労働基準法から外れてしまう「高プロ制度」

働き方改革の目玉の1つ「高度プロフェッショナル制度」。
「年収1075万円以上の一部専門職を、労働時間の規制から外す」という制度です。

「年収からして関係ないや」という労働者も多いのですが、当事者として考えると、かなり問題が多い制度。
その理由は「労働時間の規制から外れる」=いくらでも労働させられる、という意味だからです。

労働基準法は、基本的に「労働者の権利を守るもの」。
同法第4章32条に
1休憩時間を除き、1日8時間を超えて労働させてはならない、
2、1週間について40時間を超えて、労働させてさせてはならない、
の2文があります。
これを破って働かせるのは、労働者の権利を破ること。

「残業時間、これ以上あるんだけど」という人もいると思いますが、残業時間については、例外規定が設けられるようになっています。
同法第36条に「適正な割増料金を払って~」という条文があります。

残業時間を超えるのは、場合によっては仕方ない。しかしここにも「権利を守る」法律があります。また午後10時以降は「深夜割増賃金」という法律もあります。

しかし、高度プロフェッショナル制度は、
1、 年次休暇(4週4日以上、年次104日以上の休暇)
2、 健康調査(健康診断など)
の2点以外は、労働者に対する規制がありません。

規制がない=自由である、自分の裁量で働ける!というふうに宣伝されています。
しかし、現実には「雇用者からの命令に従う」という構図がある限り「権利で守られない」ということになるだけなのです。

自由は雇用者側にある

高度プロフェッショナル制度は「平日4日休んで、水曜だけ徹夜しようかな。」
という働き方の選択ができる、という意味でとらえられている。
高収入、専門職に限定されているのは、そのため。
こういう説明なのですが、専門職であっても「働く裁量が自分にない」場合、
現実には平日4日の休暇は取れない。

それどころか、4週4日の休暇を満たせば、残りの日数は24時間労働させても、法的に違反はないわけです。
そして手当、深夜労働についても、特に規定はない。

また残業代の規定もない。年収1075万払っておけば、使い放題に使える人材、という解釈もできます。
「縛りを解くという大改革」というと聞こえはいいが、実態はただの「権利はく奪」になっている高プロ制度。

ちなみに、今回の働き方改革、労働基準法始まって以来の大改革と称し
「長時間労働の是正、同一労働同一賃金、高プロ制度」の3つが柱になっています。
しかし、長時間労働は上限基準値でもめている。同一労働同一賃金については、内容自体がはっきりしません。

つまり1番大事な「労働者の選択」という権利はない、というより、破壊される方向で「働き方改革」は進んでいるのです。
まず「自由な働き方」がどうやって担保されるのか、そこが1番大事なはずなのですが‥。