」が当たり前と感じる労働環境を作ること。
これが会社を発展させるきっかけになります。