残業規定と同一労働同一賃金がポイント

「高プロ制度」ばかりが注目されがちな「働き方改革関連法案」ですが、8本の法律で成り立っています。

企業が熟知しておくのはもちろんですが、管理職もある程度知っておかないと、会社の方針とズレが生じる可能性もあるよう。
知っておきたいことは、大きく2点、残業規定と同一労働同一賃金です。

残業規定の改正とは?

今回の「働き方改革」の骨子は長時間労働の是正。そのため今回の法律には残業時間の上限規制が定められています。

実は現行法でも、労働者は1日8時間以上(休憩時間をのぞく)の労働は禁止されています。
しかし当たり前のように残業は存在しますね。

それは36協定という例外規定があるから。時間外労働、休日労働については労使協定を結べば認められるのです。とはいえ、上限規制はあり、原則1か月45時間、1年360時間までとなっています。

ただし「臨時的な特別の事由ある場合」については、年間6か月の範囲で上限撤廃が可能。

つまり、労働基準法で1日8時間、週40時間は規定されているが、例外をいくらでも作れるという状況なんですね。

今回の法律では、違反した場合に企業に罰則が与えられる。そして時間外労働の上限については、現行法と同じですが「臨時的特別の事由ある場合」でも上限が設けられています。
・年720時間以内
・複数月平均80時間以内(休日労働を含む)
・単月で100時間未満(休日労働を含む)
の3点を満たすこと。
ちなみに「臨時的特別の事由ある場合」の期間は年6か月まで。(一部の職種をのぞく)

つまり、今まで通りの感覚で、労働者に残業をさせると、企業が罰を受ける可能性が高いということ。
法律施行は2019年4月1日から、これ以降は労働時間の管理がより大事になるようです。

同一労働同一賃金とは

法案の2つ目の骨子は「同一労働同一賃金」です。
正規雇用労働者と非正規雇用労働者の待遇差の解消が主な目的。

現行法でも「パートタイム労働法」はありますが、有期雇用者は適用外。
しかし、今回の法律では、有期雇用者も含むとなっています。

つまりパートタイム労働者・有期雇用労働者と正社員の待遇格差(職務内容など)があってはならないということ。
派遣労働者の場合は、派遣会社が雇用先のため、事情が異なりますが「雇用している会社が派遣先での待遇格差が生じないようにする」義務が生じます。

また待遇内容や待遇決定についての説明責任の強化も決定。
現行法では、パートについては説明義務がありますが、今後は有期雇用者についても同じことが求められるよう。
また非正規労働者が、正規労働者との待遇格差について疑問を持ったときの説明責任も法制化。

大企業は2020年度から、中小企業は2021年度から施行されます。
この法律については「正社員の待遇が下がるのでは?」という懸念があります。
また説明義務が形骸化してしまうことも考えられる。

雇用者側から見れば、賃金体系に大きな変化が生じるため、施行までの時間があるよう。本来の目的を見失わないようにしたいものですね。