定年のない社会へ

自民党が29日「エイジフリー社会」へ向けて、定年制度の撤廃、年金の見直しなどを政府に提案する方針をまとめました。

自民党の「人生100年時代戦略本部」(本部長・岸田文雄政調会長)がまとめた提案で、小泉進次郎事務局長は、2024年には50歳以上が国の人口の半分以上になることを踏まえ「国の形が変化してきている。社会のあり方や保障制度を見直すきっかけになれば」とのべています。

具体的には定年制度の見直し、また公的年金の受給開始年齢を、現行の60代からの選択ではなく70歳超も可能とする、といった案が盛り込まれています。

5年後に、50歳以上が半数を占めるということで、かなり緊急の課題。
現在、すでに健康保険料などは年齢ではなく、収入で判断するなどの変更が行われていますね。

その反面、高齢者層からは、負担が重い、高所得者層の負担が一気に増えるなどの声も上がっています。
「健康に気をつけ、労働をしている方が損をする」と感じる高齢者もいるかもしれません。

しかし、税金など国や自治体の収入で何かを行うとなれば、収入源が必要。
また、税収が減るということは、社会が活性化していないということ。モノを買う人が減り、企業の収入も減っていく、という国庫とは別次元の損失も考えられます。

これらの対策には、高齢者への対応を変えると同時に「少子化、減る人口」対策も必要になってきます。
しかし高齢者の数自体が減ることはない。高齢者の意識改革がまず必要なのです。

エイジフリー社会に向けて

エイジフリー社会に向けて、問題となるのは「社会保障」。
現在の一般的な高齢者は、日々のお金が不足しているというより、介護、病気に向け、貯金をしているため、相対的に資金不足というケースが多い。

仮に介護や病気の金銭的、物理的保障があれば「ちょっと無理をしてでも、いろいろやってみよう」という気持ちになり、希望の持てる人生となる。
結果として生涯現役になる可能性も高い。

しかし、介護や病院代が高いという理由で消極的な生き方を選択する、というのが今の高齢者のあり方。ここに矛盾が生じます。

この状態のまま、社会保障だけを削ると「とにかく無難に生きる」という考え方が先行しかねない。
若年層においては「子供を持たない方が良い」という本末転倒な結果を生みかねません。

また障害を持つ人など弱者と呼ばれる人と、そうでない人との格差が生じる可能性も高い。
そうではなく、すべての人が「社会において役割がある」という考え方が、エイジフリー社会を迎える大事な前提条件になってきます。